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#微艶小説
【微艶小説】肌の相性
肌の質感が変わってきた。
しっとりと吸い付くようで、そしてモチモチとしている。
あの男がもたらすものでこんなにも変わるのか、、。
自分で肌を撫でていても心地が良い。
そして、否が応でもあの男の愛撫を想起してしまう。
あの男の肌もまた、吸い付くような感がある。
それは元からなのか、私との睦みがあってそうなったのか、もう知る由もない。
指先は多くの情報を拾うが、
原始的な感覚には遠い気がする。
【微艶小説】記憶のかけら
私のことを見つけたあの子は
誰なんだろう
誰が仕組んだ悪戯なのか
運命の糸はつるつると
あの子と私を出逢わせて
私はあの子に発見された
お互いに忘れてしまっているだろう
けれど、きっと、
私のどこかに残されたsignを
あの子はちゃんと読み取った
私のことを見つけたあの子は
誰なんだろう
時間が経つにつれ
私もsignを感じる様になった
胸の奥の大釜を
ゆっくりとかき回されるような
【微艶小説】好きが溢れます
好きが溢れます
好きが溢れます
今にも飛び立ちそうな心に
恥ずかしさを覚えます
そこここに気配を感じます
そこここに手触りを感じます
こんなにも幸福の極みへと
私を導く
咲き誇る薔薇の香りに
息が詰まってしまいそう
記憶の中に
大切に仕舞ってある
あの温もりを
今夜も取り出して
私はもう
ひとりではない
【微艶小説】ゾッとする
渋滞のバスに揺られながら
うとうとと薄く目をつぶる。
なんとも言えない湿気の多い朝で
珍しく空はどんよりとくもっている。
普段はない湿度に、
昔の記憶が肌に蘇る
このまま目を開けたら
そこはあのカウンターなんじゃないか?
テレビはついているか?
客は来ていないか?
振り返り、客がやって来ていないことを確認して、ふたたびまどろむ。
あの頃ももちろん楽しかった。
けれど、今はここがいいんだ
【微艶小説】蛇を飼う。
ふと、自分の中に蛇を飼っているな、と思った。
とあるLIVE配信を眺めていて、私の中がうずくのを感じた。
一夜明け、その”うずき”がなんであったか、、輪郭を持つ。
嗜虐…。
私は、その対象を弄び、だんだんと弱らせて私の足元にうずくまらせたい欲求を抱いたようだった。
*
普段は蛇を飼っていることなどお首にも出さない。
和顔を崩さず、誰をも優しく受け入れるていだ。
当の私だって、そんな
【号外・微艶】Kindle作家になりました
参加している中野美紀子さんのオンラインサロンでKindle出版のレクチャーを見掛けてから、
ふとした思いつきでKindle出版しよう!と思い立ち、23時間後にこちらを出版しました。
ふと思いついた8月29日11am…
…からの、23時間後。
Kindle読み放題の人はタダで読んで頂けます。
買うと¥127。素数にこだわりました(謎
Kindle『微艶小説集』はこちら
美紀子さんがご自身
【微艶小説】わからなくなる
薄暗い寝床でふっと目が覚める
途端に隣の男の名前が分からなくなる
黒い物体としてそこに横たわる男の名前はなんだったか・・・?
黒いシルエットに目を凝らす
平和な寝息に聞き耳を立てる
不思議な感覚だ
覚醒している時、その黒い物体は確かに愛すべき男であるはずなのに
こうして予期しない時の狭間では
それはただのうざったい黒い塊だ
『落ち着こう』
自分に言い聞かせる
落ち着いて思い出せば、
多分
【微艶小説】どちらがお好みかしら?
情事の後の、ホテルを出る為のメイクと
情事に向かう、家を出る為のメイクと
どちらがエロティックかしら?
なんとなく、出掛ける用意の(情事には向かわない)アイブロウを真剣に描いている時にふと思い浮かんだフレーズだった
そんなのは結局気分の話だし、
そんなことに気を向ける人は私くらいか
…そこらのゴシップよりくだらない
それより重要なのは、
眉のラインの黄金比率を把握してるかってこと
何故なら
【微艶小説】体の相性
帰宅時の、疲れた人の流れ
駅から吐き出される人波に流されながら
見るとなしに男の後ろ姿を眺める
今日ならどんな気分だろう?
夢想する
ただ、家にいる男を選択肢にするなんて詰まんないじゃない
どうせ夢想するなら、大胆な方法にしよう
今日なら、白い肌が手のひらにしっとりと吸い付くような細身の男がいい
腰骨が張っていて、そこに手を滑らせればきっと気持ちよさそうにするだろう
家にいる男ならどうだ