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514.えっ、出版が決定したのに、8万文字、1冊分のデータが消えた....😢。【出版論⑮】


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そして、3冊の本の原稿の1つ目が決まることになったが...。
そう簡単には終わらない…

えっ、8万文字、1冊分のデータが消えた....。

11月、ある老舗大手出版社より電話が入った。手紙ではない、お断りではない。「○○先生ですね…編集会議で検討した結果、条件が合えば出版をお願いしたい...」えっ?先生だって?まだ、本を出したことのない新人なのに...。しかし、嬉しい...。すぐさま原稿をコピーして一週間後にその出版社に出向いた。この出版社は何か縁があるのかもしれない。私の本棚にはこの出版社が発行している本をかなり読んでいるからだ。しかし、私のようなタイプの本が一冊も出ていない。だから、良いのか?だから、駄目なのか?結果は、この出版社がビジネス書、専門書等をこれから新しく部門を設置して新分野に挑戦しょうとしていた会社だった。ですから、私の場合はまるで異質な存在に思えた。夢なのか?幻なのか?

そして、二度目の出版社に出向いた。もちろん、このシリーズで最初に怒られた出版社が一度目。まだ、トラウマは残っているが、怒鳴った編集長の一言一言を胸に秘め、修整に修正、改良、新たに加筆したものだ。その1冊分の本を3分割にした、1冊目の本だった。

東京のど真ん中だというのに、静かな高級住宅地が並ぶ文京区目白台。目白の駅から歩く。確かに老舗の出版社。自社ビルに歴史を感じた。そして、女性編集長と面談。

言葉は少ないが、
「○○さんの作品はとても気に入りました...。当社ではこのようなタイプの本は初めての試みですが、これからの時代「著作権」は必要なことです。そして、作品自体が弁護士さんのような法律の専門書でなく、一般の読者さんが必要としていること、役に立つ情報が満載。さらに「著作権ビジネス」などというビジネスの存在が新鮮に感じまた…。」

まるで夢物語、まだ信じられない...。
そして、すぐさま「出版契約書」なるものが出された。
これも生まれて初めて。
契約書の説明から入り、最後に「印税」の話となった。
えっ?お金がもらえるの?
正直、そんなつもりもない。
本が書店に並ぶだけで本望。

「最低保証部数は初回3,000部とします。印税は定価に対して10パーセント。お支払いは出版されてから3か月後に振り込みます。そして、その後の印税のお支払いは(3,001部以降)毎月お振込みとなります...。」

その場では頭の中が真っ白で計算なんてできない...。
最終的に1冊1,500円+税となり、1冊あたり150円の印税となった。3,000部保証ということで、3,000部×120円=360,000円となった...。
(印税は出版社によって異なりますが、7パーセントから10パーセントのようだ)

11月に売り込んで、12月に本が書店に並ぶ。なんという早さなんだ。すべてが信じられない...。

私は帰り際、嬉しくて涙が出た...。まさか...。しかし、はじめての出版社で怒鳴られた内容は、とても正しい。すべて頭の中に入っている。
今でもそれが私のバイブルだ。
「読む人のことを考える...」「第三者の立場になる...」「売れる本でなければならない...」すべてをそのように書き直した...。

そして、明日は先生とNさんに報告することになった....。

そして…

「えっ?データが消えたって…それはまずいよ。契約したんでしょ。発行日が決まっている?それでは、まるで打つ手がない...。まずは、謝罪だ...。本当のことを言う以外ないよ...」とNさんは驚きながら私に叫んだ...。

本の神さまはいないのだろうか?

続く~


※出版社は大きな会社だから良いとか、小さいから駄目ということはない。
誰もは、一部を除いて出版社名だけで本を買う人はいないからだ。

本を買う人は、出版社の名前ではなくて、本のタイトルや装丁デザイン、そして本の中身に惹かれて買うもの。

むしろ、図体の大きな出版社の場合は資金力があるが、小回りはきかない。つまり、即断即決ができない。
ならば、即断即決のできる小さな出版社でヒットを飛ばしているところの方が魅力を感じる。
様々な出版社に出向いて気づいたことは、その出版社によって思想や気風がまるで違うことがわかる。

そして、それぞれの出版社には表から見てわからない、気質、出版に対する考え方の違いもある。
それが、その出版社の個性なのかもしれない。

たとえ、小さな出版社であっても大手出版と一切の遜色もなく、対等に本が並ぶ。そして、そこには色がある。

これは昔ながらの出版社気質、出版魂と言えるものかもしれない。
小さな会社には素晴らしい外部ブレーンがいる。
それはライターさんたちだ。
彼らはハングリー。
サラリーマンのような安定などない。
だから、事務的でない良い本を作ることが彼らの次の仕事に結びつく。
まさに、出版社って1冊の本に対してたくさんの人がかかわる、ジョイント・ベンチャーに見える。


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※さて、毎回、過去作品ですが。「noteと著作権・noteの著作権」として、お役に立ちますよう5作品ずつご紹介いたします。もうすぐ600作品超えてしまうとバックナンバーから消えてしまいますので、(自分の「記事」には残ります)消える前に5作品ずつ掲載することにしました。その後は過去記事のバックナンバーマガジンを作成して保存します。それまでお時間がありましたら「著作権の基本編」をお読みください。みなさまのお役に立てば幸いです。


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ラインスタンプ新作登場~


「noteと言う世界」第3章書くnote「出版論」シリーズを始めました。どうか引き続きお読みください。
また、日々、拘束されている仕事のため、また出張も多く、せっかくいただいているコメントのご返事。お問い合わせメール、お手紙等のお返事がかなり遅れています。しかし、必ず読ませていただいて、翌週には必ずご返事させていただいていますのでどうかお許しください。

では、また(月)(水)(金)にお会いいたしましょう。
いつも読んでいただいて心から感謝申し上げます。


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※本内容は、シリーズ「noteの世界」というテーマで著作権等を交えて解説、感想及びnoteの素晴らしさをお伝えしていく予定です。
私たちの著作権協会は市民を中心としたボランティア団体です。主な活動は出版と講演会活動を中心として全国の都道府県、市町村の「著作権・肖像権・SNS等を中心」にお伝えし続けています。皆様から頂いた問題点や質問事項そのものが全国で困っている問題でもあり、現場の声、現場の問題点をテーマに取り上げて活動しています。
それらのテーマの一部がこのnoteにしているものです。ぜひ、楽しみながらお読みください。
noteの世界は優れたアーティストの世界です。創作した人たちにはわからないかも知れませんが、それを読む人、見る人、聴く人たちがリアルに反応してくれる場所です。もし、本格的なプロの方々が参入してもこの凄さには勝てないかもしれません。プロもマネのできないnoteの世界。これからも楽しみにして皆様のnoteを読み続けています。

私たち著作権協会では専門的なことはその方々にお任せして、さらに大切な思いをお伝えします。
本内容は、全国の都道府県、市町村、学校、NPО団体、中小企業、noteの皆様、クリエイター、個人の方々を対象としているものです。また、全国の職員研修での講演先のみなさまにもおすすめしています。
                    特定非営利活動法人著作権協会


「クリエイター著作権全般」特定非営利活動法人著作権協会(NCA)

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