フレンドリーな取り立て屋さん6 今日も誰かの背中を押す
「おい、お前。ちゃんと人生を楽しんでんだろうな」
仕事を終えた私が会社を出てバイト先に向かっていると、背後から声をかけられた。
少しかすれた低い声に、ぶっきらぼうな口調。
驚いて振り返る。そこにはふたりの男の人が立っていた。高そうなスーツを着た長身の男性と、サングラスに派手なアロハシャツを着た……。
思わず「あ」と声をもれる。
以前、父が作った借金の取り立てに来た人だ。
「フレンドリーさん!」
そう言うと、アロハシャツの男の眉間に深いしわができた。
「なんだそのフレンドリーさ