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牛丼屋のテーブルに「タイパ重視の現代人へ」と書かれた広告がある。店内では、昭和の古い歌が「出会いはスローモーションに」と繰り返している。時刻は22時。言葉にされない、誰かの人生の断片が静かに流れていく。
最近、人と会うことが楽しいと感じる。かつては、一人でじっくりと絵を描くのが好きだったし、今でもそれは変わらない。ただ、今はまだ行ったことのない場所で、知らない人と面白いことを共有する、その感覚に心が躍る。 ♪ 「面白い」とは一体何だろう?人それぞれに違う考えがあるはずなのに、なぜか共感し合える。その謎が、いつも僕を引きつける。 8月にファッションショーを開いた後、観客たちの感想はみんな違っていた。母の感想もその一つだった。「結婚式のスピーチを思い出したわ」と言った。
昨日は一人で高尾山にのぼった。もくもくと上り、もくもくと下山した。足がぱんぱんになった。かつて一緒にのぼった友人たちの顔をふと今文章を書きながら思い出した。昔山を登ることは開放的な気持ちがした。しかし今、そのような気持ちとは違った。日常に冒険があるのかもしれない。予想外の出来事を迎えるために、僕は自然と本屋に向かった。
昨日買った本 「天地明察」冲方丁 「ファウスト」ゲーテ 「七月に流れる花/八月は冷たい城」恩田陸 さっそく「七月に流れる花/八月は冷たい城」を読み終えた。 高尾山に登った足、身体中から疲労感が生まれている。 ただ、本がすらすらと進んでいく。 森の奥の城で、隔離された亡くなる寸前の患者の親と、その子どもたちが最後再開する。 そこでは、「みどりおとこ」という感染症から免疫をもち、生き延びた存在がキーになっていた。 コロナを暗示していたとも言えるのかな。 好きな作家で