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好きなのは、まろやかに響く『大和言葉』

きょうは、国語の日。

前々から気にはなっていたけれど、和歌を作るようになっていよいよ本格的に知りたくなった大和言葉。


やまとことば


それだけ聞くと、
なんだか古典の授業で出てきそうな、よくわからない昔のことば?
と思いそうですが、そんなことはありません。

たとえば、

やま(山)、かわ(川)、つち(土)、うみ(海)、そら(空)

これらは全て大和言葉です。
なにか気付いたことはありませんか?

そう、どれも訓読みですね。




最近読んでいる本、
高橋こうじ著「心に染み入る日本の美しい大和言葉」
によると、日本語は大きく分けて3つの種類があるそうです。

ひとつめは、漢語
これは、中国語から取り入れたことば。

山脈、河川、土地、海洋、天空
漢語は二文字以上で表記されるものが多く、おん読みです。

ふたつめは、外来語
中国以外から来たことばで、多くはカタカナ表記。
比較的新しいことばですね。

チャレンジ、スタート、ゴール、など。

そして3つめが、大和言葉
漢語が入ってくる前、むか~しむかしからある日本固有のことばで、漢字の読みでいえばくん読み


☆☆


たとえば、

「故郷」は

漢語読みは、こきょう
大和言葉は、ふるさと

同じ漢字を読んでいるのに、響きはまったく異なります。

こきょうは、すっきり鋭い響き
ふるさとは、まるく優しい響き

という印象を受けるのは、わたしだけでしょうか?


そういえば、「ふるさと」「早春賦」「朧月夜」「浜辺の歌」などの唱歌は、なぜだかとても懐かしい気持ちになります。意味もよくわからないのに胸に迫るのは、遠いむかしご先祖さまが創った大和言葉のちからかもしれません。


古今和歌集 仮名序
やまとうたは ひとのこころを たねとして


ほかにも、大和言葉をいくつか挙げてみましょう。

  • こよなく

  • 恐れ入ります

  • お心置きなく

  • お身体をお厭いください

  • まさしく

  • あまつさえ

  • 概ね

  • あらまし

  • いましがた

  • お手すきのときに

  • 心を寄せる

  • 馴れ初め

  • 逢瀬

  • 手を携える

  • とりもつ

  • 折り合う

意外と、
あれ?普段使ってるよ! という言葉がありませんか。

☆☆

それにしても、こうして並べてみると大和言葉は”ひらがな”がよく似合います。

これは好みの問題ですが、
わたし、漢字が苦手なんです。
読むのも書くのも、ひらがなの方が心地よくて。


そんなことを思いながら、手元にある50音のひらがなをじいっと見ていたら・・・あることに気付きました!


ひらがなは曲線が多い!


対して、漢字は直線と角が目につきます。
(ハライのある漢字は好きなんですが)

「見た目」と「音」は連動するものなんでしょうか?
不思議です。


☆☆☆

万葉の春


さいごに、好きな大和言葉の紹介を。


誰そ彼と われをな問いそ 九月ながつき
露にぬれつつ 君待つわれを

万葉集10巻 2240 柿本人麻呂

訳:
そこに居るのは誰?と、私に聞かないでください。
九月の露に濡れながらあなたを待っている、私のことを。

かれ

夕どき、薄暗くて向こうからくる人が誰かわからない。
そんな心象を、そのまま時を表すことばとして使うようになった言葉です。

誰そ彼 → たそがれ(黄昏)




意外と身近にある大和言葉、
なんだかちょっと文章が硬いかも?と思ったときには、そっと入れてみると印象が変わるかもしれませんね。

まろやかに響く、大和言葉がすき。
わたしも、どんどん使っていこう。

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