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雪とともに 如月の短歌
3月になりました。
2月を振り返ると、まるでジェットコースターのようなひと月でした。気温の上下に連動して心身の状態も浮いたり沈んだり。
コートがいらない気温や雨に、このまま大した雪も降らずに春を迎えるのかと思っていたところへ、まとまった降雪。
そして土が見えてきたころにまた雪が降る、といった具合に1月よりも冬らしい景色が広がっていました。
いくつか短歌も投稿しましたが、他にもタイミングを逃してお蔵入りになりそうなものがあるので、ここで2月の歌としてまとめて投稿します。
11.
春待ちて 眠れる森の 白樺に
そっと手を当て 感じる息吹
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いつもの森で、お気に入りの白樺(しーさんと命名)にあいさつをして手を触れさせてもらいました。瞬間、眩暈がしました。
樹々は、春になるまでただじっと眠っているだけかと思っていましたが、そのときはっきりと、「生きるもの」の力を感じました。
この後、森へ行くたびに(いちおう人目を気にしながら)話しかけたり、手を当てて力をいただいたりしています。ふしぎなことに、そういう日は必ずと言っていいほど帰ったあと眠くなります。
12.
雪分けて 春を告げんと 黄なる花
天にほほえみ 福を寿ぐ
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早春、まっさきに咲く花、福寿草。
色の乏しい景色のなかこの黄色い姿をみつけると、寒かろうが雪が降ろうが、春が近づいているのだとわくわくします。
福寿草が花開くたび、世の中に福があふれますように。
13.
薄雲の たなびく仙丈 白の峰
急ぎ消えゆく 如月の雨に
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この日は雪が降ったばかり
住まいのバルコニーから毎日ながめる景色に、南アルプスがあります。
その中でも仙丈ヶ岳(標高3,033m)がお気に入りで、毎朝まず仙丈を見て、その日の天気や空気の澄み具合を確認するのが日課になっています。
ただでさえ雪が少ないことしの仙丈、さらに雨まで降ってしまったらどんどん解けてしまう・・・と残念に思っていましたが、その後また雪がふり、写真のような眺めになりました。
しろがねの峰々は、まだしばらく優美な姿をみせてくれそうです。
啓蟄も近づいていますが、天気予報をみる限りまだタートルと冬コートが手放せない日が続きそうです。
みなさんもどうぞ、暖かくしてお過ごしくださいね。
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