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見えない此処にあるものと時の密度

ママの顔を見ずに6日経った。
ちゃんとご飯食べてるだろうか、寒がってないだろうか、淋しがってないだろうか、怖がってないだろうか…



これでは本当に親子逆転である。
前回、去年ショートステイで車で送られてきた時は車を降りた瞬間、怖かったと泣いて数日、兎に角泣いた。




前回のレスパイトで迎えに行くと、ベッドに腰掛けてこの世の終わりみたいな空気を漂わせ、床を見ていた。



部屋に入った私に気づかずテーブルをこんこんと叩いて帰るよ、と言うとこちらを見ると途端、にこーっと笑って嬉しそうに立ち上がり、その辺に有るものをポケットに入れた。




病院のテレビリモコンまで。



そして其所にいて、見ていた看護師さんたちに
じゃ、私行くわね!
と言って回った。



なんと言うか生まれながらの末っ子気質、甘えてこの世を渡って来たんだろうと羨ましくもあった。
私にそうさせなかったママに、怨み節すらないが宿命的にそこに何かが見えた気がした。



私は今のうちと気が急いてあちこち家具を動かしたり、物を捨てるのに結構な腕力と脚力を労していて、全身筋肉痛という割に合わない話になりつつある。



それでも帰るとにゃん太郎は相変わらず愛おしいし、植物たちは変化を見せてくれる。自分ひとりの食事はささっと終わって帰宅してからこんなにゆっくり出来たんだ、と時間の密度の差に驚く。



不在時に好きなことを、ゆっくりしていっぱい寝て、と思っていたのに貧乏性か今のうちにこれだけは…がto be continued 
エンドレスで溢れて来る。



ここに無くてもいいよね、此処じゃなくてもいいねが有りすぎて視界がうるさかったけど、捨てなくとも(捨てたいが)ここじゃなくていいを退けたり動かしたら、まず窓がでかくなった。



部屋のレイアウトも変えたし、カーテンからマットからママの隠してあったものも全部洗った。隙間に押し込んであった、本人のいう片付けたものを取り出して、隙間が広がった。




捨てたくないものは捨てなくていい、そんなこと言ってるから片付つかないと言われても、捨てて後悔でなくサヨナラ言えるようになってきた。



ママのものは特に、これでも慎重。
旧く今は使わないもの、をすべて捨ててたら、古文書なんてこの国に一つもないのではないかと思う。



ママがそれと過ごした時間とか取って置いた気持ちが私には見えない。すぐ買えるものはいいとして、時間の厚みを纏うものはやはり、勝手には捨てられない。



どんだけ古いんだ…
親子程年の離れた兄弟もいるため入手経路不明
左ケネディ右レース編み


ケネディの本は初版の文字
総て英文
ママが読んだか不明

これまたシミといい表紙もレトロな地図


衝撃的だった平均気温
名古屋の平均気温8月が26℃!!!
ちなみに発行年月日に昭和49年と書いてあった

こういう歴史のような時間の経てここにあるものに私は弱い。古いだけでなく残り続けた理由にも弱い。




これらは
捨てずに買えるもので不要なものから、体積を減らす予定でいる。



ママにも私の知らない歴史があり、時間の流れがある。そして残り続けた何かは見えなくとも、此処に有るとどうしても感じ夜だった。









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これからも人の心に何かが灯る記事の為と猫のために大切に使わせて頂きます(*´▽`*)