軽症うつ病の発症~哲学エンジニアのライフヒストリー(7)~
97年の4月から始まった京都大学大学院での暮らしは、3か月ほどして挫折を迎えることとなった。前回も書いたように様々な要因でお先真っ暗な状態になり、勉学も日常生活も手につかなくなった。そもそもハイデガーの「無」の哲学に格闘するという悪条件も重なっている。まさに、私は「虚無の淵」から転げ落ちようとしていた。
たまらず近所のメンタルクリニックをタウンページで探し出して駆け込んだ。飄々としたドクターが「軽症うつ病」と診断してくれたことにホッとした。当時の日記を振り返ると、激しい苦し