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【重版出来】すなば『さよならシティボーイ』重版のお知らせ/三浦希『重版に寄せて。』

どうも、西川タイジです。

ついに、この台詞を口に出す時が来ました。

すなば『さよならシティボーイ』、重版出来(じゅうはんしゅったい)です!ありがとうございます!

重版出来

(漫画『重版出来』/松田奈緒子(小学館)より)

重版が見えてきてから、漫画の『重版出来』を1巻から読み直しておりました。やっぱり素晴らしい漫画でして、要所要所に涙ぐむ始末。是非読んでみてください。オススメです。

想定よりも早いスピードかつ、想像以上の皆様の温かさで『さよならシティボーイ』をお手に取って頂けた事、本当にありがたい限りです。重版したからといって、がんがん売るぜ!というテンションでは決してなく(いや、もちろんがんがん売れたらめちゃくちゃ嬉しいですが)、じっくりゆっくり長く長く色んな方の手にお渡ししていければと考えております。それこそ、10年とか20年とか30年とか。そうしていきたいなと思います。他の本ももちろん同様ですが。

今回、誤字脱字の修正や、一部文言の修正を行いました。なので、第2版という形になります。初版はもうOUTLET商品のみですので、今お持ちの方は、いずれレアな商品を持っているぜ!と自慢できるようになってればいいなと。

ご購入頂いた方、そして仕入れて頂いた書店の皆様、重ね重ねありがとうございました。読んで頂いた方、感想をたくさんありがとうございます。本当に皆様のおかげです。感謝しかありません。

もちろん、書店さんにもまだ在庫があるお店もありますので、引き続きお近くの書店さんもチェックしてみてくださいね。下記、お取り扱い書店のまとめになります。

■重版記念キャンペーン

12/1(水)12時から通販予約開始~12/6(月)の12時まで、遠方の方、なかなか買いに行けないよ!って方のために『さよならシティボーイ』の重版記念でトーキョーブンミャクオフィシャル通販・送料無料キャンペーンを行います!この機会に是非ともご利用頂ければ幸いです。『今夜』壱号も対象となっております。

発送は12/6(月)から順次行わせて頂く予定です。完売していた書店様にも、在庫を順次お送りしていく予定となっております。(もちろん、追加で仕入れてくれればですが…)重版まで待ってるよと言ってくださった方、お待たせ致しました。ご予約、是非ともお待ちしております。

■三浦希『重版に寄せて。』

めでたく重版という事で、記念に我らの盟友でライター・編集者・モデルの三浦希さんに『さよならシティボーイ』の感想を書いて頂きました。こちらも合わせてお楽しみ頂ければ幸いです。

(思い立って、急にお願いしました。ありがとう三浦君。そして、しっかり書いてくれてありがとう。嬉しい誤算だよ。200点!)

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本を読むのが苦手です。
たぶん、嫌いなんだと思います。

粒の大きい砂、人はそれを「文字」と呼んできたらしいですが、そういった類の物どもがずら〜っと並んでいる様を見ると、忽ちに吐き気を催してしまいます。

むずかしいからです。

定理のひとつもろくに覚えられず、数学の教科書を落書きで一杯にしました高校二年生の私。現代文、作者の心を一向に読み取れず諦めた。世界の歴史も生物も、化学も、全部ダメです。日本語が読めないから。むずかしくって。ただなぜか、英語のテストは毎度満点でございました。なぜ。

友達が本を出しました。
表紙に『さよならシティボーイ』とあります。

へえ、と思いました。ものすげえんだろうな、と思いました。読めないだろうな、と思いました。ど〜うせ磁石にへばり付く砂鉄みたいなんがドバッと並んじゃってるんでしょうね、と。うーん、渋々、間柄、生暖かな縁を頼りに無理やり開きます。きっと読めねえでしょう。


『シティボーイなのにうんこを漏らした』とありました。

うんこを。小難しい砂鉄じゃありませんでした。

砂場(すなば……)にて安っぽい磁石を手に、必死こいて下向き砂を撫でてた4歳の僕、今すっかり戻ってしまう。砂鉄を探していたら、立派なうんこが出てきちゃったんだ。うんこが。シティボーイはうんこを漏らしたんだな。


これは、本じゃありませんでした。
少なくとも、僕が思ってきたものとは違った。

風が吹いているみたいでした。

僕にはむずかしいことが分かりません。雨が降っているなぁ、今日はすげえ寒いなぁ、海が暴れているねぇ、猫は路傍に丸まっちまってかわいい。吹く風の強さ、ぬるさ、それが運んでいく洗濯物のおもしろさ。そんなもんしか分からない。この本は、そういうもんでした。

アイスコーヒーは冷たい。陽を浴びればあったかい。バスを待つおじいちゃんは静かだ。換気扇はゴーゴー鳴っちゃってうるさい。おしりはやわらかくて、石の塀は硬かった。


本を読むのが苦手です。
「重版(じゅうはん)」すら読めなかったんだから。
実を言えば、僕、この本、まだ全部読んでないんですから。


これから買う人、買おうと思っている人、買わねえよと思っている人、買ってたまるかと思っている人。全部読んでいないから分からないけど、たぶん、おもしろいと思います。読んでいないから分からないけど。

風が吹くように、雨が降るように、海が暴れるように、猫が丸まっちゃうように。この本を読んだところで、僕らは何も変わりません。何の変化もありません。それだけはわかる。

数学の定理を一切使わなくなった(実は世の中にはたくさん使われてるみたいだけど)僕たちが証明しています。歴史なんか知らなくたっていい。本なんか、読まなくったっていいんです。

人がうんこを漏らそうが、
シティボーイにさよならしてようが、
自分らには関係あったもんじゃありません。

ただ一点、明らかに、僕はこの本を読み切ると思います。
いつまでかかるか分からないが、きっと、読み切るんだと思います。
風が吹く理由なんか、知りたくもないし、知ったところで何が起こるかい。
でも、風に吹かれていたいとは、思うのだ。ぬるくても、冷たくても。


友達が本みたいなものを出しました。
溜まったうんこを噴き出すように、彼はきっと、
シティボーイであった自らをトイレにズバッと流しちゃったんだ。

無臭の風が吹きます。あっちの方からゆるやかに吹いてきます。
ぬるい、ぬるい、心地良い風です。この本は、そうだ、トイレに置こうか。

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『風が吹いているみたいでした。』という一文が、最高に好きです。本当にありがとう三浦君。読み終わった日は、酒を飲もうね。

ちなみに本日11月30日(火)は、すなばさんの20代最後の日。明日は、30歳の誕生日です。いよいよですね。良き日々が続く事を願って。

という事で、引き続き『さよならシティボーイ』とトーキョーブンミャクを何卒よろしくお願い致します。今後共、是非ご贔屓に。

それでは、また。

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西川タイジ
お読み頂きありがとうございます。コーヒー代と本代に使います。

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