季節の食卓 | 万願寺唐辛子としらすのだしがら炒め
すでに夏も終わろうかという頃。関東もようやく涼しげな風が吹き始めて、秋の気配もそこかしこにわずかに感じられるようになりました。
店頭の野菜はすでに秋の色合い。なのにもかかわらず、先日またしても地元野菜の直売所で美味しそうな万願寺唐辛子を見つけてしまって、こんなおかずを作りました。
万願寺唐辛子をごま油で香ばしく焼いたところに、酒とみりんを加えてじゅわっと煮立たせ、醤油と砂糖で甘じょっぱく味付け。
いつもと少し違うのは、じゃこを切らしていたのでしらすを入れたし、乾物のかつおぶしの代わりに、出汁をとった後のだしがら(結局、もとはかつおぶし)を使ったこと。それでも旨味がたっぷりで、香ばしさも手伝い、とても美味しいおかずになりました。
レシピというほどでもないですが、また作れるように、以下覚え書きです。
万願寺唐辛子としらすのだしがら炒め
○材料
○作り方
1. 万願寺唐辛子はヘタを取って、食べやすい大きさの乱切りにする。
2. ごま油と1をあえ、強めの中火にかけて万願寺唐辛子に焼き色がつくまで焼く。水大さじ1(分量外)を振って蓋をして、弱火で1分蒸焼きする。
3. 再び火を強めて本みりんと酒を加えてからめ、香ばしい匂いがしてきたら、しらすとかつおぶし(今回はだしがら)をほぐし入れてきび糖と醤油で味付けする。
○コツ・ポイント
上の工程写真からもおわかりいただけるかと思いますが、今回私は少々慌てていて、みりんと酒を入れた後に一瞬のためらいがあり、うっかりいつもよりも火を強くしすぎました。
しかし、結果としては、これが怪我の功名。糖分を多く含んだみりんがいい具合に焦げ気味になり、なんとも香ばしい良いかおりが。そこへすかさず、砂糖と醤油、ついでにしらすとだしがらも加えて温度が下がり、肝心の万願寺唐辛子は良い塩梅のやわらかつやつやしっとり感に。
だしがらが水分を含んでいたので、汁加減もちょうど良く。
なにより万願寺唐辛子の味わいがしっかり引き立って、肉質もやわらかく、とてもおいしくできました。
○「だしがら」について
なお、今回使用している「だしがら」というのは、単にけずりぶしに熱湯を注いでしばらく置き、出汁的なものをとった残りです。
最近、朝食はこれで作ったお茶漬けを食べるというのがわが家のブーム。お茶漬けに合うおかずをたくさんそろえては、忙しい朝を乗り切っています(なにより、子どもがとてもしっかり朝ごはんを食べてくれます)。
この定期的にできる「だしがら」は万願寺唐辛子だけでなくピーマンにもよく合いますし、そのほかふりかけなど、その利用価値はすでに広く知られているところ。
一度使って二度美味しい、そんなかつおぶしの活躍と、ちょっと贅沢な気分にさせてくれる楚々としたしらすの存在。ひと皿のおかずに秘められたそんな小さなエピソードが、万願寺唐辛子を余計に美味しくしてくれた朝でした。
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