マイファミリー 最終回 考察
マイファミリーの最終回がちょうど一週間前に放送されました。
マイファミリー最終回を私なりに考察してみたので良ければ読んでみてもらえると、そして感想などもいただけると大変嬉しいです。
冒頭の注目シーン3選
まず、冒頭だけでも注目すべきシーンが何個かあったように感じました。
①冒頭、温人に真犯人から
「未知留さんを誘拐しました」と着信が入る。
今までなら温人は「え?」と驚く反応をしていたが、
温人は一切驚きもせず「要求はなんだ?」と答える。
誘拐事件に慣れすぎているのか、犯人の狙いがタブレットだと目星が付いてるからなのか温人は冷静に犯人と対話する。さらに「急遽未知留を誘拐だなんてずいぶん焦ってるんじゃないのか?」と犯人を煽る。
このシーンから今まで『犯人 〉温人』 という力関係
だったのが、この時点でひっくり返っているのが垣間見える。これが後に温人が犯人を欺くシーンへの伏線のようにも感じて改めてみると面白い。
②そして、鳴沢家でのシーン。
葛城は『犯人は警察の人間』というメモを友果に渡す。
実は第九話から警察関係者へ真犯人のフラグを立てる描写がたくさんありましたが、友果へのメモでそのフラグが確信に変わる。
そして、日下部を睨み付ける葛城。葛城は日下部を怪しんでいる印象(葛城と日下部の対立的な描写)を与えておくことで、この後の葛城と日下部がタッグを組み、真犯人を捕まえるというどんでん返しがより際立っていたような気がします。
③未知留を救い出すために、三輪に協力を求める温人。
妻の沙月は家族のために行かないでほしいと懇願する。家族と友情の狭間で悩む三輪に救いの手を差し伸べたのが、娘の『優月』。
「行ってきて、困った人を助けるパパがかっこいいから」と三輪の背中を押す。
娘の言葉に三輪もちろん、沙月も決心が着く。
子供は大人が思っている以上に敏感です。
子供にとっては父親、母親が何よりも大切な存在で、
両親の言葉や行動をいつも注意深く観察します。
それは子供が生きるために必要な能力で、
大人になるとどんどんその能力は別の物に変化していきます。
大人はこうした方が良いんじゃないかという損得や
周りの空気を読むことが増えていきます。
それは、大人が生きるために必要な能力です。
子供は大人を見て学び、大人もまた子を見て学びます。
ドラマでは子供たちが親を守るために行動します。その行動力はきっと大人になると難しいかもしれません。子供だからこそできる強さをマイファミリーでは描いており、これはドラマだからではなく現実の世界でもきっとそういうパワーを子供たちは持っていると思います。子供は弱い対象ではない、強さもあるという一面をマイファミリーは見せてくれたのではないでしょうか。
阿久津が温人に謝る描写がなかった理由
前回、阿久津は温人への誤った復讐心から、温人を社会的に抹殺しハルカナの存続も危うくなります。
そのため、最終回直後には『阿久津さん温人に謝ってほしい』という声もたくさん上がりました。
しかし、
実は阿久津は温人を守るための行動をしていました。
警官を殴って温人が逃走しているというネット記事を読み何かを考える阿久津のシーンがありました。
阿久津さんはこの時点で温人が犯人ではないと気付いていたのではないか?と私は考えています。
そして、捜査に全面協力すると申し出たのは温人のために真犯人を逮捕するため。
阿久津は未知留から聞いた、
実咲ちゃんがボルダリングができなくて落ち込んでいた時に四つ葉のクローバーを渡すように友果に伝えたのは実は温人だったんです。という話を思い出し、
誘拐事件を起こしてお金を手に入れる計画を温人がしたとしても、保釈されてすぐに人に暴行をして逃げるような人ではないと咄嗟に気付いたはずです。
そして、阿久津の協力のもと真犯人の居場所を
特定することができ、逮捕に繋がります。
そして、真犯人が逮捕されてすぐに「真犯人が捕まり、誘拐されていた未知留を救い出したのは夫の鳴沢温人」というネットニュースをNEXが一番に報じます。
このニュースのおかげで、温人は悪者からまたヒーロー的な存在に変わり、ハルカナへの期待・応援も以前より高まることでしょう。
結果的に阿久津は温人を助けた一人であり、
直接的に謝っている描写がなくても、温人も阿久津には感謝しているのではないかと思います。
温人は温人で実咲ちゃんを必ず助け出すと言っていたのに助け出すことができず、責任を感じてたと思います泣
そして実咲ちゃんも無事戻ってこれたので、お互い様という気持ちもあり敢えてどちらかが謝るのは野暮でお互い何も言わなくても許し合ってる仲だというのを謝る描写を敢えて入れないことで表しているのではないかと考えました。
真犯人吉乃の心情
真犯人の吉乃はもともとは部下の面倒見が良く、
他人の家庭まで心配してしまうようなお人好しだった。
しかし、その人の良さが仇となる。
私は亜希と不倫関係だったのも、吉乃の人の良さが齎した関係ではないかと思う。亜希に頼りにされて、気持ちが晴れるならという優しさが度を越して不倫という形に結びついてしまったのではないかという気もしてくる。
(どちらにせよ許されることではないが)
吉乃の動機は『家族にバレるのが怖かった』でした。
温人は「怖がる存在じゃないんだよ、家族は」と漏らす
温人の言うことは正しい。
しかし、本当に大切な存在に嘘を付いてしまったら、
その存在を失うのが怖くなり隠そうとするのも人間らしさであり、吉乃の弱さが現れている部分でした。
嫌われるのが怖くて嘘に嘘を重ねる。
でも重ねた嘘はより自分の首をしめることになる。
そして、実咲が脱出を試みて転落しても母を思う姿に
実咲を遺棄せず、東堂に選択を託した。
東堂の答えを聞いた吉乃は涙を流す。
本来の吉乃の優しさを取り戻した瞬間だった。
『なんでこうなった』『あの時、不倫を認めていたら』
吉乃は大人になり、損得を覚え嘘で誤魔化すことしかできなくなっていた。子供の強さに自分の弱さを憐れんで
涙を流したのかもしれない
光と闇の対比、生と死のカットバック
葛城が温人へ語った、真犯人吉乃の供述。
この間、二人の後ろではザーザーと雨が降っています。
うしろの雨が視聴者の感情を示すように吉乃が供述した心春ちゃんの真相に悲しみが募っていく。
そして、供述が終わり温人のスマホが鳴る。
『もうすぐ、生まれるよ!』
この瞬間、雨が止み雲の隙間から光が差し込む。
この光と闇の対比の演出が素晴らしいな〜と思いました。雨が降ってることで、より事件の悲しみが伝わってくる。そして、光が差し込むことで気持ちが明るく切り替わる。
そして、場面は変わり三輪と東堂の面会シーン。
三輪が連れてきた亜希と東堂が約五年ぶりに顔を合わせる。
そして、東堂は亜希と「心春ちゃんは……心春は……
亜希、会えたのか?……」という言葉を交わすが、
この亜希と東堂が言葉を交わすシーンと未知留の出産シーンが交互に映し出される。
東堂と亜希の会話で『(心春の)死』が未知留の出産シーンで『生』がカットバックで映し出され、
『生と死』を強烈に印象的に描かれおり、
未知留が妊娠した理由も、今まで亜希が姿を見せなかった理由もここに繋がるのかと驚嘆しました…。凄い。
それと余談ですが、鳴沢家・三輪家とは対照的に
東堂家だけ報われない結末になったのは、とても悲しいですが、東堂が自ら言っていた『誘拐は最も卑劣な犯罪だ』に繋がり、どんな理由があれど東堂だけは『最も卑劣な犯罪』を起こしたことで明暗が分かれているかもしれません。『悪』はきちんと制す。その意味も含めてこの結末なのかなと妙に納得してしまいました。
しかし、心春が書いていた『ゆうかい計画書』の中に
心春の一番好きな食べ物が『パパが作ったハンバーグ』と書かれてあったことで、親子の心は間違いなく繋がっていたといえると思います。
以上、マイファミリー最終回の考察でした!
あくまでの個人的な考えであり、何が正解かは分かりません。でも間違いなく、見ていた人に大きな感動を与えてくれたドラマだと思います。
マイファミリーありがとうございました!!!
それと最後に。
サンドウィッチマン富澤さんのブログを拝見しました。
ブログの詳しい内容は控えますが、
私は真犯人の役が富澤さんで本当に良かったと思いました。富澤さんのことは元々好きでしたが、この役を通してもっと好きになりました。
富澤さんが演じられる吉乃は、富澤さんが持っておられる本来の優しさが馴染み出ていて詳しく描かれなくとも、吉乃の優しさが伝わってきました。
それなのに、最終回真犯人が吉乃と判明した瞬間の表情に思わず『ゾクっ』としました。怖い。吉乃本当に悪い奴だと感じました。
優しい人が怖い人になる瞬間ほど怖いものはない!
それはトミーさんでなければ出せない怖さだった。
また、他の役も是非見てみたいと心から思いました。
おわり!