『三重に偉大な議長の優雅な生活』第26話
2 神官長
「珍しいこともあるもんだ」
例によって〈円卓の間〉の外でピートに話しかけられた。
「何が」
「天下の議長が、外務大臣のことであんなムキになるなんてさ」
「まあな。てか、そんなにおかしかったか?」
「嫌いな御仁がいないんだから、むしろ小躍りして喜ぶかと思いきや。あの反応には正直驚いたわ、なあフィオ」
「そうだね。他の皆も不思議がってたよ」
怒りが募るのも当然だ。ジールセンを難詰できる機会をふいにされたわけだからな。ただ、実際に証拠を挙げろと言われたら、俺