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一度太るとなぜ痩せにくい? #読書感想文
私は太っている人が嫌いだ。
そういうnoteも過去に書いたし、今でも気持ちは変わらない。むしろその気持は年々加速している気もする。
あらためて自身の立場を表明しておこう。
マイルドに太っている人とも言わずにここからは軽蔑を存分に込めてデブと書くが、デブは死んだほうが地球上すべての生き物の総幸福度は高まるので一刻も早く死んでくれ。
そんな害悪でしかないデブはどこから来たのか、デブは何者か、デブはどこへ行くのか
そういったデブについての理解がちょっと進むような内容の本だった。
人によってはこの本はいろいろな楽しみ方、勉強になる部分があると思うが、私にとっては肥満の何が良くないのか、体内で何が起きているのかの解像度が高くなる本でとても面白かったので感想文に残しておく。
もしなにか間違ってデブの読者がこのnoteを開いて不快な気持ちになったなら、このnoteなんて読まなくていいから一秒でも早く離脱してこの本をKindle Unlimitedで読むなり書店で買って読むなりしろと言いたい。
このnoteに痩せる方法は書いていない。
肥満の何が悪いのか?
たったの100年、200年前まで人類の歴史において肥満は富と健康の象徴だった。当時は今よりもカロリーを得ることは非常に難しいことだった。
それ故、肥満というのは十分に食べるに困らないだけの地位を示す体型だったのだ。
また冬眠する生き物を筆頭に、冬を前に秋にたくさん食べて体脂肪を蓄えるということも冬を越すことを目指す生き物たちにとっては重要な生存戦略だったし、それは同じ生き物であるヒトにとっても同じで、進化の歴史のなかで脈々と受け継がれてきた本能的な部分でもある。
つまり脂肪を蓄える能力というのは、ほんの少し前までの人類にとっては生存に有利に働いていたのである。
ここについては大いに賛同したい。
少なくともほんの100年前まではそうだったことは首肯しよう。
だが、現代の日本においてはそうじゃない。
21世紀を生きる私達にとっては、デブは万病の元でしかない。医療保険費を増やすという意味でも社会悪でしかない。すぐに死んでくれ。
ところで、肥満とは脂肪細胞に中性脂肪が必要以上に蓄積されることを指す。
脂肪細胞は中性脂肪を蓄える役割を持つ他に、多様なホルモン分泌器官でもあり、その作用は細胞内の中性脂肪の蓄積量で大きく変化する。
具体的には、中性脂肪が増えすぎた肥満状態では悪いホルモンが分泌され、そのホルモンによって糖尿病や高血圧などのいわゆる肥満によって引き起こされる病気になっていくのである。
より詳細に話すと、脂肪細胞の中に中性脂肪が増えすぎると蓄積できずに細胞内に中性脂肪として蓄えられなかった脂肪酸が増え、その脂肪酸を免疫細胞が異物として認識し攻撃することで炎症反応が起き、その炎症反応のせいで脂肪細胞自身が炎症状態になり周囲に悪いホルモンを出していくと考えられているそうだ。
この喩えは書籍にあったわけではなく自分で考えたものなので正確かどうかはわからないが、わかりやすく認識するなら花粉症などと同じ本来そんなに害ではないものでも、あまりに過剰に存在すると免疫細胞が異物と認識して攻撃してしまうアレルギー反応のようなものなのだろう。
日常生活に支障をきたすレベルの花粉症を放置する人はきっとおそらくほとんどいないと思う。
だが体内で起こっている事象としては同じと言っても過言ではない肥満を放置する人は世の中に沢山いるのはなぜか。
それは肥満が次のような病気の原因であることは認識していても、鼻水や涙、かゆみといったはっきりとした自覚症状に出ないからなのかもしれない。
今平常時よりも血圧20高いなとか、空腹時なのに血糖値が正常値を超えているということを自覚できる人間はいないのだ。
糖尿病・高血圧はなぜ起きるのか
さっきも書いたように、肥満、つまり脂肪細胞に中性脂肪がパンパンに満ちてなお脂肪酸が余っているような状況では炎症が起き、そのせいで悪いホルモンが体内を駆け巡ることになる。
そのホルモンを受け取った全身の細胞、主に筋肉・肝臓・そして脂肪細胞自身のインスリンへの抵抗性が増してしまう。
インスリン抵抗性が高くなるということは、つまり血糖値を下げる機能の低下と言い換えられる。
これが起点となり、結果的に糖尿病になってしまったり、糖尿病までいかずとも、高血糖状態というのは細胞、特に血管細胞に多大なダメージを蓄積させ、血管が詰まったり傷ついて弾力性が低くなり血流を流す能力が低下し、高血圧状態になるというわけだ。
またインスリン抵抗性が高くなると、身体の中では高血糖状態を解消するためにインスリンを分泌する量を増やす方向に働くのだが、高インスリン状態というのは交感神経を活性化させる。
血糖を消費するということはつまり運動をするなど、エネルギーを使う行為と言い換えても問題ないので、交感神経が活性化されるのはイメージがつきやすい。
交感神経が活性化されると血圧を上昇する方向に働くため、二重の働きで血圧が高くなってしまう。
また、インスリン抵抗性が高くなり高血糖状態が続くとAGEsも増えやすい状態となる。
AGEsについては最近様々な悪影響が叫ばれているように、身体にとっては非常に悪質な働きをする物質なのは周知の事実だろう。
AGEsの増加によっても血管を始めとした全身の細胞が炎症反応を起こしてしまい、身体にとっては非常に負荷の高い状態となってしまうのだ。
ここまで書いてなお肥満でもいいと思えるのであれば、そいつは食欲に支配された人形なんだろう。少なくとも自分と同種の人間だとは思いたくない。
ここまでが書籍上では第1章の話で、これから先に味覚の話や食欲の話など、色々と続いていくけれど、自分にとって一番面白かったのがこの第1章だったのでこの感想文もここまでにする。
ただし2章以降も内容としてはとてもおもしろく、また勉強になることが書かれていたのでオススメであることに変わりはない。
結論として最後に言いたいことは一つ。
デブは早く死んでくれ。