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2001年頃からラップミュージックやブラックカルチャーにハマり今に至る。00'…

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2001年頃からラップミュージックやブラックカルチャーにハマり今に至る。00's~10's前期辺りのHIP HOPが特に好き。N.Y好き。 I'm not a reviewer,I am the curator. All Written by.HEWY

最近の記事

【ライブレポート】Rome Streetz、初来日備忘録

先日、5月4日は、Rome Streetzの記念すべき初来日公演の日だった。(前日に渋谷DUOで急遽行われたゲリラライブも運良く拝見することができた) Romeが大黒天さながら目を細めてニンマリと口角を上げる度、ギラギラと光るグリルズがFlexされ、首からぶら下がる重量感のあるマイアミキューバンにはレザーブレイド(カミソリ刃)のヘッドが揺れる。そして、中指にはバランスを示す「GRISELDA」の天秤のモチーフが施された、フルダイヤの厳ついカスタムリングが煌めいていた。 そ

    • 【リリース】「House Shoes - S-MAN feat.3waySlim」

      日本人プロデューサー、S-MANが、バージニア州リッチモンドを拠点とし、Fly Anakinらを擁するコレクティブ、「Mutant Academy」の派生グループ「Scheme Team」の3waySlimを客演に招き、シングル曲「House Shoes」をリリース。 S-MANは、自身を"ビート・アート・ワーカー"と称し、Vinylサンプリングにこだわったビートメイキングを行う、福島県出身のプロデューサー。 モノトーンで透明感のある彼のビートは、意識的かどうかはさておき

      • Dare#19「Pの殿堂」|Jay Worthy(LNDN DRGS)について

        今回は、西海岸・LAのアーティスト、Jay Worthy(または、P Worthy)にフォーカスを当てたいと思う。 彼はカナダ出身で、コンプトンに移住して本格的な音楽活動を始めるが、ニューヨークをはじめ、東海岸のアーティストたちとも頻繁に作品を制作しており、その経歴も非常に興味深い。 筆者も勿論、話題となったデビュー当初の2015年頃から、Jay Worthy、「LNDN DRGS」の動向を追い続けている。 未だ精力的に活動を継続し、圧倒的な行動力とリリースペースで、期

        • Dare#18+インタビュー|The Digggersについて

          先日、DARE Issueで紹介したANKHLEJOHNの記事を見たと彼のマネージャー、PuzzleからDMを貰ったのだが、Puzzleは、あの骸骨のトレードマークでお馴染みのビデオ・プロダクション・チーム、「The Digggers」のメンバーとのこと。 勿論、彼らの制作したMVは何度も見ていたこともあり、「是非、Digggersも紹介したいので少し話を聞かせて欲しい」と頼んだ経緯で、本記事の執筆に至った。 今回は、The Digggersの紹介に加え、Puzzleへの

        【ライブレポート】Rome Streetz、初来日備忘録

        • 【リリース】「House Shoes - S-MAN feat.3waySlim」

        • Dare#19「Pの殿堂」|Jay Worthy(LNDN DRGS)について

        • Dare#18+インタビュー|The Digggersについて

          【レビュー】All Hail Y.T&Cedar Law$ - Player Made

          当コラムを読んで頂いている方はご存知、プロデューサーのCedar Law$君が、昨年、All Hail Y.Tとコラボで制作した「Player Made」のLPを「Manhattan Records」から発売するとのことで、折角なので作品レビューを書いてみた。 また、僭越ながら、プレスリリース用のCedar君のプロフィール文も執筆させて頂いた経緯もあり、この記事で興味を持った方には、是非本作のLPをCoppedすることをお勧めしたい。 All Hail Y.Tの紹介All

          【レビュー】All Hail Y.T&Cedar Law$ - Player Made

          Dare#17「黄金のジョリー・ロジャー」|Knowledge The Pirateについて

          Hip Hop黄金期と呼ばれた90年代に成功を収め、現在に至るまで活躍を続けるアーティストは多数存在する。 一方で、キャリアに幕を下ろした者、アンダーグラウンドのフィールドにこだわり、今も尚活動を続ける者、後進を育てる者・・・多種多様にこのカルチャーと関わり続け、そして歴史は進化を止めない。 地下で生み出されたこの水脈は、絶えず山肌を削り、濁流に揉まれ、麓で合流し、数寄者のアングラ・フリーク達の喉元を潤し続けてきた。 今回紹介するKnowledge The Pirate

          Dare#17「黄金のジョリー・ロジャー」|Knowledge The Pirateについて

          Dare#16 「ニュー・カルト・クラシック」|ANKHLEJOHNについて

          かつて、"Hip Hop"とは「知性のムーヴメントである」と宣誓した、"Knowledge Reigns Supreme Over Nearly Everyone"(知識がほぼ全ての人を支配する)こと、ブロンクス出身のKRS-One大先生が言うHip Hopの在り方も含め、知識を重要視するカルチャーとしての色もすっかり薄まってきたと感じる昨今。 時は変わり、アメリカの首都・コロンビア特別区に指定されるワシントン・D.C.で、知性と独自性を武器に、新たなカルト・クラシックをハ

          Dare#16 「ニュー・カルト・クラシック」|ANKHLEJOHNについて

          「ヘーゲル弁証法」|PRODIGY for MOBB DEEP

          2017年、42歳で急逝した、「The Infamous MOBB DEEP」のCapitol P、Don P、Bandana P、Banna Clip P、Bumpy Johnson、H.N.I.C.・・・数々の悪名高き異名を持つ、NY・ロングアイランド出身のMC、PRODIGY(本名:Albert Johnson)。 あれから早、5年・・・当時、亡くなったニュースを聞いた時の衝撃は、今でも忘れられませんね。もうこの先、"P"のソロやMOBB DEEPとしての新録を聴ける

          「ヘーゲル弁証法」|PRODIGY for MOBB DEEP

          Dare#15 「アンダー・ザ・アンブレラ」|Josiah The Giftについて

          諸事情で久々の更新になりましたが、今回は、昨年辺りから徐々に露出も増え、密かに話題となっている「The Umbrella Collective」から、MCのJosiah The Giftにフォーカスしたいと思います。 以前の記事で紹介した、Jay Royaleも少し前にこのコレクティヴの一員となったのですが、それから纏まった作品がまだ出ていません・・・。(Tragedyとのセッションもめっちゃ気になるんですけどね) Josiah含め、他の主要メンバーも現行の潮流の走りから

          Dare#15 「アンダー・ザ・アンブレラ」|Josiah The Giftについて

          Dare Feature Issue pt.2|MAアングラ特集(後編)

          MAアングラ特集の後編は、マサチューセッツ州内でも更に"コア"な音楽性を追求するアーティストたちをピックアップしてみた。 前編はこちら↓ 特筆すべきは、ドミニカンやコロンビアンといった、ラテン系アメリカ人のコミュニティ、そしてボストン市街から北に離れた郊外の街、Lynn(リン)。 この二つは、数年前から現在に至るまでの現行MAシーンに着目する上で重要なキーワードだと考える。 彼らは、NY・Hip Hopの模倣的なスタイルに囚われず、各々が自己完結型のスキルセットを持ち

          Dare Feature Issue pt.2|MAアングラ特集(後編)

          Dare#14 「バージニアからの変異体X」|Fly Anakinについて

          前回のナンバリングに引き続き、バージニア州出身のアーティスト、Fly Anakinをピックアップしました。 Fly Anakinが育ったリッチモンドは、都市部のワシントンDCやシャーロット、アトランタの間に位置し、D'Angelo、Timbaland、Pusha T、Missy Elliot、Pharrell Williams等々、何人もの著名アーティストを輩出してきました。 しかしながら、エリア的な知名度は低く、Hip Hopシーンの土壌としては陽の当たらない未開の地で

          Dare#14 「バージニアからの変異体X」|Fly Anakinについて

          Dare Feature Issue pt.1|MAアングラ特集(前編)

          アメリカ北東部に位置する、マサチューセッツ州は、かつてイギリスの植民地であったことから「New England(ニューイングランド)」とも呼ばれている。(他にもメイン、ニューハンプシャー、バーモント、ロードアイランド、コネチカットを含めた6つの州の総称である。) マサチューセッツ(主要なボストン)におけるHip Hopの土壌は、80~90年代に活躍した、故・Guru(Gang Starr)やBig Shug(Gang Starr Foundation)、Edo G、Benz

          Dare Feature Issue pt.1|MAアングラ特集(前編)

          Dare#13+インタビュー|Erv100 x Andres Cocoについて

          SNSやインターネットの恩恵による、ボーダーレスなコラボや新たな才能の発掘は、アーティスト同士の関係構築やローカルなアーティストへの可能性を確実に広げてきました。 その中で、言語による隔たりが無く、純粋に音楽性で勝負できる利点もあって、日本人のビートメイカーと海外アーティストのコラボは促進され、海外のマーケットで高評価を受ける事例も続々と増えていますよね。 今回は、アメリカ南部バージニア州のMC、Erv100と、東京を拠点にDJ、プロデューサーとしても活動中のAndres

          Dare#13+インタビュー|Erv100 x Andres Cocoについて

          Dare#12 「バッファロー・クイーン vol.2」|Che' Noirについて

          Armani Caesarに続き、バッファロー・クイーンの第二弾はこの人、Che' Noirをピックアップします。 ニューヨーク州・ロチェスターのコレクティヴ、「TRUST GANG」が活発なリリースを行っていた、2018年以降に彼女の存在を知り、その動向を追ってきました。 発展途上ながらも、確かなラップスキルと恵まれた声質で、ここ数年急成長を見せてきたChe' Noir。 "ポスト・Rapsody"と言われるまでになった、彼女のバックグラウンドやこれまでの歩みについて

          Dare#12 「バッファロー・クイーン vol.2」|Che' Noirについて

          「21 of 21's 」|Favorite Hip Hop Albums

          今更ですが、2021年産のHip Hopアルバム・EPで特に印象に残った作品を紹介します。21年にちなんで21枚にしてみました。 ベスト盤・・・とかやろうかと一瞬思いましたがとても決めきれないな。実際は超アングラでも良かったのとかあるんですが、全部紹介するのは気が遠くなるので(笑) 序盤の3枚は完成度が高くて中でもかなり気に入ってますが、ナンバリングは特にランキングってわけではないです。 最初の10枚はおまけのラフなコメント付きで紹介します!プレイリストも併せてどうぞ。

          「21 of 21's 」|Favorite Hip Hop Albums

          Dare Issue#11|Jay Royaleについて

          今回は、以前の記事で紹介したデラウェア州に隣接する、メリーランド州の独立都市、"B-More"ことボルチモア市出身のJay Royaleにフォーカスします。 ボルチモア出身のMCとしては、A$AP Ant、Jayy Grams、King Los等が挙げられますが、ボルチモアのHip Hopと聴いてもあまりピンとこない人も多いかもしれません。 Jayの周辺アーティストですと、Ill Conscious、Jamil Honesty辺りは馴染みがあります。 加えてアンダーグラ

          Dare Issue#11|Jay Royaleについて