「今」を生きるためのコツ
わたしは、「今」を生きる感覚が掴めてから人生の質が大きく変わったと感じています。
「今」を生きるというのは言葉で聞くと簡単そうですが、実際に実行するのはとても難しい印象があります。
少なくともわたしにとっては長い間とても難しいことでした。
では、そもそもなぜ「今」を生きることがそんなに大切なのでしょう。
まず、「今」にいないというのがどんな状況かを考えてみると、
・過去に起きたことについて考えている
・まだ起きていない未来について考えている
・いまこの瞬間に五感でとらえることのできない世界(物事)に意識が向いている
の3つに絞られるのかなと思います。
ここで重要なことは「過去や未来について考えること」自体は特に問題がないということです。
では何が問題なのかと言うと、
「過去や未来についてネガティブな形でとらわれること」と言えると思います。
例えば、
「なんであんなことをやってしまったんだろう」(過去)
「あの人に言われたあの言葉が頭から離れない」(過去)
「うまくいかなかったらどうしよう」(未来)
「先が見えなくて不安だらけ」(未来)
こんなフレーズが頭の中に流れることは、誰にでもあることなのではないかなと思います。
そして重要なのはここからです。
実は、これらのフレーズがそのまま頭の中をぐるぐると回っている時、意識は過去や未来に飛んでいて、ネガティブな感情もぐるぐると回り続けるため次第にエネルギーが奪われ思考停止に陥っていくのですが、
「では、“今”それに対して何ができるのか?」と“考える素材”として扱うことができると、意識は「今」に戻ってくることができ、先ほど例に挙げたフレーズは「より良い未来をつくるための素材」として機能し始めるのです。
これはわたしにとってとても大きな発見でした。
そしてさらに重要なのが、
最初の反応の段階で出てきた感情にフタをしてはいけない、ということです。
フタをしないと言っても、出てきた感情をそのまま人にぶつけるという意味ではなく、自分で自分の感情を否定しないということです。
例えば過去に起きたことを思い出しながらイラッとしたら「イラッとしたらダメだ」と思わず、「あーわたしイラッとしてるわー」と認めます。
同様に、不安も悲しみも心配も、見て見ぬフリをしたり、無理やりポジティブに切り替えようとせず、その感情があることを認めます。
これをやらないと、頭は切り替わっても、心がついていかないからです。
心が置いてけぼりになると必ずどこかでしわ寄せがくるので、このプロセスはとても重要です。
ここが苦手な方は、いわゆる「マインドフルネス」の練習をするのがオススメです。ジャッジをせずただ「あるものはある」と認め眺めることができるようになるための訓練です。
こうして、頭の中をぐるぐると思考が回り続けている段階から、感情をきちんと認めるというプロセスを経て、頭の中を回り続けていたフレーズを「より良い未来をつくる素材」にすることで「今」に戻ってくることができる、というわけです。
そして「今」に戻ってくると、望む未来に向かって進んでいくための選択を「今」選び取ることができるようになるのです。
「今」を生きる。
それこそ耳にタコができるほど聞いた言葉ですが、この短い言葉の中に人生の極意があるからこそ、多くの人がここに言及するんだよなぁとしみじみ思います。
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