呼吸で心を整える (倉橋 竜哉)
(注:本稿は、2016年に初投稿したものの再録です)
もう一冊、レビュープラス(当時)というブックレビューサイトから献本していただいたので読んでみました。
この本も、こういうきっかけでもないと手に取ることはなかったでしょう。自分の興味・関心から言えば守備範囲外のジャンルですから。
さて、このHow To本で著者が紹介する「呼吸法」は以下の5種類。
この中では、“前向きな「ため息」” というフレーズが気に入りました。
よくある啓発書では、「ため息」はネガティブな後ろ向きの動作で「よくないもの」の典型と言われています。
しかしながら、ただ、「ため息なんかつくな」といって更にストレスを倍加させるぐらいなら、積極的な「ため息(大きな吐息)」で意識をリフレッシュさせることができるのであれば、大いに活用するべきでしょう。
そういう “ノリ” で著者の薦める呼吸法を辿っていくと、下手なビジネス書よりも現実のシーンで結構使えるように思います。
ビジネス書が役に立たない最大の要因は、その内容もさることながら、そこでのアドバイスを「継続して実行することができない」という点にあります。その観点で言えば、本書で紹介されている呼吸法は、ともかく “手軽” なので、ちょっとやってみようという気になりますからね。
そして、本書を読んで印象に残った点をもう一つ。
本書で初めて知ったコンセプト、「マインドフルネス」です。
これはGoogleやintelが取り入れた “ストレス対処法” ということでちょっと話題になっているそうです。
この「マインドフルネス」とは “心が「今ここ」にある状態” をいうのですが、この状態を作り出す方法のひとつが「自分の呼吸を感じること」なのだと著者は言います。
この「幸せを感じる能力」は呼吸に意識を向けることで鍛えることができるというのが著者の主張です。
「幸せだと感じる能力」というのは、面白い着眼ですね。
どういう境遇であってもこの「能力」がないと「幸せ」と感じない、同じ境遇であっても、ある人は「幸せ」を感じ、ある人は「不幸」だと思う・・・。
中村天風氏の有名な名言に「人生は心ひとつの置きどころ」という言葉がありました。
(注:今(2023年)の時代、「呼吸」は “鬼滅の刃” で注目ですね)