マガジンのカバー画像

Service Design Magazine

70
サービスデザイン・新規事業開発領域で働く方に向けて、NEWhメンバーが日頃の業務で得た気づき・発見・学びをお届けします。
運営しているクリエイター

記事一覧

3つのステップ!プロセス・ジャーニーでつくる新事業を推進する仕組み

なぜ、新事業で仕組み作りが重要なのか?前回は新事業を「誰と創るか」というステークホルダー視点の重要性についてお伝えしました。新事業開発において、エンドユーザーだけを見つめすぎると、サービスを支えるステークホルダーとの協力関係が構築できず、事業が頓挫してしまうケースが少なくありません。 この課題に対して、プロセス・ジャーニーという手法を活用することで、エンドユーザーへの価値提供と、それを実現するステークホルダーの業務フローを同時に設計できることをご紹介しました。特に構想段階か

道具の開発と普及〜なぜいまなのか?なぜ我々なのか?〜世界初の高精度な時計「マリン・クロノメーター」の事例を通じて

こんにちは、NEWhの真行寺です。今回は、私の趣味である「時間に関わる道具の歴史」を通じてサービスデザインを考えるシリーズの第二弾です。前回の記事では、人類初のカレンダーを取り上げ、人々の営みと道具が密接に結びついていることを紹介し、サービスデザインにおいて製品やサービスをエコロジーとして捉える重要性についてお話ししました。本記事では、世界初の高精度時計「マリン・クロノメーター」にまつわる話題を中心に、製品やサービスの開発における「Why Now?」(なぜ今なのか)と「Why

課題探しの旅:イシューマップを使ってインタビュースクリプト作成を極める方法

こんにちは、NEWhの真行寺です。 今回は、イシューマップからインタビュースクリプトを書く方法を紹介しようと思います。 前回、生成AIで顧客課題の仮説を出し、インタビューによって検証するプロセスを紹介させていただきました。そのステップの中の「3. インタビューによる仮説検証」という項目で、イシューマップをインタビューで検証するといったことを記載しました。今回の記事では、その方法を詳しく紹介するイメージで読んでもらえると理解しやすいかもです。 イシューマップとは何か? イシ

デザイン・コンセプトとはなにか?

大企業の新規事業開発を支援する、NEWhのサービスデザインチームのマネージャーをしている今村です。 ここではクライアントとの“共創”によって得られた事業開発に関する知見やノウハウをお伝えしています。 今回は、“デザイン・コンセプト”について深掘りをしていきたいと思います。 コンセプトとはなにか? 以前、noteで“コンセプトとは何か?”について書いてみたことがあります。 そこでも、“デザイン・コンセプト”について触れましたが、今回はより掘り下げてお伝えしていきます。

「なぜこの順番で画面に情報を積むのか?」をUXの観点で説明するフレーム|ユーザーシナリオのフロー化

みなさんこんにちは、北村です。NEWhのサービスデザイナーをしています。 デジタルの体験設計をするとき、UXデザインをやっている方は、アクティビティシナリオを書いて、ユーザージャーニーを作って、ユーザーストーリーマッピングをして…という手順で「体験」から「画面」に落として行くステップを踏んでいるかと思います。 みなさん、ユーザーストーリーをつくったあと、どんなふうに情報設計をしていますか? 自分で画面まで作っちゃうからデザイン作りながら考えてる!という人も「なぜこの順番で

“ユーザー体験の可視化”を4つのパターンで理解を深める

大企業の新規事業開発を支援する、NEWhのサービスデザインチームのマネージャーをしている今村です。 ここではクライアントとの“共創”によって得られた事業開発に関する知見やノウハウをお伝えしています。 今回取り上げるテーマは“体験の可視化”です。 体験の可視化のフレームワークとしては、カスタマー・ジャーニー・マップが有名ですが、他にもいくつか体験の可視化のパターンがあります。 検討スコープやその意図するところによって、適切なパターンを選択し、使い分けることが成果を最大化さ

NEWhのサービスデザイナーとしてやっていること

こんにちは、NEWhサービスデザイナーのわたなべです! 先日、サービスデザインに関するウェビナーに登壇する機会がありまして、改めて「サービスデザイナーとは?」ということを考える機会をいただくことがありました。イベントではNEWhのサービスデザイナーの役割や実際にやっていることなどをトピックに挙げておりましたが、30分という限られた時間では十分にお伝えしきれない部分も多くあったかなと思います。 NEWhに入社して半年が経とうとしている今、私なりの言葉でNEWhのサービスデザ

「もっと使いたい」と思う、継続顧客をつくる体験の仕組み|UXフライホイール

現代の新規事業開発において、ユーザー体験(UX)の重要性はますます高まっています。しかし、ただ良い体験を提供するだけでは、競争の激しい市場でユーザーを引きつけ続けることはできません。 いいサービスは「つかってみたくなること」は必須です。しかし、そこから「つかい続けたくなる」には、どのような体験を提供するべきなのでしょうか。 今回はつかい続けるための仕掛けとなる体験を設計する思想、「UXフライホイール」というフレームワークを紹介します。 継続顧客を作るためには「一度でも使

生成AIと人間で役割分担をしてインタビューを分析する

こんにちは。NEWhのフルカワです。 大企業における新規事業やサービス開発に特化したデザインコンサルティング&スタジオのNEWhで、サービスデザイナーとして多種多様な企業のサービスコンセプトやビジネスモデル開発のご支援をしています。 今回はチームでインタビューした後の分析における生成AIの活用方法についてお話します。 チームでインタビューをする際の課題と生成AIの活用顧客課題や提供価値の検証の際にチームでインタビューを実施することがあるかと思います。 その際にはインタビ

慣れない作業をAIと一緒した結果、一晩中語り明かすことになったお話

こんにちは。NEWhのフルカワです。 大企業における新規事業やサービス開発に特化したデザインコンサルティング&スタジオのNEWhで、サービスデザイナーとして多種多様な企業のサービスコンセプトやビジネスモデル開発のご支援をしています。 最近、私自身が慣れていない定量調査の分析作業をAIを利用して行ったのですが、想像以上の時間がかかり、最終的にはAIと一晩中語り明かす結果(=徹夜作業)になりました。 今回はその際の学び&反省を備忘録として記します。 クライアント案件に関わる内

本当に意味のあるペルソナを作る(2)ー価値型ペルソナの書き方

みなさんこんにちは、NEWhサービスデザイナーのキタムラです。 今回は、前回のnoteでご説明した「価値型ペルソナ」の具体的な書き方や作りかたに関して解説したいと思います。 価値型ペルソナとはー「使える」ペルソナ価値型ペルソナとは、サービスや商品を検討・開発する際に、その利用者の「価値観」を詳細に掘り下げて設定したペルソナのことです。 従来のペルソナが性別や年齢、職業といった表面的な属性を中心に描かれるのに対し、 価値型ペルソナでは、ユーザーが抱える悩みやサービス利用に至

本当に意味のあるペルソナを作る(1)ー|「価値型ペルソナ」の考え方

事業開発、マーケティング、戦略設計…サービスをつくる・運営するに当たって、さまざまなフェーズやシーンで活躍するツール、ペルソナ。 作った方がいいよね、と言われて作り、結果的に「でもこれなんのために作ったんだっけ?」「こんなに個人のことを掘り下げて考えて意味ってあるんだっけ」という悩みにあたったことのある方は少なくないのではないでしょうか。 今回の記事では、ペルソナを作る、ということを改めて考え直し、本当に意味のあるペルソナを作る必要性について紐解きたいと思います。 よくある

生成AIを活用した顧客課題の効率的な発見と検証プロセス

こんにちは、NEWhの真行寺です。 今回は、生成AIを活用した顧客課題の効率的な発見と検証プロセスを紹介しようと思います。 はじめに 顧客の課題を探るインタビューを行う上で、仮説形成は重要なステップです。顧客が本当に直面している課題やニーズを的確に把握し、解決策の提示に役立てるためには、事前に仮説を立て、それに基づいた質問を準備する必要があります。しかし、従来の方法では仮説形成に時間がかかり、既知の課題の収集にも手間がかかることが多いのが現実です。 ここで活用されるのが生

“デザイン思考”の限界を正しく理解する

大企業の新規事業開発を支援する、NEWhのサービスデザインチームのマネージャーをしている今村です。 ここではクライアントとの“共創”によって得られた事業開発に関する知見やノウハウをお伝えしています。 今回取り上げるテーマは“デザイン思考”です。 デザイン思考の効果・効能についてモヤモヤしている方に読んでいただきたいと思って書きました。 デザイン思考のアプローチが、何に適していて、何に適していないのか。 デザイン思考が生まれた背景を紐解きながら、その“限界”の解像度を上げて