【雑感】伊勢谷友介とテレビ放送(Ⅰ~Ⅲ)
Ⅰ 美と善。ギリシャの昔から論じられているこの絶対的価値。しかしその次元は現代ではもっぱら表象の領野に閉じ込められて、「イメージ」という表象的直観が猛威をふるっている。新実在論者マルクス・ガブリエルの言うように(世界史の針が巻き戻るとき、PHP新書)我々の認識はいま、現実から乖離し、イメージがその大いなる基盤となっている。現実を捉えるのは、本来、理性の仕事であったけど、それ対する信用が失われたせいで、あるいは単なる怠惰というべきか、替わってイメージが、宗教的真理がかつて我が物