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ナッジは共感、応援を呼び、社会課題の解決に繋がる
先日、(本業の)職場のコピー機の設定を変更したんです。カラーコピー代も馬鹿にならなくて。
旧)デフォルト設定が「カラー」
新)デフォルト設定が「白黒」
単純にこれだけなんですけど、これって結構大事なんですよね。デフォルト設定のまま、白黒でOKのものをカラーでコピーしちゃう(本人に悪気はないのが救えない)。これを、デフォルト設定を白黒に変えるだけで、あら不思議、御社のコピー代が半額になるかもよ。これがデフォルトナッジ。
2017年にノーベル経済学賞を授賞されたリチャード・セイラ―先生のナッジ理論のひとつです。私たち人間は、全然合理的じゃなくて、案外、惰性とか慣性で生きてるんですよね。
社会にいいこと、ナッジ
ナッジは英語で、ツンツンする。デフォルトナッジだけじゃなくて、男子トイレで便器に的を書いて※×〇?#…ってやつもナッジ。ツンツンする=さりげなくいいことを促すのが、ナッジです。
ビジネスの世界でもだいぶこの考え方が使われるようになってきたけど、最近だとコロナ→手指の消毒対応が有名ですよね。とにかく、さりげな~くその人を幸せに導いたり、さりげな~く社会的にいいことに繋がったりするのがナッジの考え方です。
ナッジの闇・暗黒面のスラッジ
光ある限り、闇もまたある、わしにはみえるのだ(By ゾーマ)
やっぱりあるんですね、ナッジにも闇が。その名も「スラッジ」。ナッジのさりげなさを悪用して、企業の私利私欲のために人々の幸せに繋がらない行動をさせる。フォースの暗黒面みたいだね、これ。
勝手に定期購入、解約複雑 ダークパターン消費者混乱(2023/10/16 東奥日報)
「洗顔フォームを『お試し』のつもりで購入したのに、なぜか2回目が届いた」、「2023年版の消費者白書によると、定期購入に関する消費生活相談は22年に7万5478件で過去最多だった」。
これ、デフォルトナッジを悪用したスラッジの典型例ですね。「定期購入」にあらかじめチェックが入っているというやつです。「人の感覚的、直感的な判断を悪用するものだ」とあるものの「法規制は必要だが、実効性に限界がある」とも。
「購入前に一呼吸置いて考えることで自衛につながる」。そうか、結局、慎重に選択するしかないのか...
ナッジは共感、応援を呼び、社会課題の解決に繋がる
短期的には売上UPするんだろうけれど、企業への不信感は募るばかり。スラッジは結局、企業の中長期的な成長には繋がらない。
翻って、ナッジのいいところは、たとえそれが誘導されていたとしても、共感できるし、応援したくなる、それってつまり「社会課題を解決している」、そこなんだろうな。
企業はナッジをうまく使って、皆の共感、応援を呼び、社会課題を解決しよう。それこそがビジネスのあり方だ。マーケティング5.0だ。ナッジの暗黒面(スラッジ)に落ちてはいかん。ナッジと共にあらんことを!(もはや意味不明)。そんなことを想って、スマホを閉じました。おしまい。
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