ダライ・ラマに恋して (たかの てるこ)
(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)
たかのてるこさんの本は、以前「ガンジス河でバタフライ」を読んだことがあるのですが、彼女のその無謀ともいえる行動力に圧倒された覚えがあります。
先日、いつも聞いているpodcast番組のゲストでたかのさんが登場していたのをきっかけに、久しぶりに彼女の本を手に取ってみました。
本書は15年近く前の著作なのですが、感じる熱量は変わりませんね。
今回のチャレンジは、「ダライ・ラマに会う」というたかのさんの夢を実現するプロジェクトです。
その最終目標に至るまで、たかのさんのチベット地方の旅は続きます。
訪れる土地土地での現地の人びととの触れ合いの様子がたかのさんの著作の読みどころのひとつですが、本書でのエピソードは前作等で紹介されていたようなスリリングなものは全く登場してきません。
チベット西端、インドのラダック地方に滞在したときのたかのさんが抱いた感想です。
さて、今回のたかのさんの旅のクライマックス、本書の最終章に綴られているダライ・ラマ師との面会でのやり取りは、とても印象的でした。
その対話の中からひとつだけ書き留めておきましょう。
「『生きる目的』とは何か」というたかのさんの問いに対して、ダライ・ラマ師は「深い意味は分かりません」と答えた後、こう続けました。
確かに魅力的な方ですね。
今度は私もダライ・ラマ師について一から勉強しなくてはならないようです。