ドラマみたいなふたりのはじまり06
「――先輩、今の本気で言ってます?」
低い声でたずねられ、その迫力にごくりとのどが上下した。
後輩がこちらに一歩近づき、私の背後にある壁に手をついた。
長身の彼と壁の狭い空間に閉じ込められ、鼓動が速くなる。
「俺がその程度の気持ちで先輩を口説いてるって、本気で思ってます?」
彼は静かな口調で言いながら軽く首を傾けた。
顎をしゃくるようにしてこちらを見下ろす不機嫌な視線が色っぽい。
「自分で言うのもなんですけど、俺はそれなりにモテるんですよ。遊びでいいからって言い寄ってくる軽い