ノイノイノイズ

右記作家及び哲学者の影響大→笠井潔(矢吹駆シリーズ)、麻耶雄嵩、山口雅也(生ける屍の死…

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右記作家及び哲学者の影響大→笠井潔(矢吹駆シリーズ)、麻耶雄嵩、山口雅也(生ける屍の死&キッドピストルズ)、殊能将之(合掌……)、ジョイス、ボルヘス(要するに柳瀬尚紀先生ね)、プラトン(中~後期)、スピノザ、ライプニッツ、ニーチェ(そこ! 厨二とか言わない!)

マガジン

  • 長編異世界ファンタジー『三重に偉大な議長の優雅な生活』

    会議に出席したり音楽奏でたり財宝盗んだり…… 一国のトップに君臨する評議会議長が主人公の、異世界ドタバタ政治ファンタジー小説です。ワールド・ネバーランド2が大好きで、評議会の部分はその影響を強く受けています。

  • 中編ミステリ『脳髄の檻に眠るのは誰』全10話

    創作大賞2023ミステリー小説部門にエントリーした拙作『脳髄の檻に眠るのは誰』全10話のリンク集です。 4万字強の中編です。 山口雅也先生の「解決ドミノ倒し」(『ミステリーズ』所収)に着想を得ています。 【あらすじ】  女子高生五人の仲良しグループ〈五人組〉。その一人、摩耶(まや)が殺害された。舞台は被害者の家。折しも残りの四人、引っ込み思案な詩歩(しほ)、ボーイッシュな衿来(えりく)、マスコット的存在の朔楽(さくら)、少々キツめな性格の橘華(きっか)が泊まりに来ていた夜の出来事だった。  翌朝、報せを受けた逆神(さかがみ)警部補は捜査を開始。被疑者はたったの四名。事件はあっさり解決したかに見えたが、五人組の一人、詩歩に異変が生じて……。  探偵曰く、「どうぞお見知り置きを」  犯人曰く、「俺が殺したのさ」  探偵の正体も、犯人の真意も、被害者の真相も、凡てはここに眠っている。

  • ノイノイノイズ制作楽曲YouTubeリンク

    制作した楽曲のうち、YouTubeにアップロードした分をまとめてます。 BGMに最適! かもしれない。

  • ノイノイノイズ制作アルバムbandcampリンク

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『三重に偉大な議長の優雅な生活』第0話

序章 三重に偉大な議長0 会議の前の静けさ 「ギチョー!」  議長。  それが俺の第一の肩書だ。  だが面倒だ。議長というのは基本的に面倒臭い。  しかも退屈ときてやがる。退屈という文字は、この日を言い表すために作られたといっても過言ではない。あらゆる職務を放棄して逃げ出したい衝動に駆られつつ、結局どうすることもできないこの苛立ち。毎度ながらの板挟み状態。  こんなときは、真紅のディーゴと無心に戯れ現実を忘れるに限る。 「なあディーゴ」 「ギチョー! ギチョー!」 「そ

    • 青空文庫より中島敦「鏡花氏の文章」

      「文字禍」を再読したくなり、読書尚友アプリにて中島敦の著作一覧を眺めていたところ、「鏡花氏の文章」なる表題を発見、これはと思い読み始める。 天才は天才を識る。 〈日本人に生れながら、あるいは日本語を解しながら、鏡花の作品を読まないのは、折角の日本人たる特権を抛棄しているようなものだ。ということである〉 〈鏡花氏こそは、まことに言葉の魔術師。感情装飾の幻術者。「芥子粒を林檎のごとく見すという欺罔《けれん》の器」と「波羅葦僧《はらいそ》の空をも覗く、伸び縮む奇なる眼鏡」とを

      • 谷崎潤一郎「人魚の嘆き」

        青空文庫にて読了。 短編。 前に読んだ「続蘿洞先生」との壮絶なギャップに悶絶するも、どちらがパブリックイメージに沿っているかとなると、やはり耽美趣味全開の本作であろう。 語りかけるようなですます調は、敢えて読者との距離感を与えて読み物たることを強調する一方、お伽話としての幻想味を際立たせている。 多用される難読漢字もなんのその、確かにこの文体は癖になるわ。 乱歩や横溝が心酔したのも頷ける。 題名もあらすじも儚き悲恋と悲劇的な末路を連想させるが、一筋の光明が差すラス

        • 『三重に偉大な議長の優雅な生活』第5話

          第2章 音楽史上屈指の天才楽師、その日常 1 安息日  数日来の娑婆の空気は最高そのもの。  空の青を緩やかに喰む日輪も、輝けるこの前途を祝福するかのようじゃないか。  相棒の竪琴を二の腕に乗せ、日中の街なかを漫ろ歩く。何気ない日常のありがたみ。  宮廷からは随分距離があるが、そこは首都の敷地内のことだ、多くの店舗が安息日だというのにせっせと商売に勤しんでいた。商人たちの呼び声がひっきりなしに飛び交い、軒先に置かれた惣菜や食料からは香ばしい匂いが立ち上り、服飾品や児童向け

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        『三重に偉大な議長の優雅な生活』第0話

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        • 長編異世界ファンタジー『三重に偉大な議長の優雅な生活』
          6本
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          10本
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          16本

        記事

          安永航一郎『陸軍中野予備校』全6巻

          我が青春の安永航一郎先生、代表作といえば県立地球防衛軍、巨乳ハンター辺りだろうか。 自分的には断然定吉七番のキャラデザと本作なのだが、最後までは読んでなかったので後半は初読み。 大雑と玉金の名の由来も今回初めて知った。 終盤はネタ切れ感が半端ないが、基本ギャグ漫画だし続けようと思えば続けられたはずで、あまり連載に拘りないのかなあと。 程よいお色気シーンもあって、打ち切りになるとは思えない面白さなのよ。 3巻128ページの丁稚に扮するバゾクの件は定吉どんのセルフパロデ

          安永航一郎『陸軍中野予備校』全6巻

          内山俊彦「董仲舒における歴史意識の問題」pdfと、中島立博「プラトン『ポリティコス』におけるパラデイグマ」pdf読了。前者は董仲舒の歴史観「循環論」と「尚古思想」について。後者は題名通り「パラデイグマ」について。「パラデイグマ」の適切な訳語に〈例示〉を提案していて興味深い。

          内山俊彦「董仲舒における歴史意識の問題」pdfと、中島立博「プラトン『ポリティコス』におけるパラデイグマ」pdf読了。前者は董仲舒の歴史観「循環論」と「尚古思想」について。後者は題名通り「パラデイグマ」について。「パラデイグマ」の適切な訳語に〈例示〉を提案していて興味深い。

          『三重に偉大な議長の優雅な生活』第4話

          4 姫君と第一秘書と(承前) 「そうそう、午後の舞踏会には当然参加していただけるのよね、ライア?」 「舞踏会? いつの午後ですかそれ」 「今日に決まってるじゃない」  聞いてないぞそんな話。チェリオーネだって一言も言ってなかったはず。口は悪いがあの有能な秘書官が、午後の予定表をただの一つとて取り零すはずはない。  とすると、俺が単に聞き流しただけか。 「〈島〉の羊肉料理もたくさん取り揃えてあるそうよ。今からお腹を空かせておきましょうっと」  大広間を貸し切って行われる

          『三重に偉大な議長の優雅な生活』第4話

          応募完了メールが届いてた。大丈夫そうだ。

          応募完了メールが届いてた。大丈夫そうだ。

          第130回文學界新人賞に応募完了。あまり締切ギリギリまで粘るのは精神衛生上よくないので。誤字脱字チェックさえ怠らなければ。原稿応募フォームからの送信はとても楽だが、シンプルな完了画面の表示に、ちゃんと応募できたのか不安になる。

          第130回文學界新人賞に応募完了。あまり締切ギリギリまで粘るのは精神衛生上よくないので。誤字脱字チェックさえ怠らなければ。原稿応募フォームからの送信はとても楽だが、シンプルな完了画面の表示に、ちゃんと応募できたのか不安になる。

          『三重に偉大な議長の優雅な生活』第3話

          3 姫君と第一秘書と 「〈慈雨と光彩の大賢人〉の話、あなたご存知?」  神官連中に対する愚痴を一通り言い尽くしたところで、マリミ姫は唐突に新たな話題を振ってきた。 「いや、知りませんな」  春の草花咲き誇る、美しい中庭に面した南北に延びる渡り廊下の一角。  先刻より見知った顔が数人後ろを通りかかったが、声をかけてくる者は誰もいない。並んで腰を下ろす様は、傍から見たら愛を語らう一組の男女といったところか。  背筋が怖気立った。  俺は気取られぬよう腰を浮かし、相手の座っ

          『三重に偉大な議長の優雅な生活』第3話

          『三重に偉大な議長の優雅な生活』第2話

          2 〈円卓の間〉にて(承前)  これ以上ずるずると議論していても埒が明かない。持てる限りの力を注ぎ込み、適当に片づけてやる。 「お互いの言い分はよーく判った。けどな、今ここで結論を下すのは性急だと思う。第一、具体的な税率を定めるには、どうしたって時間がなさすぎる。予算案も然り。増税云々の決着後でなければ固めようがない」  しばし間を置く。後の言葉をより効果的なものにするためだ。刹那の沈黙に、森閑と静まり返る〈円卓の間〉。  それにしても。  常々思っているのだが、なんな

          『三重に偉大な議長の優雅な生活』第2話

          『三重に偉大な議長の優雅な生活』第1話

          第1章 三重に偉大な議長の来年度予算審議1 〈円卓の間〉にて 「異議あり!」  挙げていないほうの手で円卓の縁を平手打ちし、外務大臣ジールセンは一際声を張り上げた。会議場たる広大な〈円卓の間〉に、朗々たる大音声が響き渡る。 「財務大臣の言い分は小児のそれに等しい。国家予算を捻出できないからといってそう簡単に税率を上げていては、国民が黙っておりませんぞ」  対する財務大臣ギャンカルは特徴的なそのギョロリとした両の眼を大いにひん剥いて、 「ほな、ほかにどうせいっちゅうん

          『三重に偉大な議長の優雅な生活』第1話

          文學界新人賞応募原稿の目処が立ったので創作大賞に向けて何か書こうと思ったら、もう締め切りとっくに過ぎてるじゃん!! まあいい、賞レース関係なく何か書くか。

          文學界新人賞応募原稿の目処が立ったので創作大賞に向けて何か書こうと思ったら、もう締め切りとっくに過ぎてるじゃん!! まあいい、賞レース関係なく何か書くか。

          最近全然曲アップしてなかったので

          【1年5ヶ月ぶり】ノイノイノイズ「DICA ACID」【新曲でございます】制作:Ableton Live 11 Spotifyでかかった謎のAcid曲に触発されて、急遽曲作り開始。 前作が半年ぶりのアップロードで、そこから更に1年5ヶ月ぶりとなる新曲でございます。 1日で曲作り~レコーディング~マスタリング~動画作成までやってのけました。 あんまりアシッドじゃないなこれ…… 【一週間ぶり】ノイノイノイズ「UUPP!!」【新曲というかアップするのを忘れてた曲】制作:Ablet

          最近全然曲アップしてなかったので

          泉鏡花「高野聖」

          青空文庫。 幻想文学の名短編と誉れ高い本作ながら、いつでも読めるのが仇となってなかなか手をつけられずにいたところ、先に読んだ諸作、特に「日本橋」が存外に面白かったので、ならばこれもと読み始めた次第。 固より長編と短編、聖俗二極たる花柳界と幻想譚の違いを考慮しても、スラスラと流れるようでいて読点多めの特徴的文体は自家薬籠中の物。 蛭の雨に降られる恐怖や神秘とエロスの交錯する行水、親仁や白痴の若者がもたらす滑稽さと、どのシーンも表現の巧みさで格調高くなる。 柔らかな語り口

          泉鏡花「高野聖」

          ラリイ・ニーヴン『リングワールド』

          初ラリイ・ニーヴン。 1970年作。 訳者あとがきには、「すでに〈既知空域〉シリーズは完結した」という1975年時点での擱筆宣言が引用されているものの、この後も長編三作が書かれ2004年まで続くことになる長寿シリーズ一作目。 分類はスペースオペラだが、メインは主人公ルイス・ウー視点の冒険活劇であり登場人物は必要最小限、拓かれていく宇宙空間の描写を楽しめれば物語の長大さも気にならない。 キャッチーなアイドル役として導入された(と表面上思われた)ティーラ・ブラウンの意外な

          ラリイ・ニーヴン『リングワールド』