マガジンのカバー画像

272
自分の作った詞になります
運営しているクリエイター

2023年10月の記事一覧

【詞】比喩じゃない

【詞】比喩じゃない

その僅かに比喩じゃない波打ち際で僕たちは
何を語って、何を感じて、
海に見とれていたのだろう
幸せというのは確かなもので
これからだってそう

夕日の幕が下りるその波打ち際で僕たちは
何かを語って、何かを感じて、
海をながめていたのだろう
水平線に霞むくらい羽ばたく鳥も
これからだってそう

伝えたいことは、脈絡は、
ずっとずっと比喩の中で
気付いてほしい 気付いてほしくない 
果たしてどっちなの

もっとみる

【詞】"一人"がテーマ

一人はいやだ
そこで寂しい空気の塵を掴もうとした
一人はいやだ
自由なはずの空に嘆いた 空に嘆いた

海の上 浮かぶ月
錆びた言葉 錆びた侭ゆれた
轟音の夜 目にした光は
鯨の様に過ぎていった

飾らない感情を ぎこちない喜びを
帰り道の川の流れのような寂しさから
目が覚めたら ここは楽園だよ
存分に遊びなよ 夢心地の青の中

思い出の繭を破った僕は面影と踊る
事柄の到達点は光に満ち溢れていた

もっとみる

【詞】"秋"をテーマ

目が覚めたらいつもと変わらない日々が流れ出す
光をこねる草木と
とぼとぼ髪を靡かせた僕の
生活が歌い出す
波間のように上下に沿う山並みも
ずっとその侭だ

昨日の入道雲とすれ違った
さっぱりした空模様
動物みたいな雲も見られる
僕は無気力にも歩く
ぎこちない喜びも手にしながら
空気の踊るような
ギターの音が響く街を歩けば

継ぎ接ぎな言葉でも
僕は思い入れと秋を歌う
この季節の温もりのために
火を

もっとみる
【詞】空想

【詞】空想

本当に思っていることはあえて言わなくていいよ
知らないことの一つや二つ、あってもいいから
眠れない方角に石を飛ばしてわすれてしまおう
砂漠みたいに朽ち果てた僕だけの頭の中

獣みたいな声が唸る夜、
宛ての無い暗闇を
蠟燭だけで突き抜ける為の知恵を捻り出している
"そこには何も無い"
でも宛ての無い暗闇を
突っ立っているだけの理由はいくらもある

夢の中の自由さで
喧噪の真ん中に光が浮かべば、
怖い

もっとみる

【詞】イマジナリー

靴も無く どこか行きたそう
猫の気持ちで見上げた朝は
優しい心 優しい命を込めた
ちいさな夜月、夜月

自分の外でそよぐ言葉の最先端
目指して歩く 閑静な街
君のこともわすれていないよ
きっと遠くどこかで見ていて

目覚めはいい 何も怖くない
服を重ね着したら 暖かい
水色の空 何も浮かばない
それは何だか自然体

“どうか今日も晴れていますよう”
羽ばたく鳥の空に祈る
鬱蒼とした夜を超えたら

もっとみる
【詞】猫を見る / 波止場-2

【詞】猫を見る / 波止場-2

猫を見る

波止場-2

詩集 "りんかく" から
詞を2篇投稿しました。

"波止場"は2と付いていますが
こちらは1もあります。

最近投稿した詞はこちらから!