not Aflac

小説だったり、声劇用の台本だったりを書いています。 コンテンツの利用はお好きにしてください。 個人利用、商用利用等も問題ございません。

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マガジン

  • 超常現象研究会活動記録 ドッペルゲンガー

    超常現象研究会活動記録シリーズ 第2作 ドッペルゲンガー編

  • 超常現象研究会 活動記録 コックリさん

    超常現象研究会シリーズ 第一作 コックリさん

最近の記事

超常現象研究会 活動記録 ドッペルゲンガー 肆

notAflac作 肆.  夏休みに入り授業が行われていない大学の中庭に一人暑さと戦いながら歩く沙織の姿がそこにあった。夏休みだというのにやることがなくついついサークルの部室へと足を運んでしまうあたり少々残念な女の子である。今年はやりの服を着て、メイクもばっちり髪も整えられているというのに残念な女の子なのである。  「あっ弘くんから電話だ。」  もしかしたら弘も暇で大学に来ているのではと少し嬉しくなる沙織をよそに電話から聞こえてくる声は弘とは程遠いあまりに落ち着きすぎ

    • 超常現象研究会 活動記録 ドッペルゲンガー 参

      notAflac作 参.  メンバーが部室を出た後、超常現象研究会の部室で一人パソコンに向かう影があった。弘の話を聞いてから悟は何とも言えない不安感を拭えずにいた。  “ドッペルゲンガー”その存在は科学的に見れば脳の疾患もしくは精神異常における幻視でしかない。そのはずなのに第三者による信ぴょう性の高い目撃例も多く、有名なものだとリンカーンのドッペルゲンガーを大勢の人間が確認しているというものもある。  けして、物語の中や精神疾患と言えない情報をどう解釈するのか悟自身わ

      • 超常現象研究会 活動記録 ドッペルゲンガー 貳

        not Aflac作 貳.  その日の帰り道、沙織と瞳は二人で新しくできたケーキ屋さんへと足を運んできた。内装は少し古めのデザインで落ち着きがあるものの新店舗特有の真新しさがある。落ち着いた店内の奥では白いフリルのついたエプロンを付けた店員さんが妖精のような手つきでケーキを切っている。  「今日聞いた話でね、少し気になったことがあったの。」  そう瞳が切り出した。その目は真剣なものでふざけて言っているようには見えない。  「気になったことって? 」  どこかいぶか

        • 超常現象研究会 活動記録 ドッペルゲンガー壱

          not Aflac 作 壱.  悟が部室に入ってきた時、超常現象研究会の部室では部員の三人が前日に見たDVDの話をしていた。  「私、昨日さ着信ありって映画を見たんだけれどそれが怖くてさ。」  瞳がそう話し出す。  「着信ありって自分の電話番号から電話がかかってくるっていう話だったよな。最近同じようなことが俺あったぜ。」  瞳の話から急に思い出したように弘が話を始めた。数日前、弘のスマホに身に覚えのない番号から着信が入っていたらしい。誰かと思いかけなおそうとするも

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        • 超常現象研究会活動記録 ドッペルゲンガー
          4本
        • 超常現象研究会 活動記録 コックリさん
          6本

        記事

          超常現象研究会 活動記録 コックリさん結

          not Aflac 作 結.  超常現象研究会のメンバーの三人はその日古来より伝わる日本の降霊術を実践していた。普通ならばそれは小学生のお遊びのような些細なもの。けれど、その日の彼らにとってそれは子供の遊びとは思えないほどに部屋の空気は重く悪魔召喚の儀式が今から始められるといわれても信じてしまうほどだった。  部屋には一台のビデオカメラが据えられ、鳥居を挟むように書かれた「はい」と「いいえ」。「あ」から「ん」までの五十音に0から9まで書かれたその紙の上に十円玉が一枚。三

          超常現象研究会 活動記録 コックリさん結

          超常現象研究会 活動記録 コックリさん伍

          not Aflac 作 伍.  悟が風呂から上がるとスマートフォンの画面が明るく光っていた。画面は弘からの着信を示していた。電話に出るといつもとは違う弘の声が電話越しに聞こえてきた。  「悟、俺何か大切なことを忘れている気がするんだよ。でも、何を忘れてしまったのかがわからないんだ。コックリさんをした次の日、お前何か変なこと言ってたよな。」  捲し立てるように、弘がする話を聞きながら悟はここ数日の不思議な現象の根源が4人で行ったコックリさんにあることを確証はないものの確

          超常現象研究会 活動記録 コックリさん伍

          超常現象研究会 活動記録 コックリさん肆

          not Aflac 作 肆.  悟が部室に入ってきた時、沙織と弘の二人がノートパソコンを神妙な面持ちで覗き込んでいた。二人は悟が部室に来たことさえ気づかないほど真剣だ。何を見ているのか気になり悟が弘の肩に手を置くと、びくりと弘が肩を震わす。そんなに驚くこともないだろうと思いながらも何を見ているのかと確認してみたところ超常現象研究会のページについている掲示板である。  二人して何を真剣に見ているのかと聞くと、二人は連なった数個の投稿を指さした。  文字化けしたハンドルネ

          超常現象研究会 活動記録 コックリさん肆

          超常現象研究会 活動記録 コックリさん参

          not Aflac 作 参.  悟は一人家路についていた。その間誰かに見られているような視線を感じるのだが周りに人などいない。先日のコックリさんからどうもおかしいのだ。瞳の存在は少なからず我らが超常現象研究会の中から消えているらしい。なぜ自分だけが覚えているのかは不明だ。  薄暗い路地を歩きながら悟は考察することしかできなかった。視線の正体など所詮は妄想なのだろう。超常現象研究会の部長でありながら悟はオカルトに対して懐疑的なのだ。妄想だからといって怖くないわけではないの

          超常現象研究会 活動記録 コックリさん参

          落武者

          落武者:あのー。。。 男:・・・ 落武者:あのー 男:・・・ 落武者:ごめんください・・・ 男:あーー!!もうっ!うっさいな!! 男:って・・・ 男:ぎゃーーー!!おばけ!! 0:べちゃっと音を立てて落ちて割れる卵 0:卵をふむ落武者 落武者:ぎゃーーー!! 落武者:何をするでござるかっ!踏んでしまったでござる 男:あーーー!!タマゴ・・・俺の・・・卵・・・ 男:今週最後の卵なんだぞ!どうしてくれるんだよ・・・ 男:この卵を楽しみに今日の仕事頑張っ

          【脚本】下着泥棒の秘密

          not Aflac 作 部屋には見知らぬ男性が正座している。 香織:え?君、誰?カナの彼氏? 男:あ・・・いえ・・・僕は・・・ 香織:なんか歯切れわるいなー、なんで正座してんの? 男:それは・・・その・・・僕・・・ 香織:あーもうっシャキッとしなさい!! 風呂から上がったカナが缶ビールを両手に持ちリビングに入ってくる カナ:香織さん、子供は寝たの?なら、飲もうよ 香織:ありがとう!ところで、この子誰? カナ:あ・・・忘れてた・・・こいつ、下着 被せるよう

          【脚本】下着泥棒の秘密

          超常現象研究会 活動記録 コックリさん貳

          not Aflac 作 貳.  わずか三分にも満たない映像を悟は幾度となく再生しては巻き戻してと繰り返していた。昨日体験したはずの映像には記憶とは全く違う記録が残されていたのである。  記憶と記録の相違点。それは、映像に映し出されている人間、それから起こった出来事。核となる質問をしたことさえ全てが全く別のもへと書き換えられたようだった。  映像に映っていたのは、悟、弘、それから沙織の三人だけである。コックリさんを始めたものの動かない十円玉。そして、やっぱり何も起こりは

          超常現象研究会 活動記録 コックリさん貳

          【脚本】AIのアイ

          notAflac 作 AI:マスター、本日の天気は曇り時々晴れ。最高気温は27度でございます。 マスター:ありがとう。今日は何をしようかな? AI:本日の予定は・・・ AI:特になりもありません。今月何も予定が入っておりません。あなたはさびしいお人ですね。 マスター:寂しい人とかいうなよ。 AI:え?私は虚偽の内容をお伝えしましたか? マスター:いや、それは・・・ AI:でしたら、謝ってください。 マスター:は?なんで謝らなきゃならないんだよ。 AI:私傷

          【脚本】AIのアイ

          超常現象研究会 活動記録 コックリさん 壱

          not Aflac 作 壱.   すべての始まりは些細な好奇心だけだった。  超常現象研究会のメンバー四人はその日古来より伝わる日本の降霊術を実践していた。普通ならばそれは小学生のお遊びのような些細なもの。彼らもまた遊び半分の気持ちだったのだろう。  部屋には一台のビデオカメラが据えられ、鳥居を挟むように書かれた「はい」と「いいえ」。「あ」から「ん」までの五十音に0から9まで書かれたその紙の上に十円玉が一枚。四人の人差し指は硬貨の上に置かれていた。 「こっくりさん、

          超常現象研究会 活動記録 コックリさん 壱

          想ひ出

          notAflac 作 シクシク、シクシクと声にならない声を押し殺しながら少女は部屋の隅に小さくうずくまってしまっていました。 隣の部屋では啜り泣く母の声。ガタリとビンの倒れる音がする。そして、ドンっとダイニングテーブルを叩く音が響いていた。  「どうして・・・」  すすり泣く母の声に重なるように少女はぽつりと声に出します。 どうしてなのだろう、少女が母に話しかけても無視されてしまう。父親に向かって話しかけても同じ。もう私はいない方がいいのかもしれない。 そんなことを思うと部

          【脚本】LAST CHRISTMAS

          notAflac 作 この季節が来るといつも思い出す。 女:ねー、今年はさどこか外で過ごそうよ 男:ん? 女:もう、クリスマスだよ。ク・リ・ス・マ・ス 男:あークリスマスねー そんな風にとぼけながらも僕は今年のクリスマス、ちょっとしたサプライズを準備していた。 大好きな君に決してにバレてはいけないというスリルで胸が張り裂けそうになりながら君と話す。 女:もー今年も仕事だなんて言わないよね 男:今のところは・・・休みになってはいるんだけれどね 女:去年もそう

          【脚本】LAST CHRISTMAS