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524.文章は下手でかまわない。下手に書けばいい、下手に書きなさい。【出版論第2章】新シリーズ「著作者になる!」

【出版論第2章】新シリーズ「著作者になる!」noteのみんなは「著作者」なんだよ。さて、【出版論第2章】新シリーズ「著作者になる!」となりました。またまた、少しばかりおつきあいをよろしくお願い致します。

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※Ⓒ文章協力/資料提供/note作家coucouさんのご協力をいただいてこのシリーズ「著作者になる!」をすすめています。ご友情、ご好意、ご協力に心から感謝申し上げます。
 
 

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1.文章は下手でもかまわない!大切なことは心を伝えること

「文章は万人の道具である!」
「たとえ、あなたが自分の文章を下手だと思っても、誰も書いたことのない内容であったら、後に大きな価値を発揮する。人間の歴史は、けっして英雄だけのものでないことを忘れてはいけない。文章が、下手とか上手とかいうものよりも、書いたか書けなかったかの方が、後の世にはずっと重要となる」
 
この言葉は、文章は万人の道具である『書いて花咲く哲学』(欅出版)の著者橋本義夫さんの言葉より引用したものです。


橋本さんは1968年に機関誌『ふだん記』」を創刊。
この「ふだん記」運動は当所ガリ版刷りで粗末な本でしたさらに当時の時代背景もありみな貧しかった。もちろん郵送費などありません。
こんな時代、こんな状況の中での文章を書こうと多くの人に声をかけるわけですから、この運動はとても大変だったでしょう。
 
ましてや文章の専門家などいるわけもなく、ド素人集団ともいえる。
それに文章を書いたからといって儲かるわけじゃあないし、そんなことより食べるために働いている時代。
 
そんな貧乏の中でつくった小冊子を、ボロ自転車に乗って配り歩き10年。
そしてとうとう日本全国、北海道から九州までこの「ふだん記」運動は広がっていった。
橋本義夫さんの文章運動の市民活動家で日本全国に知られている。
 
営利追求も、儲けなども関係ない。
自分さえよければそれでいいという考えが横行する時代。
インターネット時代といわれるこの時代に、この運動はいまだにしっかりと花咲いている。

橋本さんの考えは、この時代に、多くの人たちに本を書いてもらい、記録し、残すことを主とし、機関誌の発行はもちろん。当時、文章とは一切関わりない、八百屋さんや職人さん、70、80歳のおじいちゃん、おばあちゃんまでに文章を書くことをすすめ、本にしていきます。ひとりが本を出すことによって次々と新しい人たちの本をつくる。
 
いつのまにか多くの素人の無名の本が数千冊にも達していた。
橋本さんの口グセは、今まで文章を書いたことのない人、本すら読んだことのない人たちにこう言います。
「文章は下手でかまわない」
「下手に書けばいい」
「下手に書きなさい」
という。
文章はだれにでも書けるものだという考え方を広めていった。
「ふだん記」は「ふだん着」からきたもので、飾らない、名文・美文のマネはしない。庶民には庶民らしい言葉があり、文章がある。それが「ふだん記」運動だと語る。
 
当時から本屋に行けば「文章の書き方」「作法」などといったタイトルの入門書が並んでいて、現代でもこのような本は何百種類と発行されている。
しかし、橋本さんは、「そんな本があるから、文章を万人のものにできなかった」という。
 
つまり、文章はこう書かねばならない、こうあるべきだという固定観念を人びとに与えてしまったために、たくさんの決まりや法則を知らねば文章を書けなくなるという弊害が起こってしまったためだという。
これは絵や文字、文章もまったく同じといえる。
 
「茶道を知らないこどもだって、お茶を飲むことができる。
文章作法をしらなくても、人間である限り文章を書くことができる。
文章などというものは、言葉と同じで、相手に解りさえすればいい。
下手でもなんでも自己流に書けばよい。
恐れることも、臆することもない。
文章などは、数字や理科系とはちがって、いいかげんなところがあっても相手に伝わるものである。伝わりさえすれば、目的のほとんどが達成されているのだ。別にむずかしく考えることは少しもない」
 
つまり、文章は下手でもよい。
文章作法にこだわるな。
キタナイ字でもよい、文章はだれでも自由に書けるもの。
 
文章は道具。
美しく書く必要はない。

形式もいらない、ありのままの姿で、ありのままに書けばいい。
むずかしく考えず自分なりに書けばいい。
 
この本を数十年前に読み、わたしはある種の感動を覚えた。
この文章は、わたしの人生に衝撃を与え、わたしの人生を変えてしまった。
 
そうかあ! 上手くなくてもかまわな良いのだ。
もっと気軽に書けばいいのだ。
 
わたしも数十年前はそうだったが、文章や本を書こうとしてもなかなか書くことができない。手紙一枚書くのだって、何度も何度も書き直して一日中かかってしまうこともある。
 
このすべての理由は、上手く書こうとすることだった。
特別な才能があるわけでもないのに文章を書くときいつも上手く書こうとしてしまう。
知らず、知らず、この文章を見て笑われたらどうしよう? とか馬鹿にされたらどうしようとか人の眼を意識してしまい、上手に書かなくては文章にならないという固定観念にふり回されていた。
 
ありのままではない。
常に他人の眼を気にし、自然体ではなくなってしまっていた。
 
だから、橋本さんの言葉、
「下手に書きなさい」
「下手に書けばいい」
「下手でかまわない」
「下手でも伝わればいい」

そんな覚悟をもって文章に臨む。
 
わたしは上手く書かなければいけないという呪われた呪文から、人生40年近くもかけて、ようやく、解放されたような気がした。
橋本さんの「下手に書きなさい」の一言によって、この言葉からどれだけの人たちが励まされたことだろう。
 
今まで、知識のない、文章とは無縁であった農婦がペンを握り、職人が、若人が鉛筆を走らせ、自らの体験を記録する。
「才能は誰もがもっている社会がダメにするから自分ではダメだと思い込んでいるにすぎない」
          1977年1月27日 朝日新聞掲載の橋本義夫文章より
                 文章協力/note作家coucouさんより

 
あれから48年過ぎた今も、この橋本さんの言葉は生き続けている。
この「ふだん記」グループはインターネット全盛時代にかかわらず現在も日本全国に会員数、数千人を越えているという。
 
 

下手に書きなさい: ふだん記のすすめ 単行本 / 橋本 義夫 (著), 四宮 さつき (著)出版社 ‏ : ‎ 大揚社 (1984/1/1) 発売日 ‏ : ‎ 1984/1/1
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2.本を書いてみたい!でもどうすればいいのかわからない


 
さあ、下手に書いてみよう!
もっと気軽に書いてみよう!
笑われたってかまわない!
馬鹿にされたってかまわない。

 
上手い文章なんて書けないけれど、なんとか人に伝えることはできるはず。
でも、どんな題材にしたらよいかわからない。
そんなとき
 
体験ほど強いものはない!
 
わたしたちは数十年、今まで生きてきたというだけで、わたしたちにしかない体験や経験という財産をだれもがもっている。それは、100人いたら100通り、1,000人いたら1,000一通り、日本全体でいうと一億人のあなただけの体験や経験があります。
 
それは老若男女、小さな子どもたちにもそれが著作権という財産として残されている。
文章というものは記録やメモ。わたしたちは文章を残すことによってしか何かを残すことはできない。
 
文章を書いて記録することによって何かを残せるかもしれない。
わたしが橋本さんの本から学んだことは、下手に書くことはもちろん。
この考え方は文章だけではなく、絵や写真、書などもすべての創作物にあてはまることです。
 
この考え方を発展させると、
下手に書けば書くほど「味」が生まれる。
上手く書けば書くほど文章は美しいかもしれないが「味」を失ってしまう。

その「味」とは独自性や個性のことです。
わたしは、今まで文章を書いたり、まとめたりすることはあまり好きではなかったが、今では下手であればあるほど気が楽になり、味が出て、わかりやすくなり、相手に伝わりやすいことがわかるようになりました。
 
文章の書き方にこだわりがなくなると、気軽に文章が書けるようになる。
つまり、自分の言葉で書けばいい。
上手に文章を書こう、上手に絵を描こう、写真は美しくなければいけない、文字がキタナイから人に見せるのは嫌と思えば思うほど、まるで呪文のように金縛りにかかり、挫折してしまいます。
 
世の中には完全なものはないのに、自分が勝手につくり上げてしまう完全という幻想の固定観念の世界にいつのまにか入り込み、迷う。常に自分に対して不完全だと思わせてしまう社会。
 
完全に近ければ近いほど、美しくなればなるほど、上手になればなるほど個性を失い、不完全であればあるほど「味」という個性が生まれました。
 
そして、こんな言葉が生まれました。
 
下手であればあるほど「味」が出る。
上手ければ上手いほど「味」を失う。

 
みんな優れた作家さんのマネをしょうとする。
そして、美しい感動する文章を書きたい。
もっと、絵が上手くなりたいと願う。

しかし、同時に「味(個性)」を失ってしまう。
大切なことは、「個性」「独自性」「オリジナル性」。
物まねでは著作権を主張することができない。著作権は「味(独自性)」のある創作物、創作性のあるものだからです。ですから、人のマネをするよりも、今の自分の「味(独自性)」に力を注げば、比較対象されることはない。独自性って比較対象できない独自の世界だからです。


次回に続く~
 
※次回は【自分の本が本屋さんに並ぶとき】【本を出すと人生が変わる!運命が変わる!】是非お付き合いください。


文字数5,378文字

👇️橋本義男さん、ぶだん着活動が記録されています。


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※さて、毎回、過去作品ですが。「noteと著作権・noteの著作権」として、お役に立ちますよう5作品ずつご紹介いたします。もうすぐ600作品超えてしまうとバックナンバーから消えてしまいますので、(自分の「記事」には残ります)消える前に5作品ずつ掲載することにしました。その後は過去記事のバックナンバーマガジンを作成して保存します。それまでお時間がありましたら「著作権の基本編」をお読みください。みなさまのお役に立てば幸いです。


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ラインスタンプ新作登場~


「noteと言う世界」第3章書くnote「第2章出版論」シリーズを始めました。どうか引き続きお読みください。
また、日々、拘束されている仕事のため、また出張も多く、せっかくいただいているコメントのご返事。お問い合わせメール、お手紙等のお返事がかなり遅れています。しかし、必ず読ませていただいていますのでどうかお許しください。

では、また(月)(水)(金)にお会いいたしましょう。
いつも読んでいただいて心から感謝申し上げます。


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※本内容は、シリーズ「noteの世界」というテーマで著作権等を交えて解説、感想及びnoteの素晴らしさをお伝えしていく予定です。
私たちの著作権協会は市民を中心としたボランティア団体です。主な活動は出版と講演会活動を中心として全国の都道府県、市町村の「著作権・肖像権・SNS等を中心」にお伝えし続けています。皆様から頂いた問題点や質問事項そのものが全国で困っている問題でもあり、現場の声、現場の問題点をテーマに取り上げて活動しています。
それらのテーマの一部がこのnoteにしているものです。ぜひ、楽しみながらお読みください。
noteの世界は優れたアーティストの世界です。創作した人たちにはわからないかも知れませんが、それを読む人、見る人、聴く人たちがリアルに反応してくれる場所です。もし、本格的なプロの方々が参入してもこの凄さには勝てないかもしれません。プロもマネのできないnoteの世界。これからも楽しみにして皆様のnoteを読み続けています。

私たち著作権協会では専門的なことはその方々にお任せして、さらに大切な思いをお伝えします。
本内容は、全国の都道府県、市町村、学校、NPО団体、中小企業、noteの皆様、クリエイター、個人の方々を対象としているものです。また、全国の職員研修での講演先のみなさまにもおすすめしています。
                    特定非営利活動法人著作権協会


「クリエイター著作権全般」特定非営利活動法人著作権協会(NCA)

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