【微艶小説】体の相性
帰宅時の、疲れた人の流れ
駅から吐き出される人波に流されながら
見るとなしに男の後ろ姿を眺める
今日ならどんな気分だろう?
夢想する
ただ、家にいる男を選択肢にするなんて詰まんないじゃない
どうせ夢想するなら、大胆な方法にしよう
今日なら、白い肌が手のひらにしっとりと吸い付くような細身の男がいい
腰骨が張っていて、そこに手を滑らせればきっと気持ちよさそうにするだろう
家にいる男ならどうだ?
たっぷりと張った腹も嫌いじゃない
だが…今日はそんな気分じゃないんだ
自転車で行き過ぎる男
かなり体格がいい
あんな男ならどうだ?
いや、今日はあんな巨漢を相手にするのには疲れているの
枯れ木のように細くて
腰骨がキッと張り出た肌の綺麗な男がいい
まるで自分を抱いてるようで心地いいじゃないか
喜びの循環^^