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クラシック 記事まとめ

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クラシックの楽曲・作曲家などについて書かれた記事をまとめていく公式マガジンです!主にハッシュタグ「#クラシック」が付けられている記事を自動で追加し、紹介していきます。
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2023年3月の記事一覧

『ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集』(158)

ヴォイニッチ写本で有名なイェール大学バイネキ稀覯書図書館所蔵の『ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集』は、1720年1月22日、当時9歳2ヶ月であったヨハン・ゼバスティアン・バッハの長男、ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710-1784)の教育のために書き始められました。 見返しには当のW.F.バッハのサインがあります。 まずは楽譜の読み方から。ハ音記号で4種類、ヘ音記号も3種類の位置があるので大変です。しかし父バッハの徒弟時代にはさらにドイ

クラシックはフォルテシモ! 〜カリスマ指揮者大振拓人が語る大作曲家と名曲達

 現在日本で一番注目されている指揮者大振拓人。あらゆる名曲をフォルテシモに聴かせる華麗なる指揮は観客を魅了してやみません。今回はその大振拓人がバッハから二十世紀までのクラシック音楽の魅力を語りつくします。題して『クラシックはフォルテシモ!』です。皆さんご準備はいいですか?我らがマエストロは最初から飛ばしますよ!最初は音楽の父であるバッハです。 J.S.バッハ  間違いなく偉大なる作曲家。後の作曲家に与えた影響は計り知れない。モーツアルトやベートーヴェンがどれほどバッハから

Münchner Philharmoniker 22.03.23 コンサートの記録:ミュンヘン・フィル(3月22日、イザールフィルハーモニー)

3月22日、ミュンヘン・フィルの定期コンサートを聴きました(イザールフィルハルモニー)。 コンサート開始前、ステージではコンサートマスターの青木尚佳が準備をしています。 プログラム。 この日、反田恭平がソリストとしてラフマニノフ《ピアノ協奏曲第2番》を弾きました。 反田恭平にとってはドイツのメジャー・オケへのデビューでした。 日本では有名でも、世界一のクラシック音楽大国ドイツでは知られていない音楽家は珍しくありません。 反田恭平もまだ知られていません。 まず、ドイツで

春の音楽のおすすめ♪

こんにちは!リーダーです! いよいよ桜も各地で咲き始め、春がやってきましたね! 新生活が始まる方は、希望に胸を膨らませてワクワクしていたり、少し不安な気持ちもあったり、いろんな感情が入り混じっているかもしれません。 また、春になれば桜をはじめ、いろんな花が咲き競い、生き物も活発に活動し始めたりと、冬を越えて迎えるこの季節は、どこかホッとする気持ちもあるかもしれませんね。 さて、前回「あなたの癒しの音楽は?」というタイトルで記事を書きましたが、今回は「春」に焦点を当てた音楽

東京シティ・フィルのドラゴンクエストコンサートに行ってきたよ!!

昨日、3月25日、ドラゴンクエストコンサートに行ってきた。興奮冷めやらぬうちに所感を書き記しておきたいと思い、書きました。 ちなみにこの記事のヘッダーは親子三代(父、私、弟、息子)で使い倒したドラクエⅠ・Ⅱの攻略本です。使い倒してます。 行ってきたコンサートのチラシはこちら! ドラクエⅠ・Ⅱの楽曲がひとつの公演にまとまっていて、贅沢感満載! 本当に贅沢な休日の午後を過ごしました! オーケストラの生音ってやっぱりすごくて、音だけではなく、振動が体を刺激して、まさに音楽を

ミヒャエル・ミートケのチェンバロ(157)

アンハルト=ケーテンの宮廷の会計簿には、1719年3月1日にチェンバロ購入費として交通費を含めて130ターレルが宮廷楽長のヨハン・ゼバスティアン・バッハに支給されたことが記録されています。 そして3月14日には「ベルリン製クラヴサンの運賃」として8ターレルが計上されているので無事納品されたようです。 注文して2週間でチェンバロが仕上がるわけもないので(全盛期のルッカースの工房なら可能だったかもしれないですが)発注自体は大分以前に行われ、この時バッハは仕上がりを確認して代金

ミハイル・プレトニョフ(Mikhail Pletnev)のコンサート

今日は カワイヨーロッパGmbHの方々から リスト音楽院の学生としてご招待をいただき 「Müpa」(ブダペスト芸術宮殿)で行われる ミハイル・プレトニョフのコンサートを 聴きに伺います…♪ ミハイル・プレトニョフ(Mikhail Pletnev)は 指揮者・作曲家としても素晴らしい才能を発揮されている  ロシア人ピアニスト 1957年… ロシアのアルハンゲリスクに誕生 音楽家の両親を持ち 幼少の頃から音楽に非凡な才能を示した彼は… 13歳で中央音楽院 1974年モスクワ音

神の部屋に住む永遠の無垢___辻井伸行日本ツアー___2023年3月8日

2023年3月8日にサントリーホールで行われた演奏会、「辻井伸行 日本ツアー2022/2023」に行ってきました。 前半は、ベートーヴェンとリストの重厚感のある曲で、後半はメロディアスなラヴェルが華やかに続き、踊り出したくなるほどジャジーなカプースチンで締めるというプログラムでした。 私はとくにラヴェルの「水の戯れ」が大好きです。 まるで天が落とした1滴が、辻井さんを中心に広がり続けるような演奏。煌めく波紋の中に身を浸しながら、心身が浄化されていくのが分かりました。 こ

古典派音楽は神への祈り

岡田暁生という人が「古典派音楽は神頼みの音楽だ」というようなことを書いていた。(『クラシック音楽とは何か(小学館、2017年)』) 正直、その発想は安直だと思っていたのだが(何せ18世紀をキリスト教社会という関数だけで語ろうとしているのだから)、古典派音楽に触れていると実際にそのような気がしてくるのだから不思議なものである。 ハイドンやモーツァルトの音楽を聴いていると、まるで曲が永遠に続きそうな感覚に陥るのは私だけだろうか。そして和声においてもリズムにおいても、なんというか

クラシックに癒された日

「今日は来て良かった」心からそう思いました。クラシックコンサートに感動したのです。 岡本誠司&反田恭平デュオコンサートに行ってきました。 バイオリンとピアノの美しいハーモニーに大満足でした。 愛媛県松山市で開催されたコンサートは満席で、この日を心待にしていた人が多かったと思います。様々な年代の人たちがお洒落をしてきていました。 私にとって反田恭平さんの生のピアノ演奏を聞くのは2回目です。前回は2022年の夏、佐渡裕さん指揮で新日本フィルハーモニー交響楽団の50周年記念演

コパチンスカヤのヴァイオリンリサイタル

長久手市文化の家へ行きました。 初めて行きました。 リニモのはなみずき駅から徒歩10分ぐらいです。 コパチンスカヤのヴァイオリンリサイタルの看板が出ていました。 コパチンスカヤさんはNHKFMでチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を聴いて個性的な演奏でおもしろいということで今回の長久手公演を知り、聴きに行きました。 発売と同時に購入したので、前の方の通路側の席が取れました。 正統派の演奏ではなくて自由奔放にアレンジして演奏するということで、クラシック音楽ファンとして非日常

名曲アルバム+「北海道民謡/江差追分」

NHK「名曲アルバムプラス」のために「北海道民謡 江差追分」の映像を作りました。(2023年3月12日放送)この歌と映像について少し書いておきます。 なぜ江差追分か。 前作「名曲+」では無伴奏の合唱「レクイエム」を作りました。コロナ初年の2020年冬、皆で歌う楽しさが失われた年でした。(放送'21年3月) それを経て今回、合唱もいいが独唱もいい、と思いました。他人と息をあわせる合唱に比べ、ひとりの歌は自由です。今回テーマにした江差追分には拍節がなく、伸ばし方も歌い手次第

中部フィル小牧特別演奏会

今日は中部フィルハーモニー交響楽団の小牧特別演奏会へ行きました。 1カ月ぶりの小牧市民会館です。 会場に到着してグッズ売り場へ行くとCD買うと今日の指揮者の田中祐子さんのサインもらえるということで中部フィル20周年コンサートのCDを買いました。サン・サーンスの交響曲第3番とシューベルトの未完成交響曲など。 この日は母の3周忌の法事で聴いていないコンサートでした。帰ってからシューベルトの未完成交響曲だけ聴きました。他もあとでゆっくり聴きます。 指揮者の田中祐子さんのサインも

バッハの偽作の名品その3:《プレリュードとフーガ イ短調》BWV 897(156)

《パッサカリア ニ短調》BWV Anh. 182 と同じく、レオンハルト・ショルツの手稿によって伝わるクラヴィーア作品に《プレリュードとフーガ イ短調》BWV 897 があります。 これがまた大変な不人気作品で、過去の録音を全て合わせても片手に足りないのではないかと。それもほとんどが入手困難な状態ですが、幸い Gunnar Johansen の1950年代の録音がパブリックドメインになっています。シュペアハーケのモダンチェンバロによる演奏。 嵐のような走句に両手一杯の強烈