(注:本稿は、2024年に初投稿したものの再録です。)
いつも利用している図書館の新着本の棚で目についたので手に取ってみました。
ブルーバックスの新刊でこの手のタイトルだと、かなり気になります。
よくありがちなテーマですが、メジャーな遺跡や建造物を取り上げているので解説もイメージしやすいですね。
紹介されている数々のネタの中から、特に私の関心を惹いたところをいくつか覚えとして書き留めておきます。
まずは、第3章で述べられている「エジプトとギリシャの違い」。
一言でいえば “技術者と科学者の違い” ということですが、この指摘は、なるほどと首肯できますね。
もうひとつ、こちらは私たちにも身近な話題です。
「土器」の位置づけについて解説されたくだり。
「セラミックス」は、現在社会を支える半導体の素材です。
今につながる発明が古代アジアの土器を源としているというのは興味深い指摘ですね。
さて、本書を読んで最も印象に残ったフレーズを最後に紹介します。
「コスパ(コスト・パフォーマンス)」はともかく「タイパ(タイム・パフォーマンス)」なる珍妙?な言葉が世に流布していますが、正直、その浅薄さには閉口しています。
“旧式の人間” 故なのでしょうが、なるほど、「あとがき」に記されたこの志村忠夫さんの指摘には、完全に納得です。