鎌を使う
草を刈る、管理するのは、
地方では必須。
ただ、私は電動の草刈機を
どうしても好きになれず、
結局、メルカリで売り飛ばしました。
もう7年以上は草刈鎌という刃物を
使っています。
ただ鎌は思いのほか、使うと良い面があります。
実際に程よい運動になり、
刃物なので、時々研ぐ。
石で研ぐと、
不思議と気持ちも引き締まる。
包丁と同じく、うまく使うことで
色々と良い面が出てきます。
鎌は使い慣れるまでは時間はかかりましたが、体は楽です。
研いだ鎌は、
よく切れる包丁で
料理しているかのように、
スムーズに切れる。
音も静かで快適です。
鎌は初期費用の合計で3000円近く
かかっただけで、
いまだに現役です。
電動のようなガソリン、オイル代、
メンテナンス、その他故障、修理などの費用はかかりません。
電動だと音がうるさく、
また振動もある。
以前、睡眠の質が悪いことがあって、
鎌に切り替えてから、随分と夜は眠れるようになりました。
原因は不快だったからです。
変な疲れが溜まる。
電動草刈機は、
振動、音、
石に当たった時の
キーンという感触と音、
長いツル系の草が
絡んでエンジンが止まる,
起動のエンジンが
かからない時、紐を引っ張った時の空回り、
燃料が少し手についた時、
思い出す限りですが、
不快感の多いものでした。
使えば疲れるもの、
といってもいいくらい。
だから、草刈り=重労働、
嫌なもの、と考えている人が
多いように思う。
早く便利なようで、
結局疲れる。眠りも悪ければ、翌日にも影響する。
鎌だと、変に疲れることなく、
力まずにすれば、
結構な広範囲も意外に
楽にできます。
もちろん、鎌を使いこなすには
コツや慣れは必要です。
体全体をうまく使えば
疲れにくい。
呼吸も思いのほか、大切で
良い呼吸ができれば、
さらに楽にできる。
慣れるまでは、確かに疲れた。
ただ、鎌を使い始めて慣れてくると、
完全に考え方が変わった。
どう使うと効率よくできるか、
また左右の手を使うようにすれば、
疲れにくく、バランスが
いいことに気が付く。
その他、料理の包丁のように、斜めに滑らせれば、力を入れない方が
よく切れる、など発見が多かった。
発見=学びであり、
だんだん面白くなるものです。
鎌で刺身包丁でも使っているか、
素振りをしているようにも
感じます。
剣道の素振りも
イメージに近い。
素振りで
柔軟な筋肉や体の軸を
支える力を
つけていくものです。
鎌をどう振り下ろすか、
どういう角度、切るための動きを
考えて鎌を使う。
つまり、草刈りではなく、
もはや武道かスポーツとも言える。
鍛錬、剣か鎖鎌でも
使う感じもする時もあります。
ただ、情けないことに、
鎌を使うだけで全身が筋肉痛になった。
今でも時々筋肉痛になる。
これはどういうことかというと、
使っていない筋肉を使っているから、
筋肉痛になる。
完全な運動不足と
いうわけです。
鎌を使えば、
運動不足を思い知れる。
運動できていたと
勘違いしていたと気がつく。
だからこそ、
今も鎌を使う。使っていない筋肉を
使う。ただ、筋肉トレーニングではない感じです。
草刈りもほぼ考えず、
何か書道でもしているような、不思議な
気持ちです。
また鎌は静かです。
虫や鳥の良い音が
聞こえるもので、とても快適です。
鎌の切れ味が悪ければ、
草を刈ることが
不快になる。
そのために、鎌を研ぐ。
普通は鎌は荒く、
おおざっぱな研ぎ方で十分だというのが
一般的です。
たださらに研げば、
もう力ではなく、
スッと軽く動かすだけで
草は切れる。
カミソリのように、
スパっと切れる。
仕上砥石まで使うと
明らかに切れ具合が変わる、
と知りました。
鎌を使うと、他の
刃物もよく研ぐことになった。
鎌を使えば、
鍛錬から刃物研ぎ、
そして刃物研ぎは
結構集中するので、
瞑想のようなこともできるわけです。
研ぐ石を使い始め、
あらたな世界が
広がったといってもいい。
電動草刈機では、
世界は広がらないと思う。
音がうるさすぎて、思考も瞑想ない。
異様な振動と音で体を傷ませる。
さて、鎌を使う、刃物を研ぐ、
さらに包丁を研ぐに繋がった。
包丁を研げば、
料理をしたくなります。
刃物と精神も研いでいる、
と言ってもいいかもしれません。
実は刃物を家で研ぐようになって、
ぬか床は毎日かき混ぜるようになり、
混ぜ忘れや失敗がない。
これは切れる刃物が
あるからこそです。
気持ちも引き締まる。
料理は職場でも
散々していたわけですが、
以前は家ではあまりしたいとは
思わかった。
それでも切れる包丁とは常に
一緒だったと思う。
きっかけは、市で直次郎さんを
見たのが原点です。
あれから何年も経って、
鎌を研ぐようになると、
懐かしくもなり、
直次郎さんの包丁を
つい再度入手してしまう。
何だか野菜作りや料理、
草の手入れなども
全て繋がってきたように感じました。
鋭い刃物、よく切れたら
心境が変わってくる。
今では切れ味の良さから、
えんぴつ削り用の刃物や日本剃刀も
研ぐようになってきました。
となると、たかが草刈り、といっても
鎌を使う。
それだけのきっかけで、
世界観が広がってきたといってもいいと思う。
今でも草刈りをするのは、苦痛ではなく、何か楽しめること。
エンジン音がないから、
まず騒音がない。
音の害がない。
良い音は薬だが、
悪い音、たとえば、
ガラスを引っ掻くような音は
毒となる。
程度の差こそあれ、電動のものは
多くが不快な音からきています。
秋の虫の声、スズムシやマツムシのきれいな音が聞こえるが、
こういった自然音であれば、
心身の治療もされる。
音楽療法の原点とも
言えそうです。
もちろん、ついでに
植物の観察もしてしまう。
植物の神秘でも感じたら、
さらに良い気分となる。
いい音、良い風、光、
切れる鎌、きっと伝わりにくいですが、
快適ことばかりの状態です。
自然の生き物の音、存在は、
とても快適です。
どうやら、生き物の音には
人が普段聞こえない
音域の音があるらしい。
思うのは、そういった
人には聞こえない音が、
実は聞こえているんじゃないだろうか、ってことです。
虫の音は耳からではない。頭の中、
あるいは、皮膚からも聞こえているような不思議な音です。きっと草の中に入れば、気づく人は結構いると思う。
皮膚呼吸と似ているかもしれない。
刃物研ぎの時は
外で研いでいますが、
深い音が聞こえているように感じます。
自然音をよく聞ける、
聴きながら動く。
これだけでも草刈り鎌を
使う価値は十分にある。
体を動かすから、
運動にもなる。
そもそも、運動不足であり、
運動しよう、なんていっても、
続かないわけです。
理由はつまらないからです。
ジムは空気悪そうだし、
トレーナーの指示に従いたくもない。
室内では
空気がきれいでない。
だったら外で何かする方が
いいわけです。
草を刈り取らないといけない、とは
考えずとも、心地よいから
自然と足が畑に向かう。
また体を動かせば、
汗をかく。 運動はもう
知らずのうちにできています。
汗をかく、ということも
結構大事だとも思う。
体の毒素や溜まった毒素は
汗で出るかもしれない。
実際に汗をかいて、
よく水を飲む。
また、シャワーで体を洗い流す回数は
最近は特に多い。
汗をかくことで、
必要な水分をとる。
水は摂り過ぎれば害であるが、
汗で失われた水分くらいは
水を飲むことになる。
汗が出る
水を飲む
また汗が出る
要は循環。
汗は体温を調整するために出るので、
体の機能が働いているとも言える。
血液の流れ/循環が結局大事だと、
以前にスターリンの話を
しましたが、
草刈り鎌を使えば、
実は知らない間に
血液の循環と、
水の循環もできることになる。
いい呼吸もきっと知らずのうちに
できている。
草刈り鎌で運動ができる、
良い呼吸もできる、酸素を吸っている、
刃物研ぎで瞑想の
ようなこともできる、
体の水の循環も
汗をかくことでできていた、
ということもわかってきました。
考えてみると、草刈り鎌で
もう完璧ですね。
何も考えずに農作業はするものですが、
時に振り返ると、
意外に良い面が見えてきます。
ただ、体を使ってする、
というのが最低の条件となります。
だから重機を使う農業とは
全くの別物です。
手作業は熱中症などに
気をつける必要は
あるのですが、
野草が生えている畑では、
不思議と暑さは少ない。
これは、アスファルトでないこと、
また草が生えていることで、直接地面に日光があたらないから、
とも言える。
アスファルトの道は、
結構暑いものです。
土の上、特に草が生えているか、
ということも
大事に思えてきます。
そのため、一般的な畑だだと
暑いかもしれません。
こうしていろいろと振り返ってみると、
自然農法のような、
野草も生かしながら、
ほどほどの規模で野菜を
適当に栽培するくらいがよさそうです。
ほどほどの大きさだと、
体を使っていろいろなことが
できる、ということです。
大きすぎる、広すぎると
苦しさが出るものです。
あまり考えることもなかったのですが、
畑や山にあるものを食べれば、
まさに旬です。
暑い夏なら、
体を冷やしてくれるものばかり。
オクラ、トマト、ナス、ウリなど、まさにそうです。
鎌を使えば、何も考えず、
良い音、きれいな空気、環境を求めて歩いて畑に向かう。
鎌は静かで何の邪魔もしない。
研ぐことで、気持ちも集中する。
虫の音が最高だ、といっても
ほとんどの人はきっとわからない。
ただ、考えないだけで、
圧倒的な快適さを
本能が求めているのか、
つい鎌を持って
畑に向かってしまいます。
鎌っていつからあるのか知らないけど、
たぶん、昔の人は鎌や虫の音の
快適さを知っていたと思う。
そして体も自然と鍛えられていて、
強く、百姓一揆を
起こしていたんだと思う。
鎖鎌はきっと草刈り鎌から
生まれたんだろうし、
農機具を武器にしてくる相手は
相当怖かったと思います。
有名でないだけで、
弁慶みたいなのがきっと
ゴロゴロいたんじゃないだろうか。
太鼓の林英哲さんが本の中で
子供の教育を田舎に移し、
農作業をさせると日本の将来は
きっとよくなる、
なんて余談で
述べられていましたが、
結構そうかもしれません。
何せ、体を使うことが多く、
虫の声も聞くわけです。
自然を早い段階で見て育てば、
性格は良くなり、
鎌などの農機具も使えば、
きっと体も強くなるような気がします。
太鼓って技術よりも
足腰、また精神面での
大切さがあるそうです。
そういった力は
きっと様々な筋肉を
普段から使うことから
鍛えられると思う。
快適に体全体を使う、そのためには
鎌、あるいは草むしりなどがちょうどいい、って思います。
程よい薬草や山、畑で
旬のものが揃う。
暑い時期に合う野菜から、
冬に備えて用意できる薬草茶なども
たくさんあります。
そういったことを考える機会は、
鎌などを使って、手作業、
手料理などしている時多い。
こうして振り返ると、
鎌はとても良いことがわかります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?