親密な手紙 (大江 健三郎)
(注:本稿は、2024年に初投稿したものの再録です。)
いつも利用している図書館の新着本リストで目につきました。
大江健三郎さんに関わる本は、以前「同じ年に生まれて-音楽、文学が僕らをつくった」という小沢征爾さんとの対談集ぐらいしか読んだことはないと思います。
本書は、小冊子「図書」連載のコラムを収録したものとのことで、第一印象では読みやすそうな印象をもったので手に取ってみました。
数々の興味深いエピソードや大江さんらしい思索の紹介がありましたが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをひとつ書き留めておきましょう。
「人間を慰めることこそ」と題された小文から。大江さんの義父にあたる伊丹万作さんのエッセイからの引用です。
まさに、知識人たる伊丹万作氏の面目躍如の指摘ですね。
さて、本書を読んでの率直な感想です。
大江さんの作品とはいえ、小冊子に連絡されたエッセイ、コラムを採録したものとのことで少々気楽に構えていたのですが、読み進めていくにつれ私の手には全く負えなくなってきました。
大江さんと交友関係にある方々の話題については当然私の予備知識は皆無ですし、処々に登場する御子息の光さんに係るエピソードも、その背景としてある大江さんの心情まで思いを巡らすこともできずで、かなりの消化不良で終わったという情けない結果でした。
さて、私にとっては手強い大江作品、次は何にチャレンジしましょうか・・・。