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#音楽 記事まとめ

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楽曲のレビューやおすすめのミュージシャン、音楽業界の考察など、音楽にまつわる記事をまとめていきます。
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2022年11月の記事一覧

どこよりも詳しいGinger Root [1] :来日前の大特集!音楽と映像をひとりで作り上げる、稀代のアーティストを完全解説・前半

(トップ画像出典:Ginger Root — Interview) KINZTOのDr.ファンクシッテルーです。今回は、いま日本で話題になっている新しいアーティスト、Ginger Root(ジンジャー・ルート)について、どこよりも詳しい紹介をしていきたいと思います。 (この記事は前半です。後半を読みたい方はこちらから👇) Ginger Rootはカリフォルニア州出身のシンガーソングライターですが、👆の動画を観てもらえば分かる通り、まるで80年代のシティポップのような曲を

【ライブの記憶】RYUTist結成11周年秋冬ツアー【(エン)〕@新宿ReNY 2022/11/27

ふと思い立って、行ってきた。RYUTistを生で観るのは初めてだ。 シンプルに、新譜が良すぎたので、大音量でこの音楽を聴ける機会は逃してはならぬと感じた。 そして反省した。自分はRYUTistのことを何も知らなかったなと。 こういったアイドルのライブはいつぶりだろうか。 そもそも、ここ数年で行ったライブは、決まった踊りがないフリースタイル形式に近いリリスクばかりだったので、それだけでも新鮮だった。 ライブの始まりは、(エン)の曲順の通り、君島大空による抜群の楽曲である支度

【イントロダクション公開】 No.168 特集「シカゴ・ブルースと出会う」

ローリング・ストーンズをはじめとしたロック・バンドはもちろん、日本のブルース・ファンからも愛されてきた「シカゴ・ブルース」を大特集した本誌No.168。マディ・ウォーターズやジミー・リードらシカゴ・ブルースを代表するブルースマンとその代表作や、日本国内で独自に組まれたLPを中心に100枚以上のアルバムを紹介した「シカゴ・ブルース」の入門書・保存版として最適な1冊です。 特集の冒頭に掲載したイントロダクションとなる一文を少しアレンジしてここにお届けします。 シカゴ・ブルース

ジャニーズ初心者の洋楽オタクがKing & Princeに新しい世界を見せてもらった話

前回、洋楽オタクがSexy Zoneの楽曲に度肝を抜かれた時の記事を書いたのですが、 この時に少し触れていた「King & PrinceのMagic Touchというヤベー曲に出会った時の話」を今回記事にしてみることにしました。 が、しかし、 筆が激遅のためMagic Touchについて書いている間に新作MVが3つも発表されてしまいました。 なので、今回は「ここ2年間くらいの世界を視野に入れているであろうキンプリのはちゃめちゃにかっこいい楽曲とパフォーマンスについて」を

音楽プロデューサーという仕事について

僕は音楽プロデューサーという肩書きでフィロソフィーのダンス、寺嶋由芙、mainamind, CIRGO GRINCOのプロデュースをしてきました。ですが、この音楽プロデュサーという仕事の内容は特に日本では曖昧です。特に日本では欧米とは違う進化をしたのでよりどんな仕事か分かりづらくなっています。実際にところどんな仕事をしているのか書いてみたいと思います。 なぜ日本は音楽業界ではプロデューサーという存在が曖昧かと言うとレコード会社にディレクター(あるいはA&R)と呼ばれるそのア

【SPECIAL INTERVIEW】吾妻光良が語る「わたしとシカゴ・ブルース」

本誌No.168では、日本のブルース・ファンに愛されてきた「シカゴ・ブルース」を大特集しています。マディ・ウォーターズやジミー・リードらシカゴ・ブルースを代表するブルースマンとその代表作や、日本国内で独自に組まれたLPを中心に100枚以上のアルバムを紹介。さらに日本のファンの間でとりわけ高く評価されているジミー・ロジャーズ、ロバート・ロックウッド・ジュニア、エディ・テイラー、ジ・エイシズを大きく紹介するなど、「シカゴ・ブルース」の入門書・保存版として最適な1冊です。 今回は

【分野別音楽史】#05-1「ラテン音楽史」(序論・『ハバネラ』の発生)

『分野別音楽史』のシリーズです。 良ければ是非シリーズ通してお読みください。 こんにちのラテン音楽の発祥は「西洋音楽と黒人音楽の融合」と説明されることが多いですが、言葉上でそう説明されても、実感としてなかなかわかりにくい部分だったと思います。 ざっくり「西洋音楽」と呼ばれている音楽の「どのような部分」が黒人音楽と「融合」していったのか。つまり、クラシック時代の「民族舞踏」までを視野に入れることで解像度を高く認識できる、という考えのもとでクラシック史の地点からもラテン音楽へ

[追悼]さようなら、ウィルコ・ジョンソン

 ウィルコ・ジョンソンが表紙になったNME。ウチのどこかにあるはずですが、見つからなかったので写真はネットで拾ってきました。確かドクター・フィールグッドを辞めてソリッド・センダーズで再デビューしたころだったから、1978年ぐらいでしょうか。記憶が確かなら、ウィルコが単独でNMEの表紙になったのはこの時が唯一だったはず。当時彼の動向がマスコミ的にいかに注目されていたかわかります。それだけ彼の登場はセンセーショナルだったし、その特異なギター・スタイルはパンク前夜の英国ロックに多大

Dare#19「Pの殿堂」|Jay Worthy(LNDN DRGS)について

今回は、西海岸・LAのアーティスト、Jay Worthy(または、P Worthy)にフォーカスを当てたいと思う。 彼はカナダ出身で、コンプトンに移住して本格的な音楽活動を始めるが、ニューヨークをはじめ、東海岸のアーティストたちとも頻繁に作品を制作しており、その経歴も非常に興味深い。 筆者も勿論、話題となったデビュー当初の2015年頃から、Jay Worthy、「LNDN DRGS」の動向を追い続けている。 未だ精力的に活動を継続し、圧倒的な行動力とリリースペースで、期

[過去原稿アーカイヴ]Vol.19 Public Image Limited『Album』ライナーノーツ(2011)

 ジョン・ライドンのPILが1986年に発表した5枚目のアルバム『Album』2011年にリマスター再発された時に書いたライナーノーツ。 https://note.com/onojima/n/n08a20155f0fe?magazine_key=m7b47445efa2f https://note.com/onojima/n/n1a7039d4fb76?magazine_key=m7b47445efa2f  本作は1986年2月に発表されたパブリック・イメージ・リミテッ

和レゲエ数珠繋ぎ-第32回- MOCHO(珍盤亭一門・ディスコハラスメント)

東京都(出身は岩手県) MOCHO(珍盤亭一門・ディスコハラスメント) アーティスト名 BOUND 曲名 気まぐれSUMMER WIND 発売年 1987年 どうも初めまして、現在東京都在住でレコードを蒐集しながらDJもたまにやっているMOCHOと申します。 オールジャンル選曲でのDJや、和洋折衷のディスコをかけまくるディスコハラスメントというB2Bユニット、たまに珍盤亭一門として賑やかしに参加してます。 この度は和レゲエの紹介ということなので、1曲選んでみました。 し

E.scene「HEAT」全曲解説

新潟のR&Bバンド、E.sceneのインタビューをMikikiで行いました。 今回のインタビューは、新作EP「HEAT」のリリースにあわせて行ったものです。作品はこちらから聴ける・ダウンロードできます。 E.sceneはヴォーカル、ベース、ドラムの三人組ですが打ち込みでエレピなどが入ってくるバンドです。初期はエレクトロニックな要素もありましたが、今作はかなりジャジーな印象。抑制の効いたヴォーカルとベース、ドラムのコンビネーションで聴かせるような作品に仕上がっています。DT

¥100

「Little Bug 」ライナーノーツ-柴崎祐二-

2014年に「森は生きている」と7インチを出したころ当時P-VINEの担当だった柴崎祐二さん(音楽ディレクター/評論家)にライナーノーツをお願いしました。 今回のアルバムでフォークアンビエントというフレーミングを自身の音楽性に携えたのですが、それについての考察と見解がとても丁寧にしたためられた文章に、とても感動しました。よかったら是非ご一読ください。 『Little Bug』 配信リンク https://friendship.lnk.to/LittleBug 1.STAR

今月のお気に入り(2022年10月)

今月はいいの多くて絞るの難しいんですが、ごく最近の気分だとこんな感じかな。 ・Saint Abdullah & Eomac『Patience Of A Traitor』 1曲目のひび割れ上等なオープニングがとにかく思い切ってるな~という感じで素晴らしい。それに尽きる。 ・Deathprod『Sow Your Gold In The White Foliated Earth』 Harry Partch Instrumentsのための作曲作品集とのことで微分音程の揺らぎが