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Service Design Magazine

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サービスデザイン・新規事業開発領域で働く方に向けて、NEWhメンバーが日頃の業務で得た気づき・発見・学びをお届けします。
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記事一覧

生成AIを活用した顧客課題の効率的な発見と検証プロセス

こんにちは、NEWhの真行寺です。 今回は、生成AIを活用した顧客課題の効率的な発見と検証プロセスを紹介しようと思います。 はじめに 顧客の課題を探るインタビューを行う上で、仮説形成は重要なステップです。顧客が本当に直面している課題やニーズを的確に把握し、解決策の提示に役立てるためには、事前に仮説を立て、それに基づいた質問を準備する必要があります。しかし、従来の方法では仮説形成に時間がかかり、既知の課題の収集にも手間がかかることが多いのが現実です。 ここで活用されるのが生

“デザイン思考”の限界を正しく理解する

大企業の新規事業開発を支援する、NEWhのサービスデザインチームのマネージャーをしている今村です。 ここではクライアントとの“共創”によって得られた事業開発に関する知見やノウハウをお伝えしています。 今回取り上げるテーマは“デザイン思考”です。 デザイン思考の効果・効能についてモヤモヤしている方に読んでいただきたいと思って書きました。 デザイン思考のアプローチが、何に適していて、何に適していないのか。 デザイン思考が生まれた背景を紐解きながら、その“限界”の解像度を上げて

新規事業を「誰と創るか」考える|事業構想段階で取り入れるべき「ステークホルダー視点」

こんにちは。渋谷(しぶたに)です。 このnoteでは、NEWhで活用したサービスデザインの思考法や手法を紹介しつつ、”サービスデザインの現場の声”をリアルタイムでお伝えしていきたいと思っています。読んでくださった方が少しでもNEWhのサービスデザインの思考法や手法に興味を持って頂けたら良いな…というお気持ちで書いていきます! はじめに 「顧客のために」を掲げて始まったサービス開発が、なぜか途中で頓挫してしまう。 サービスデザイナーとして、プロジェクトに関わってきた私がよ

「なぜ今、この提供価値であるべきなのか?」から世の中に受け入れられるのかを確認する

こんにちは。NEWhのフルカワです。 大企業における新規事業やサービス開発に特化したデザインコンサルティング&スタジオのNEWhで、サービスデザイナーとして多種多様な企業のサービスコンセプトやビジネスモデル開発のご支援をしています。 今回は、サービスの提供価値を検討した後に、「なぜ今、この提供価値であるべきなのか」を確認・検討する際の視点と問いについてのお話です。 一般的には「なぜ今、やるべきなのか?」と「なぜ、我々がやるべきなのか?」(=既存事業のシナジーや自社アセット

「インタビューは会話をするように」 サービスデザイナーがインタビューで意識していること

こんにちは。NEWhのフルカワです。 大企業における新規事業やサービス開発に特化したデザインコンサルティング&スタジオのNEWhで、サービスデザイナーとして多種多様な企業のサービスコンセプトやビジネスモデル開発のご支援をしています。 直近の私事ですが、プロジェクトで15名の対象者へのデプスインタビューを私1人で実施する機会があり、その中でインタビューの際に意識的・無意識にやっている個人の型があることに気づきました。 NEWhの他のサービスデザイナーでも同様に個人の型がある

顧客とサービス、企画と開発を繋ぐ、サービスブループリント真行寺派(仮称)の提案

こんにちは、NEWhの真行寺です。現在、デザインコンサルティングファームから転職し、NEWhに参加しています。前職ではデザインコンサルタントとして、顧客企業と共に人間中心設計に基づいた製品開発やプロセス改善に携わっており、UI/UXに関するリサーチや要件定義、設計、評価を担当していました。この経験を活かし、NEWhではサービスデザイナーとして業務を行っています。 みなさん、サービスブループリントというツールはご存知でしょうか?サービスデザインにおいて、顧客とサービスや、企画と

創業者の発想を読み解き考える。なぜ“顧客起点”の事業構想はうまくいかないのか?

大企業の新規事業開発を支援する、NEWhのサービスデザインチームのマネージャーをしている今村です。 ここではクライアントとの“共創”によって得られた事業開発に関する知見やノウハウをお伝えしています。 今回のテーマは“事業構想”です。大きなテーマではありますが、事業支援をしていくなかで得られた気づきを話していきたいと思います。 今回は少し長いですが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 マーケットインの欠点 新たな事業を考えるときによく出てくるキーワードが、“プロ

優れたUXを実現するプロダクトをデザインする前に最低限決めておくべき9つのこと

大企業の新規事業開発を支援する、NEWhのサービスデザインチームのマネージャーをしている今村です。 ここではクライアントとの“共創”によって得られた事業開発に関する知見やノウハウをお伝えしています。 今回のテーマは“UX(ユーザー体験)のデザイン”です。 もともと僕はUI/UXデザイナーとしてキャリアをスタートしました。これまでの経験を踏まえて、優れたUX(ユーザー体験)を実現するプロダクトづくりにおいて「デザインする前に、最低限何を決めなければいけないのか?」という観点

AIが描く「絵コンテ」で新規事業を加速させる方法

新規事業の立ち上げにおいて、アイデアをいかに迅速に具体化し、関係者や投資家に伝えるかは非常に重要です。口頭の説明やプレゼンテーション資料だけでは不十分な場合も多く、アイデアを視覚的に表現することが、事業の成功に直結することがあります。そこで、今回は新規事業の立ち上げやサービスデザインで、AI画像生成ツールがどのようなシーンで役立つかについて紹介します。 シーン1:利用シーンやコンセプトの合意形成をビジュアルを使って行う 以前私がいた広告業界、特にCMの制作現場では、アイデ

サービス開発・改善につなげるインサイト探索

こんにちは、NEWhサービスデザイナーのわたなべです! 今回は、新規事業開発におけるインタビューから分析のプロセスにおいて、「サービス検討に活用するインサイトをどう導出していくか」についてご紹介したいと思います。 サービス開発・改善につながる「良いインサイト」とはサービス開発や改善に活用できる「良いインサイト」とは何でしょうか。人によって定義は様々だと思いますが、私は「検討しているサービスに関わるコンテクスト、ユーザーの振る舞いや思考」において「顧客にとっての重要度」が高く

今日から使える、事業開発における“顧客”の捉え方フレームワーク

大企業の新規事業開発を支援する、NEWhのサービスデザインチームのマネージャーをしている今村です。 ここではクライアントとの“共創”によって得られた事業開発に関する知見やノウハウをお伝えしています。 今回は事業開発における“顧客の捉え方”がテーマです。 記事の後半では、事業を考える方に役立つ実務で使えるフレームワークも紹介します。 ぜひ最後までお付き合いください。 事業開発にとって「顧客をどのように捉えるか?」はとても重要な論点です。 事業をシンプルに一言で表現すると、“

顧客体験から事業機会を探索する “顧客活動バリューチェーン”

大企業の新規事業開発を支援するNEWhのサービスデザインチームのマネージャーをしている今村です。 ここでは新規事業をクライアントと共に“共創プロセス”で伴走支援する中で得られた知見やノウハウをお伝えしていきたいと思います。 今回取り上げるテーマは“事業機会探索”についてです。 事業機会探索のアプローチはいくつかありますが、その中でも「顧客体験」を起点とした事業機会探索のアプローチについてお話をしていきます。 “顧客起点での価値づくり”に関するテーマですので、新規事業開発に

“自社の強み”を活かす新規事業とは?

大企業の新規事業開発を支援する、NEWhのサービスデザインチームのマネージャーをしている今村です。 ここでは“共創プロセス”で新規事業を伴走支援させていただく中で得られた知見やノウハウをお伝えしていきたいと思います。 今回取り上げたいテーマは、大企業における新規事業開発についてです。 その中でも“自社の強みを活かす”ことの重要性を掘り下げていくとともに、“自社の強みを活かす”新規事業の4つのタイプを紹介していきます。 「自社の強み」という曖昧模糊とした概念をクリアにし、か

モノゴトの本質を伝える“コンセプト”について深く理解する

大企業の新規事業開発を支援する、NEWhのサービスデザインチームのマネージャーをしている今村です。 ここでは“共創プロセス”で新規事業を伴走支援させていただく中で得られた知見やノウハウをお伝えしていきたいと思います。 今回取り上げるテーマは、「コンセプト」です。 コンセプト、と聞いて日頃モヤモヤしている方はぜひ読んでいただけると嬉しいです。 この言葉は会議の中でよく見たり聞いたりします。(とくにクリエイティブな現場では…)しかしながら、お互いが共通認識を持って意思疎通がで