ゆうきえみ

児童文学作家、文章添削士協会認定文章添削士、日本語教師、エッセイスト・・ ここでは、明眸社主催のエッセイの会に投稿したエッセイや短編小説を順次アップしていきたいと思っています。 ブログ「ないない島通信」もよかったら覗いてみてください。 どうぞよろしくおねがいします。

ゆうきえみ

児童文学作家、文章添削士協会認定文章添削士、日本語教師、エッセイスト・・ ここでは、明眸社主催のエッセイの会に投稿したエッセイや短編小説を順次アップしていきたいと思っています。 ブログ「ないない島通信」もよかったら覗いてみてください。 どうぞよろしくおねがいします。

最近の記事

神津島一泊旅行(後編)

神津島灯台、ありま展望台、多幸湾、そして帰路。 翌日もよく晴れた。 帰路も神津島空港発のドルニエ機である(午後3時15分発)。それまでの間、もう少し島内を周ってみたい。9時半過ぎにホテルの送迎車が「さるびあ丸」(竹芝桟橋から10時間かけて神津島に来る船)の客を迎えに神津港に行くというので同乗させてもらい、まっちゃーれセンターの観光協会にスーツケースを預ける。ついでにお勧めの観光スポットを聞いて、神津島灯台、ありま展望台、おたあジュリアの碑などを訪ねることにした。村営バスの

    • 神津島一泊旅行(前編)

      (これは2023年11月にエッセイの会に投稿したエッセイです)  神津島へ 神津島は東京の離島で、伊豆七島の中ほどに位置する。面積は18,48㎢、人口は1900人に満たない。火山島で島の中央には天上山(572m。火口跡のある溶岩ドーム)が聳えており、島の西側にある神津島村に人口の大半が集中する。生業は主に漁業と観光業という小さな島である。 今年の四月に調布飛行場を訪ねて以来、あの小型プロペラ機にどうしても乗りたいと思っていた。しかも、飛行場で手にいれた神津島のパンフレッ

      • シロナガスクジラとねずみ

          海のちかくにおおきな博物館がありました。 おおきな博物館のおおきな部屋には、おおきなシロナガスクジラがいました。けれども、このシロナガスクジラは骨ばかりでした。生きていたとき、あんまりおおきくて、あんまり力がつよくて、あんまりおもたかったので、骨になるまでまってからやっと博物館に入れることができたのです。博物館にやってくる子どもたちは、口をあんぐりとあけてシロナガスクジラをみあげました。 「なんておおきいんだろう」とみんなはいいました。 「生きてたときはさぞすごい

        • 三鷹・星と宇宙の日 2024

          (「ないない島通信」10月19日の記事より) 国立天文台三鷹キャンパスで「星と宇宙の日」というイベントがあったので、友人と行ってきました。 昼頃はとてもよく晴れていたのですが、午後になって雲が多くなり4時過ぎに雨が降ってきて、残念ながら天体観測はできなかったのですが、 三鷹キャンパスはとても広く、あちこちで様々なイベントがあって、まるで大学の学園祭のようで、すごく楽しかったです。 展示も多く、講演会や実験の数々、子ども向けのクイズやゲーム、分光器を作ったりといったエリアも

          「スター・ウォーズ」について

          (これは2021年5月にエッセイの会に投稿したエッセイです) 私が初めて「スター・ウォーズ」を見たのは仙台の映画館だった。28歳の夏だ。仙台に住む友人を訪ねた時のこと。「暑いし、映画でも見にいこうか」という友人たち数人と出かけていき見たのが「スター・ウォーズ/新たなる希望」だった。映画館を出たときは足元もおぼつかない状態で、こんな映画があったなんて! と私は激しい衝撃を受けたのだった。以来すっかり「スター・ウォーズ」の虜になってしまったのだが、友人たちの言葉はそんな私の頭に

          「スター・ウォーズ」について

          5 小さな魔女がやってきた話

          (ハロウィーンの季節なので、魔女のお話でも。ゆうきえみ作「蜜柑島周遊記」からの抜粋です) 5 小さな魔女がやってきた話  雨ふり山をおりて、海岸を北のほうへ歩いていくと、海へ突き出した岬が見えてきました。この岬が「蜜柑崎」と呼ばれている岬のようです。 岬の手前に生えているがっしりとしたブンタンの木がぼくに声をかけました。 「ダイダイの木からノロの話をききましたか?」 ぼくは「ええ」と答えました。ブンタンの木には、巨大なブンタンの実が重たげになっていました。 「この島では

          5 小さな魔女がやってきた話

          宇宙トークイベントに参加した

          (これは2024年2月3日に「ないない島通信」にアップした記事です) 私の住んでいる国分寺市は、糸川英夫教授が初めてペンシルロケットを成功させたことから、日本のロケット発祥の地、と呼ばれています。 小惑星にも「国分寺」と名付けちゃったりして、国分寺は宇宙的に有名な地名になっています。 というわけで、国分寺市ではよく宇宙関連のイベントが開催されます。 去年は、はやぶさ2が持ち帰った砂の展示をしたり、移動プラネタリウムの開催なんかもありました。 で、今回、国立天文台の阪本成一

          宇宙トークイベントに参加した

          「はやぶさ2」にまつわる不思議な偶然

          (これは2023年4月にエッセイの会に投稿したエッセイです。)                     前回「はやぶさ2」がリュウグウから採取して持ち帰った岩石のかけらについて書いたが、今回はそれにまつわるちょっと不思議な偶然について書きたいと思う。  リュウグウの岩石の展示について教えてくれたのは、英語のミートアップでたまたま私の向かいの席に座った男性だった。たまに見かけるが話したことはない。「今、国分寺でリュウグウの岩石を展示してますよ」というので、さっそく行ってみた

          「はやぶさ2」にまつわる不思議な偶然

          はやぶさ2

          (これは2023年3月にエッセイの会に投稿したエッセイです)  2月末のこと。小惑星探査機はやぶさ2がリュウグウから持ち帰った石のかけらが、ミーツ国分寺(国分寺駅に隣接したビル)のイベント会場で展示されている、というのでさっそく見に行った。 国分寺は1955年に糸川英夫博士がペンシルロケットの発射実験に成功した場所であり、日本の宇宙開発発祥の地といわれている。これまでも、宇宙開発についての講演会や様々なロケット展示など宇宙関連イベントがこの会場で行われてきた。 1955

          「はやぶさ2最強ミッションの真実」

          (これは2023年3月11日に「ないない島通信」にアップした記事です) 「本日、人類の手が、新しい小さな星に届きました」 これは「はやぶさ2最強ミッションの真実」津田雄一著(NHK出版新書)の「プロローグ」にある文章です。 はやぶさ2が小惑星リュウグウに到達し、リュウグウの岩石のかけらを地球に持ち帰る、という壮大なミッションを成功させた、JAXAのプロジェクトマネージャー津田雄一氏が書いた本です。 専門的な言葉が多く、最初は全部読めるかなあと思いながら読み始めたのです

          「はやぶさ2最強ミッションの真実」

          受動喫煙について考える(3)

          3 対策 現在、我家では空気清浄機を4台フル稼働している。 10年ほど前に購入したシャープ製の空気清浄機を皮切りに、小型の空気清浄2台(一台は居間、もう一台は寝室)、アンデス製の大型空気清浄機(これは新幹線でも使用しているという強力な空気清浄機で、機能性は高いものの音がやかましいので連続運転は難しい)。 60㎡の居室内で、寝室用の一台を除く3台が常に稼働している。汚染度が酷くなると、寝室のも居間に移動して稼働させている。それでも追い付かないほど空気が汚染されることが時にあ

          受動喫煙について考える(3)

          受動喫煙について考える(2)

          その2 現状 とはいえ、声高に「喫煙はやめましょう」「体によくないので禁煙しましょう」と言ってみたところで、喫煙者が簡単にタバコを止めるはずもない。 なぜなら、タバコには中毒性があるからだ。 アルコール中毒やギャンブル依存症のような「中毒」なのだから、よほどのことがない限り、本人から止めようという気にはならない。 よほどのこと、というのは命にかかわることで、そこまでいかないと気づかないのがタバコの恐ろしいところだ。 タバコはまた、たばこ病とも言われるCOPD(慢性閉塞性

          受動喫煙について考える(2)

          受動喫煙について考える(1)

          その1 経緯 近隣からの受動喫煙に悩まされるようになってすでに10年あまりが経つ。 最初のうちはさほど気にならなかったのだが、私自身の健康状態と年齢からくる心身の脆弱化が重なり、タバコの煙に対してより敏感になってきたようだ。 私が住んでいるのは東京の郊外にある団地、コンクリートの集合住宅である。家々の間隔は狭くミツバチの巣箱のようだ。 こんな集合住宅でタバコを吸われてはひとたまりもない。 しかも古い団地なので高齢化が進み、様々な問題を抱えている。ゴミ屋敷、騒音、孤独死

          受動喫煙について考える(1)

          「闇の脳科学/『完全な人間』をつくる」

          (これは2021年3月にエッセイの会に投稿したエッセイです) 今回は、前回の「注」で少し触れた『闇の脳科学/「完全な人間」をつくる』(ローン・フランク著 文芸春秋)という本を紹介したいと思う。これは、岡田斗司夫チャンネルというYouTube動画で紹介された本で、脳科学に関する興味深い話題を扱っていて、なおかつミステリー的な要素もあるという面白い本だ。著者のローン・フランクはデンマークを代表するサイエンス・ジャーナリスト。自ら鬱病を患い、幼少期から人間とは何かという疑問を抱き

          「闇の脳科学/『完全な人間』をつくる」

          NLPについて(2)

          (これは2021年2月にエッセイの会に投稿したエッセイです)  前回NLPの紹介と「アンカーリング」について説明した。  今回はNLPが「なぜ効果的なのか」についてと「サブモダリティ」について書いていきたいと思う。 NLPというのは、人間の無意識に働きかけて、自分ではどうすることもできないと思い込んでいたことを改善させる方法である、ということを前回書いたが、永井さんによるとNLPは「脳の取り扱い説明書」なのだという。つまり、無意識を司っている脳を有効に働かせるための方法

          NLPについて(2)

          NLPについて(1)

          (これは2021年1月にエッセイの会に投稿したエッセイです)  4年前の冬、「かさこ塾」というフリーランスの人のためのセミナーに参加した。その時に出会った永井道子さんはヒプノセラピーのセラピストである。彼女のセラピーを一度受けたことがあり、公開カウンセリングにも参加した。当時、私は通信教育でカウンセラーの資格を取得したばかりだったので、ヒプノセラピーにも関心があったからだ。その永井さんと、最近また再会した。永井さんはNLP講座を始めたという。  NLPは私も関心がありネッ

          NLPについて(1)