伊福部昭音楽資料室に行ってみた
残念ながら2020年の日本管打楽器コンクールは来年に延期になりました。(現状を鑑みると大正解な決断だったと思います)
「なんだって?!」と声が出てしまう程、前回の課題から曲目や選択形式が変更になっていたのでラッキーだったのかな…?いっぱい練習が出来ますね…。
実年齢的にも年齢制限的にも最後の管打楽器コンクールになるのではと気合を入れて準備をし始めていたので(課題発表から1ヶ月以内に全ての楽譜を用意して練習を始めるくらい)延期の決定はかなり悲しかったのですが、延期されても課題は変更しないとの事で良い機会だし自分が出来うる最大限の準備をするぞ!と丁寧に楽譜を読む+作曲家やその曲が作曲された時代の簡単な歴史も勉強してみる事にしました。
そうだ音更、行こう
今回の本選「ラウダ・コンテェルタータ」を作曲した伊福部昭は北海道釧路の出身で、32歳までは北海道で生活していました。少年期から青年期はお父さんが音更村の村長になった事をきっかけにを音更村で過ごされています。ここでアイヌ民族の豊かな音楽と文化を経験し、作風の原点になっていると言われています。
「あれ…、私今北海道に住んでるじゃん…?そうだ音更、行こう!(某キャンペーン風に)」
思い立ってから時間は少しかかりましたが、道内なら注意を払って移動できる!となって来たので、札幌駅から特急とかちに乗って約3時間で帯広に到着、車で約30分くらいで伊福部昭音楽資料室のある音更図書館に行ってきました!
朝の8時前に札幌を出発し、到着が11時前くらいに。まあまあ遠かったかな?←
(本州から行かれる場合は帯広空港から行く方が良いのかも…。千歳から目指すのはかなりのタイムロスになります!)
1階は図書館、階段もしくはエレベーターで2階に上がると直ぐに資料室があります。
階段を登る際に見える中庭がとても素敵で、写真も撮りに行きました。今の季節は緑も生き生きとしていますが、虫さん達もとっても元気なのでお気をつけください。(目に見えるくらいの大きさでぶんぶん系で衝突すると痛いです)
階段を登って正面に資料室があります!
資料室ではパソコンで過去のインタビュー映像と伊福部昭作品が聴き放題で、北海道の地方紙に掲載された記事や写真、生前使用されていた灰皿やチェレプニン賞の受賞賞金で購入されたグローブ音楽辞典の他、直筆の楽譜や原稿など見る事が可能です。
私の頭の中がユニークなのか、作曲家の生きていた姿を想像するのがとても苦手です。どうも音楽室の後ろに飾られた絵の中の人や歴史の人、本の中の人など遠く感じてしまいます。
今回資料館に来て、私が勉強中のラウダ・コンチェルタータの直接的な資料は見る事が出来ませんでしたが(聞いたら何かあったのかも…?)、訪問した事で難しく感じていた作曲家、伊福部昭の生と見た景色を強く感じる事が出来ました。
資料の中で感動した展示物は愛用されていた灰皿です。
インタビュー映像にも映る灰皿と木箱の蓋の裏に書かれた娘さんのメッセージが素敵です。
「気兼ねなく好きなだけ吸えるように殻入れを作った」
インタビュー映像の中で気兼ねなく好きなだけ吸っていく伊福部昭の姿、あります。どんどん吸っていきます。
資料室はもちろん素晴らしかったのですが、音更という町に訪れたという事が良き体験になりました。開発が進み当時とは全く異なる形でも、十勝大橋を渡った後から感じる空気や自然は人生で体験した事がない感じで本州の自然の豊かさとは明らかに何か違いました。この景色や空気や音を体感することが本当に良かったです。
サプライズ発生!?
見学中有り得ないサプライズがありました。
資料室の外は吹抜けで1階が図書館になっています。迷惑をかけてはいけないと思いドアを閉じて部屋の電気を消し(天気が良すぎてモニターが見え難かったので…)インタビュー映像にかじりついていました。突然!ノックもなしに資料室のドアが開いたのです。悪い事をしていた訳ではないのですがヒョッ?!と飛び上がるとおじ様が2人。
私「明るくて、下が図書館だから、うるさいかもしれなくて、閉めてて、見学者です!」
おじ様「驚かせてごめんね、音更町の町長です!」
視察にに来ていた町長さんと秘書さんでした。(笑)
職員さん曰く滅多にいらっしゃらない町長さんと約束もないのに遭遇した私。持ってますね!←
遠くからいらしてくれてありがとう!と隣接する文化センターの紹介まで町長さんがして下さりました。本当にありがとうございました!!!
(職員さん曰く、夜になるとガラス戸に怪しく映ってその貫禄のある姿にびっくりする事があるそうです。ホラー的な感じで笑)
最後に…
車があれば十勝の自然豊かな観光地にも合わせて行けるので是非是非訪れてみてはいかがでしょうか??
本当に自然と空気に感動できます!!!(夏場は生命力が爆発してますので長袖、長ズボンを用意して行く事をオススメします。)
ご飯も本当に美味しいです。豚肉に魚介に卵に乳製品、なつぞら聖地巡礼も楽しかったです。
作曲家が見て育った風景や生活道具を見る事が自分の心にこんなに刺さるとは思いませんでした。世の中が落ち着いたら海外の作曲家の見た風景も見たい欲が…!!音楽を勉強するのってやっぱり楽しい!!
CHIHOKO