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発達障がいの子は苦手なことをサポートしてくれる方法を見つけることが大切
昨日ワーキングメモリについて書かせて頂きましたが、発達障がいのお子さんと言っても全く同じ子が居ないほどにみんなそれぞれ違います。ワーキングメモリの話1つにしても、それぞれみんな違います。色々な領域のパラメーターがあってそれぞれが関係し合っていますので全く同じ子は居ないんです。そこに環境的なものも加わるとさらに多種多様になってきます。同じ診断が出ていても全く異なる訳なんです。なので、
それぞれのお子さんに合ったサポートしてくれる方法を見つけることが最重要なのです
知っている方もいらっしゃるかもしれませんが、私はよく面談などで保護者の方に俳優のトムクルーズさんのお話しをさせて頂きます。
トムクルーズさんはディスレクシアという障がいをお持ちです。日本語で読字障がいと言います。発達障がいのお子さんの中でもディスレクシアと診断されるお子さんは少なくないです。
ディスレクシアとは、文字の形が歪んで見えたり形がいびつに見えるなどの症状があります。見え方についてご興味がある方がいらっしゃりましたら、ディスレクシアの方がどう見えているか体験出来るメガネなどもありますのでぜひ体験なさって見て下さい。
話しは戻りまして、俳優のトムクルーズさんはディスレクシアのため通常学級ではない学級に通われていました。日本の特別支援教室と違って外国では発達障がいなどの症状によって教室がもっと細分化されています。なので、日本の特別支援教室に通っているイメージとは少し違うかもしれません。
ディスレクシアのため文字を読むことが困難なトムクルーズさんですが、台本を覚えるために全てをテープレコーダーに録音しそれを聴き耳から台本を覚えていらっしゃります。あまり知られていませんが、今の華々しいご活躍の裏ではそのような努力を沢山なされていました。
このトムクルーズさんのお話しで言いますと、
サポートする方法はテープレコーダー
だった訳なんです。トムクルーズさんの俳優というお仕事とディスレクシアの特性だからこそテープレコーダーがうまくマッチングしたことになります。誰にでもテープレコーダーがうまくマッチングするとは限らないということです。
トムクルーズさんとテープレコーダーの関係のようにその子その子に合った何かを見つけることがいかに大切なことかをトムクルーズさんのご活躍が教えて下さっていらっしゃるように思います。もちろん私などには分からぬ並々ならぬ努力はそこにあったかと存じます。
昨日のメモ魔になろうというのもそうですが、その子に合った何かが見つかればそのことにより他の色々なことに繋がります。
例えば、聴覚過敏のお子さんがノイズキャンセラーのヘッドホンを使うようになるとします。建前としましては、
聴覚過敏のお子さんがノイズキャンセラーで音が聞こえにくくなって静かになった
ということになります。しかし、本当はこれだけではなく、
ノイズキャンセラーにより勉強に集中出来るようになって学力が上がった
ストレスが軽減されて心が穏やかになった
など色々なものと繋がっていてそれぞれが影響し合っています。対応はノイズキャンセラーという点であっても色々なことと繋がっていて効果は線にも面にもなり得るのです。
私も子どもたちや保護者の方や先生たちと日々その子に合った何かを模索しております。そのことが子どもたちの明るい未来に繋がると信じているからです。