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アンメット



私は幼少期、いわゆる鍵っ子だったので、

寂しくないように自分の部屋には古いブラウン管型のテレビがあった。
子供ながらに当時の連ドラを録画して、繰り返し見ていた。自分の年代では見ていないような古い作品は再放送で履修済みだった。
だから時々、SNSで古いドラマの話をしていると、いくつなの?と年齢を疑われる時がある。

一緒に歳を取ってきたと思う、それくらいテレビドラマが好きだった。


そんなドラマ大好き人間が、我を忘れ、夢中になった作品が、突如現れました。

『アンメット』

視聴を決めた理由

は若葉竜也さん。
2007年ドラマのゲスト出演がきっかけでファンになり、
映画出演作を追ってきた。が、テレビドラマに出ることはほぼない。
いつか、また見てみたい、なんて思っていたら、
メインキャストの一覧にその文字が。
「この人が出演を決めた作品なら間違いない」とすでに確信しきっていた。
基本的に、俳優で見る・見ないを決めることはあまりしないけれど、若葉さんだけは譲れない基準だった。

ですが、それは予想していた以上のものだった。

正直、ここまで好きになるとは思わなかった。
アンメットのことしか考えられなくなるとは思わなかった。
こんなにも愛おしいと思ったのは初めてかもしれない。

(恋愛のお話しではありません)

アンメットチームってすごいんですよ。

アンメットチームのすごさ

民放ドラマでは普通使用しない「ALEXA35」というカメラ(映画でも最高峰レベルらしい)を使用し、その良いカメラを最大限活かすために照明部に川邊隆之さんが参加。(シン・ゴジラで最優秀照明賞を受賞)※地上波ドラマ初。手術シーンは手元カットを分けて撮影することもできるのに座長の杉咲花さんは「挑戦してから決めてほしい」と縫合と吻合練習を続ける。「迷ったら挑戦する方を選ぶ」「良いものになるなら険しい方の道を選ぶ」これがアンメットチームの合言葉と聞いて、ますます心が奪われてしまいました。

やっぱりすごいんですよ、まず驚いたのは2話。
亮介とミヤビのサッカーボールのパスシーン。

転んだ拍子についた顔の泥がリアルタイムでどんどん渇いてパッサパサになっていくんです。すると、
杉咲花さんと島村龍之介さんの表情の変化が、お芝居に見えない。淀みがないし、嘘がないんです。どういうことなんだろう、これ、リアルに見せるようにワザと乾かしてるの?なんて思っていたら、そのシーンは長回しだったと放送後に監督のポストで知りました。

アンメット、ここまでするのか。
もう、こうなってしまうと後はズブズブにハマっていく一方です。

グミとラムネ

長回しといえば、話題になった9話のラスト。「アリを見ていた」などの三瓶のエピソードはセリフではなく、脚本家の篠﨑絵里子さんが作ったいくつかのエピソードから本番の感情で若葉さんが選んだもの。
杉咲花さんの「三瓶先生は私のことを灯してくれました」もアドリブ。俳優のその場の感覚で、本当の会話のように進んでいく。涙ぐむ三瓶から鼻水が出てくる。それも、隠さない。どこまでもリアリティを追求する。
いや、もはや、ある意味ドキュメンタリーなのかもしれない。ふたりの間では「好きです」「愛しています」そんなやり取りは交わされない。
それでも、お互いがどれだけ相手のことを想っているかが「目」や「態度」でわかる。むしろ、そちらの方が強く伝わってくる。

「愛しい」という感情がここまで伝わってくることは今までのドラマではなかったかもしれない。もう分からない。これは、杉咲花と若葉竜也の物語ではないのか、どうしてもそこにお芝居が見えないのだ。

最終話、ミヤビが目を覚まさなくなって、優しく手を摩ったり、背中をトントンと叩くテンポも質感も、愛する者に対してのそれだった。むせび泣く。いつまで経っても涙が止まってはくれない。

最終話、書きたいことが山のようにありどれから消化していったらいいのか、分からないままX(Twitter)にポンポンと投稿した。正直、昨夜は動揺していた。すごさに驚いて消化しきれなかったのだ。

3時まで眠れなかった。翌日はこんなこともあろうかと、有休を取っていてよかった。

眠る直前、三瓶先生がミヤビの日記を読むシーンを脳内で辿っていく、暗闇でまた涙が溢れてくる。

はやくBlu-rayがほしい。そんなことを思いながら眠りにつきました。


あと、二つだけ書きたいことがあります。

『ドーナツの半分こ』

アンメットの中でもとくに10話が好きです。
「ドーナツの半分こ」がすごく印象的で。わたしも、人と食事に行くときはシェアをするのが好きなので分けて食べることが多いんです。
でも、分けて食べるって相手が居ないとできないよなって。ものすごく当たり前のことなんですけど、当たり前すぎて、今まで考えてこなかったな、って。物語上、重要なセリフでは無いんですが、芳美さんの「いつも半分こで食べてたから、一個一人で多いなと思って」にハッとしちゃって、目の前に居る人たちとの限りある時間を大切にしたいと心から思うようになりました。この感覚を覚えていたいな、忘れたくないな、って思いながら、何度も何度も繰り返し見ています。

もう一つは、

ミヤビと三瓶先生の声量


わたし、声小ちゃいんですよ。仕事のときだけは自分でうるさいって思うくらいに声を出すようにしてるんですが、プライベートだといつも通りの声量に戻っちゃって、自分のボソボソ声が死ぬほど嫌だったんですけど、ボソボソと喋る三瓶先生や控えめの声量で話すミヤビちゃんがナチュラルですごくいい!という評判を見て(おまえのことじゃない)少しだけ気が楽になって、まずは自分が受けれてあげようと思えました。(一緒にするな)
※アンメット、録音部チーム凄すぎです。※

最後はちょっとおふざけが入りましたが、とにかく大好きです。好きすぎて、待ち受けをアンメットにしました。これで、仕事で腑煮えくりかえることがあっても耐えれそうです。Blu-rayも速攻で予約しました。
あってもなくても、いいです、またアンメットの世界に出会えてる日がきたら泣いて喜びます。
その日が来ても、来なくても、変わらず好きです。
アンメット、ありがとう、(グミと焼き肉丼食べるね!)






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