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読書レビュー「銀の森へ」沢木耕太郎
初版 2018年 3月 朝日文庫
朝日新聞で15年続いた、沢木さんによる映画エッセイを「銀の森へ」「銀の街から」の二冊に書籍にまとめたうちの一冊です。
本作「銀の森へ」は1999~2007年までに執筆された「ローマの休日」「シックスセンス」「ミリオンダラーベイビー」「ロストイン・トランスレーション」「メゾン・ド・ヒミコ」などなどについての映画評、90篇を収載したものです。
1作品について約3ページ程度の、映画評としては短めの中文程度にすっきりまとめ、映画評論家の書く映画評とは一味違った装いになっています。
プロの映画ライターがプロモーションで書くような、過剰絶賛もなく、
長々と独断的な裏テーマ解説をするわけでもなく、時にマイナス要素も率直に指摘しながら、そこを相殺しても観たいと思うような魅力にあふれています。
あとがきで沢木さんは
「まだ見ていない人には見たいと思わせ、見た人にはなるほどそういう見方があったのかと思ってもらえるものにしたい」
と語っていますが、まさにそのような文章になっています。
僕も、素人ながらブログやSNSに映画レビューや読書レビューを同じような思いで書いている身として、お手本のような文章の数々でした。