読書|向坂くじら「犬ではないと言われた犬」
単行本:216ページ
読了までにかかった時間:120分
詩人であり、国語教室代表を務める作者による言葉にまつわるエッセイ。
小学生向けの国語の文章題を取り上げて、解答を選択肢から選ぶことの難しさあるいはナンセンスさを嘆いていたり、詩なのか詩ではないのかの線引きに思い悩んだり、自問自答を続けながら「言葉」についての考えを綴っている。
言葉という繊細な生き物を使い作品を生み出すことを生業とする詩人が、「言葉」についてどう考えどう向き合っているのかを垣間見ることができる作品。
読み進めながら自分自身が使っている言葉がすべて間違っているような気がしてきて、こうやってnoteに駄文を書いている自分が恥ずかしくてたまらなくなってくるけれども、そんな凡人にも言葉の面白さを気づかせてくれるし、プロの詩人でさえこれだけ悩みながら言葉を使っているのだからど素人の一般人はさもありなんと開き直りの勇気をくれる。
面白そうで、難しそうで、苦しそうで、やっぱり面白そうな詩の世界。私自身とても疎くて学校で触れた作品以外には、茨木のり子さんや最果タヒさんなど有名な方々の詩集しか読んだことがなかったけれど、ちょっと詩の世界をのぞいてみたいと思った。
で、割と大きな本屋へ行ってみたけれど、詩のコーナーがほんとうに小さくてびっくり。棚2段分のスペースしかなかった。何ででしょう。俳句や短歌よりも極端にスペースが小さいのは、やはり敷居の高さみたいなものがあるのでしょうか。次本屋へ行く時はあらかじめ気になる詩人の名前を把握した上で各作家さんのコーナーから探し出すのが良さそうです。
向坂くじら「犬ではないと言われた犬」
百万年書房 2024年7月11日発売
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