【完全公開はnoteだけ!!】あっという間にすぐ書ける!下痢のらくらくアセスメント
2024.11.12更新
「あっという間にすぐ書ける!○○のらくらく系アセスメント」は、誰でもすぐに質の高いアセスメントができる様に作成しています。アセスメントに関する詳しい内容はなんでなんだの看護過程ガイドブックを参照ください。また、もっと楽々コピペで立案!○○の看護計画やサクッとまるわかり!○○の看護診断と一緒に使うとより効果的にご活用いただけます。
-看護実習のすべてがわかる!-なんでなんだの看護過程ガイドブック
しっかり整理整頓!情報収集の素:ゴードンの機能的健康パターン
しっかり整理整頓!情報収集の素:ヘンダーソンの看護の基本となるもの
下痢を評価する領域
ゴードンの機能的健康パターン:排泄パターン
ヘンダーソンの14の基本的欲求:身体の老廃物を排泄する
下痢とは
下痢とは、便形状の変化が軟便あるいは水様便であり、かつ排便回数が増加する状態を言う。
下痢の分類
1.時期による分類
急性下痢:発症から14日間以内で、軟便または水様便が普段の排便回数と比較して3回/日以上増加している状態。
慢性下痢:下痢が4週間以上持続または反復している状態。
2.感染の有無による分類
感染性の下痢:細菌やウイルスなどに感染した事が原因で生じる下痢。
非感染性の下痢:感染症以外の原因で生じる下痢。
3.病態による分類
浸透圧性下痢:高浸透圧物質が腸管内に存在する事で水分が腸管内に移動する事、高浸透圧物質により腸が刺激されて蠕動運動が亢進する事で起きる下痢。
滲出性下痢:腸管粘膜が障害されて炎症し血管透過性が亢進して腸管内に滲出液が流入する事、炎症や潰瘍形成によって水分の吸収障害が起きて腸管内に水分が留まる事、障害された粘膜を保護するために腸粘液の産生が亢進する事で起きる下痢。
分泌性下痢:細菌性が酸性する毒素やホルモンなどの過剰生産により消化管粘膜が異常に分泌される事で起きる下痢。
腸管運動性下痢(蠕動運動の亢進):腸の蠕動運動が亢進して便中の水分が十分に吸収されない間に便が腸管を通過して起きる下痢。
腸管運動性下痢(蠕動運動の低下):腸の蠕動運動が低下して便が腸管内に留まる事により腸内細菌が異常に増殖して胆汁を分解する事で脂肪が吸収されにくくなって起きる下痢。
排便と下痢のしくみ
※詳しくは以下を参照してください。
便の成分・排便のメカニズム 看護roo!
下痢に必須の情報収集項目
下痢の原因
-感染性の下痢
・細菌性大腸炎①(大腸菌、カンピロバクター、赤痢菌、サルモネラ菌、クロストリジウム・ディフィシルなど)
・細菌性大腸炎②(コレラ菌、腸管病原性大腸菌(EPEC)、腸管組織侵入性大腸菌(EIEC)、腸管毒素原性大腸菌(ETEC)、腸管出血性大腸菌(EHEC)、腸管凝集接着性大腸菌、黄色ブドウ球菌、セレウス菌、ウェルシュ菌など)
・ウイルス性腸炎(種々のウイルス、ロタウイルス、ノロウイルス)
・腸結核
・薬剤(抗菌薬)、偽膜性大腸炎
-非感染性の下痢
・乳糖不耐症
・薬剤(浸透圧性下剤)
・薬剤(鉄剤(造血剤))
・経管栄養
・胃切除術
・胃切除術後の早期ダンピング症候群
・腸管バイパス術、短腸症候群
・膵臓疾患(膵炎、膵臓腫瘍)
・食べ物アレルギー
・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
・虚血性大腸炎
・浮腫をきたす疾患
・放射線性腸炎
・薬剤(抗がん剤)による早期性下痢
・薬剤(抗がん剤)による遅発性下痢
・ホルモン産生腫瘍
・胆のう疾患(胆汁吸収障害、胆のう切除術後など)
・ストレス
・過敏性腸症候群(IBS)
・不摂生な食事
・糖尿病
・甲状腺機能亢進症(バセドウ病、グレーブス病、プランマー病、下垂体腺腫など)
・副腎皮質機能低下症(下垂体性(続発性/中枢性)副腎皮質機能低下症、原発性副腎皮質機能低下症(アジソン病))
・膠原病
・薬剤(副交感神経刺激薬、交感神経抑制薬、消化管運動機能改善薬)
・薬剤(刺激性下剤)
下痢が始まった時期から現在までの経過
排便状況、排便状況の変化
排便量、便性状
食事量、食事内容
飲水量、飲水内容
下痢の随伴症状の有無と程度(食欲不振、悪心・嘔吐、腹痛、肛門や臀部の皮膚トラブル、発熱、倦怠感、注意力低下、集中力低下、不眠、めまい、体重減少、不安、イライラ感など)
下痢に関する検査データ(血液検査(疾患の確認)、便潜血検査、腹部単純レントゲン、CT、MRI、胃カメラ、大腸カメラ、消化管造影検査、腹部超音波検査など)
下痢に対する治療の有無(安静療法、食事療法、輸液療法、薬物療法)
下痢に対する治療の効果
下痢に対する患者や家族の反応
下痢のアセスメント定型文
アセスメントの基本的な流れと書き方
アセスメントの基本的な流れと書き方は次の様になります。
1.患者の状態の判断
【患者の情報】から患者の状態は適切ではない・異常である(正常ではない)。
2.根拠の記載
判断した患者の状態は【判断した根拠や理由】によって生じている。
3.実在型問題の記載
現在、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。
現在、【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。
4.今後の見通し、リスク型問題の記載
今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により
【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。
今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。
作成の方法
・1~4をつなぎ合わせてアセスメントを作成してください。
・【 】の中には具体的な内容を記入するか、項目の中から選択してください。
・( )は表現の言い換えになります。両方または使いやすい方を選択してください。
1.患者の状態の判断
■患者の状態
Aさんは【いつから】、【下痢がはじまった時の状況を記入】となり、【下痢がはじまってから現在までの経過を記入】。現在は【下痢の詳しい状況を記入】である。また、下痢に伴う【食欲不振、悪心・嘔吐、腹痛、肛門や臀部の皮膚トラブル、発熱、倦怠感、注意力低下、集中力低下、不眠、めまい、体重減少、不安、イライラ感など】の随伴症状が見られている。
検査データは、【異常な検査データ記入】が異常な数値を示している。
(下痢に対して肯定的な意見の場合)
Aさん(Aさんの家族)は下痢について【患者の反応(家族の反応)】と話しており、【下痢の全体または一部(具体的に)】を肯定的に捉えている。
(下痢に対して否定的な意見の場合)
Aさん(Aさんの家族)は下痢について【患者の反応(家族の反応)】と話しており、今の状態に対して【辛さ・苦しみなどの感情】を訴えている(吐露している・と思っている)。
■介入の有無
現在、下痢に対して【治療、ケアなどの対策】が行われているが効果は十分でない。(下痢は続いている。)
現在、下痢に対して【治療、ケアなどの対策】が行われており【効果を具体的に記入】。
現在、下痢に対しての治療やケアは行われていない。
■適切・不適切の判断
(ゴードンの場合)
これらの事から、下痢が見られている現在の状態は適切な状態とは言えない。
(ヘンダーソンの場合)
これらの事から、下痢が見られている現在の状態は異常な状態である。(正常な状態とは言えない。)
2.根拠の記載
<感染性の下痢>
細菌やウイルスなどに感染した事が原因で生じる下痢。
■細菌性大腸炎による下痢①(滲出性下痢)
この下痢は【大腸菌、カンピロバクター、赤痢菌、サルモネラ菌、クロストリジウム・ディフィシルなど】が小腸や結腸粘膜の細胞内に侵入して腸管粘膜が障害された事により、炎症が起きて血管透過性が亢進して腸管内に滲出液が流入する事、炎症や出血を伴う潰瘍を形成する事によって蛋白質、電解質、水分を含んだ体液を腸管内に多量に漏出させる事、炎症や出血を伴う潰瘍により水分の吸収障害が起きて腸管内に水分が留まる事、障害された粘膜を保護するために腸粘液の産生が亢進する事で生じている。
■細菌性大腸炎による下痢②(分泌性下痢)
この下痢は【コレラ菌、腸管病原性大腸菌(EPEC)、腸管組織侵入性大腸菌(EIEC)、腸管毒素原性大腸菌(ETEC)、腸管出血性大腸菌(EHEC)、腸管凝集接着性大腸菌、黄色ブドウ球菌、セレウス菌、ウェルシュ菌など】が産生する毒素(エンテロトキシン)が腸管内にクロール(Cl-)の分泌を促すと同時に水分が分泌されて水分が増える事で生じている。
■ウイルス性腸炎による下痢(滲出性下痢+腸管運動性下痢)
この下痢はウイルスが小腸の繊毛の表面にある吸収上皮細胞に感染して腸管粘膜が障害された事により、栄養を吸収する能力が低下して十分に栄養が吸収されないままに大腸に運ばれた結果、大腸内の細菌の働きによって酢酸が発生して腸の蠕動運動を亢進させる事で生じている。
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