
本として面白いだけでない、書くことも学べた。『ショートケーキを許す 森岡督行著』
本・読書好きのはしです。
本日、ご紹介するのは森岡督行著『ショートケーキを許す』
読んでいて一番に感じたのは、「好きなものとのエピソードを書いて本になるなんて羨ましい」って、気持ちでした。
読み終わって1カ月くらい経ち、じわじわと気づいたのは、「この本は書く本質だ」ってこと。
私の手元には、森岡督行さんの著書がもう1冊あります。
『銀座で一番小さな書店』
ショートケーキの本からちょっと話はそれますが。
森岡さんの書店は銀座で1冊だけの本を売る、他には類のない書店です。
もともとは神保町の古書店から独立して、自分の店を構える。
古書店として今後の生き方を考えたときに、新しい挑戦をしようと考えたそうです。
そうした中で、原爆投下された町で立ち上がった書店への思いから、
「1冊の本を売る書店」という新たな試みがうまれていきました。
森岡さんはたくさんの出会いがあるようにも思えました。
本、写真、建物、そして様々な場面やタイミングでの人。
決して順調にはいかず、物件の問題やコロナ禍の問題などにもぶつかります。
ショートケーキの本に戻りますが、この本はコロナ禍で、外出自粛が続く中で持ち上がった企画だったそう。
県外にもいくことが出来ない状況。
それを特に逆手にとったようには書かれていないのですが。
この本の背景には、ショートケーキが日本で誕生して100年という節目、お店ごとに違うショートケーキについて詳しく探るのは、コロナ禍で県外へ出ることが出来ないので東京都内のお店に的を絞ったそう。
森岡さんのお祝いや大切な場面には、ショートケーキがあり、それにまつわるエピソードがある。
こうしてみると、書くことの本質が詰まった本だなと感じました。
書くことに当てはめると、
森岡さんにとってショートケーキ:好きなこと・好きなものについて書く。
東京都内のお店:ターゲットは絞る。
ショートケーキのエピソード:自分だけの物語がある。
好きなことをとことん突き詰めると、
「こんな風に書くことができるんだ」って、うらやましい気持ちと少しの嫉妬の様な複雑な気持ち。
私の大好きは何だろう。
食べ物だと、芋けんぴかな。まだ書けないな。
やっぱり本なのかな。
『ショートケーキを許す』は、お店ごとに違うケーキの形、高さ、場所、ケーキを食べたときのエピソードの他にも、脚注に個性が宿っている。
脚注は必ず読んでほしい。
おまけ
ショートケーキの日があることも、その日である理由も知ることができますよ。
ぜひ、本を読んで確認してみてください。
いいなと思ったら応援しよう!
