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#音楽 記事まとめ

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楽曲のレビューやおすすめのミュージシャン、音楽業界の考察など、音楽にまつわる記事をまとめていきます。
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2020年8月の記事一覧

伊福部昭音楽資料室に行ってみた

残念ながら2020年の日本管打楽器コンクールは来年に延期になりました。(現状を鑑みると大正解な決断だったと思います)  「なんだって?!」と声が出てしまう程、前回の課題から曲目や選択形式が変更になっていたのでラッキーだったのかな…?いっぱい練習が出来ますね…。 実年齢的にも年齢制限的にも最後の管打楽器コンクールになるのではと気合を入れて準備をし始めていたので(課題発表から1ヶ月以内に全ての楽譜を用意して練習を始めるくらい)延期の決定はかなり悲しかったのですが、延期されても

カーディBのWAP論争

カーディBとメーガン・ジー・スタリオンのヒット曲「WAP」が面白い議論を起こしている。 コロナと同時にBlack Lives Matter運動が起こる混沌としたご時世に、パワフルな表現で、挑発的な歌詞とミュージックビデオ(以下MV)で「これはポルノである」「女性が主体的に性を主張するフェミニズムである」と意見が割れている。 カーディBはニッキー・ミナージュと並んで、私の中で攻撃的にドラァグする女性として好きな存在。(カーディがニッキーに殴りかかって不仲らしいけど) とん

2020.8.7(金)bandcamp fridayに「Nice Painting! vol.0」リリース

平熱35.8度の自分には身の危険を感じるレベルの暑さだったので、昼間はずっと部屋で待機。 そして、やっと世に出せた!高校〜大学時代に録音したカセットから40曲をセレクトした「Nice Painting! vol.0」。全曲フル試聴できるので、まずは聴きながらどうぞ。 「Nice Painting! vol.0」 ~1981-1988 cassette recordings  ■ Side-A : vocals 1.GEAR (1985) *I.O.N.demo 2.D

『ヒプノシスマイク』30曲分くらいの音楽ネタを解説しようと思います【Part 3】

▼【Part 1】 『ヒプノシスマイク』30曲分くらいの音楽ネタを解説しようと思います【Part 1】 ▼【Part 2】 『ヒプノシスマイク』30曲分くらいの音楽ネタを解説しようと思います【Part 2】 この連載企画も第三回となりました。 【Part 1】、【Part 2】ともにTwitterでの反響も予想以上に大きく、なかでも 「HIPHOPは全然知らないけどヒプマイが好き」という方に多く読んでいただけているのかなという印象で、本当にありがたいです。 記事内では、極力

映画メモ:『ラ・ラ・ランド』のコピーバンドと80年代の音楽シーン

※大まかな論旨はそのままに、全面的に書き直しました。(2021/01/04) 【はじめに】 2020年は1980年代の洋楽チャートに浸かっていた。ポスト・パンクの時代をなすムーブメントの一端としてニュー・ウェイブが登場したり、ディスコやハードロックに押され気味だったポップがシンセサイザーやドラムマシンの台頭と共に盛り上がったりするなど、1970年代後半からの面白い変化がたくさんあった。  今回の記事では、2016年の大ヒット映画『ラ・ラ・ランド』に注目して、そんな1980

祝!TR-808 40周年! 808day

1年以上ぶりのnote投稿です。まだ記事を読んでくださる方やフォローしてくださる方に感謝します。 8月8日は808dayという事で、SNS上で#808dayを付けた動画や画像の投稿が数年前から盛り上がって来ており、Rolandも公式にサイトを立ち上げたりと全世界で808の日を祝うようになってます。以下は自分の今年の808dayの投稿です。 1980年発売のTR-808は今年で40周年、今でも多くの楽曲にその音が使われている不変のドラムマシンです。TR-808の音を聴けばそ

日本のロックはパラレルワールドで成立してる

今回の記事は結構壮大な内容になっている。ロードオブザリングぐらいには壮大な内容だ。正直なことを言うとあまりにも壮大すぎて、無謀だったなとも思いつつある。ガンダルフとサルマンの区別がつかないくらい無謀だったと思う。え?ホビットの話はやめろって? タイトルにもある通り日本のロックはいくつかのパラレルワールドから成り立っている。なんでかっていうと人によって、邦楽に対する歴史認識に誤差が生じていることが起因しているからだ。 実はこの問題、議論されそうで意外と言及されていなかったの

2020年上半期ベストアルバムまとめ

今年の6月半ばにまとめた上半期のベストアルバムレビューです。 今振り返っても特に変更無しです。 どのアルバムも本当にお気に入りです! 各アルバム、リリース時にTwitterにアップしたレビュー中心にまとめてみます。 いきなりめちゃくちゃ長いと思います。 ●the1975 「Notes On A Conditional Form」 昨今全曲60分もないアルバムが主流になりつつある中で22曲1時間半。長いけど、とにかくいろいろやりたい、聴いて欲しい思いが溢れ出てている

Common Sense : Resurrection

ゆえあって自分の過去レビューからのコピペ&大幅アップデート。 おのれの過去ログ文章って手直ししたい気持ちと敢えて手を加えずに取っておきたい気持ちがないまぜになる複雑な存在。 が、サイト引っ越しを契機に禁断の加筆修正を断行。 選んだのは Chicago 出身の Common Sense (現在は Common) 94年リリースの 2nd アルバム『Resurrection』。 その昔それこそ躰に沁み込むほどに聴いたもので、素晴らしい作品を久し振りに聴き直して、どうしても大幅

【Album Review】Reol, 《金字塔》 (2020)

Artist : Reol (레오루) Album : 金字塔 (금자탑 Released : 2020.01.22 Label : JVCKENWOOD Victor Entertainment Genre : J-Pop 本作《金字塔》は、Reolのメジャー第二作目のアルバムだが、彼女はすでに2014年から毎年いろんな形で出してきた、しっかりとしたアルバムキャリアーを保有している。しかし本作がキャリアー初の『セカンドアルバム』というのは妙に面白いところである。201

【レビュー】GEZAN, 《狂(KLUE)》 (2020)

Artist : GEZAN Album : 狂(KLUE) Released : 2020.01.29 Label : 十三月, Important Records Genre : Noise Rock, Neo-Psychedelia ※このブロガーはこの作品の政治スタンスに対し中立を保っております。 だからわたくしはソウルを市民に取り戻そうとしているのです。 最近読んだ小説の一句を思い出した。上に引用したジョン・ジドンの『夜間警備員の日記』と、本作、GEZAN

#BlackLivesMatter と人種差別問題の理解を深めるために: 「ビジネス・テクノ」の問題(翻訳)

ニューヨークでブッキング・エージェンシー〈Discwoman〉を共同設立し、女性やトランスジェンダー、ノン・バイナリーの、それまで十分な注目と評価を得られてこなかったアーティストたちに機会を与え、世界各地のイベントにブッキングしてきたエージェントであり、黒人のエレクトロニック・ミュージック・アーティストのためのプラットフォーム兼音楽フェスティバルである〈dweller〉を共同主催するフランキー・ハッチンソンが、昨日そのdwellerのブログに緊急寄稿した。 パンデミック時代

歌 × Brooklyn Drill

ギャングムービー顔負けのハードなリリックにドスの効いたフロウが乗るBrooklyn Drill。しかし、中には耳を惹くメロディを歌うシンガーラッパーも存在します。 そこで今回は、歌を武器にしたMelodic Drillerを3人ご紹介します。 1. Tommy Flee Fivio Foreign等が名を連ねる800 Foreign Side(Woo)所属。キャリア初期は歌モノのRemixをSoundcloud上に発表していました。 2019年に発表した1st EP「

tofubeatsとできるもん!

トーフくんとマネージャーの杉生さんとの関係は2013年に始まりました。 初めて行った食事の中華料理屋で、YEBISU YA PROの2人による意味不明の「きくらげ」のゴリ押しは、現在でも時折話題にのぼる程のインパクトを残せたようで、その後も毎年YEBISU YA PROに呼ばせてもらうようになり、2017年からtofubeatsのレギュラー・パーティー「unBALANCED」がスタートし、私達の親交は深まるばかりと勝手に思っております。 そして今回、「でえれ〜通信」の立ち上げ