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#ショートショート
『どこにでもある鍵屋...UNLOCK』 .03.1
開かなくなったもの、なんでも開けます。 by 鍵屋
一番初めはこちらから。
このお話は、こちらの続きです。
第三話『ドラマツルギーの表舞台』
店先の石畳の上で、確かに狭くなっていく空を晏理は見つめていた。不気味に笑う雲が、二羽のカラスを吸い込んでいくところが目に映った。
(晴れるといいけどな......。)
openの看板をかけ、店の扉を開けて中に入ると、入れ替わるようにサキが中から出てく
『春霞』 part.3
フィクションです。
『春霞』、『春霞』part.2の続編となっております。
キッチンタイマーが90分にセットされた。
「さて。90分ほど時間がありますが。何をしましょうか。」
時を刻み始めたそのタイマーはこの木の香り漂うダイニングに、唯一そぐわないのデジタルなものと言っても過言ではなかった。
「90分後に何かあるのですか?」
私は単純に気になったことを聞いた。
「90分後には健介をこちらの世界
『春霞』Part.2
『春霞』のつづきとなっております。
短編小説です。
「おはようございます。」
昨晩は、意識がまどろんでいる状態で眠りについたらしく、起きたときに状況を理解するのに多少の時間がかかった。カーテンから漏れる光を見て、体をなんとか起こし、寝室らしき部屋を出るとダイニングテーブルに拓哉さんと見知らぬ青年が座っていた。体型は細身でいて、その乱れた髪と服装のイメージから、高身長と認識するのはもう少し後にな
『花火と夜のあつい夏』
短編小説です。
「花火見に行きませんか?」
「花火...苦手なんですよね。音が。」
「音ですか?」
「ええ。あの、空気を裂いた音がそのまま胸に突き刺さる感じが...苦手です。」
「なるほど。では、手持ち花火はどうです。浴衣を着て、そこの河原で、二人で。」
「...それなら。少しなら。」
「決まりですね。」
「浴衣お似合いですね。きれいです。」
「ありがとうございます。久々に浴衣なんて着ましたよ