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「“ADHD”について」/ 眠気
前回の話はこちら▼
〜多動性〜
⑥長時間座ったまま話を聞けない
長時間座って、じっとしたまま話を聞くことができない。
厳密に言えば、「じっとしたまま話を聞こうとすると、寝てしまう」。
ADHDの特性「多動性」という言葉だけ聞くと、
授業中教室中を歩き回る、とかを想像するかもしれないが、私は、そういったことは一切なかった。
しかし、長時間座ったまま集中して話を聞いていると、100%寝てしまう。
例えば、大学の授業中。
小さい教室での少人数の授業では特に、座ってじっとしたまま、ちゃんと先生の目を見て、真面目に授業を聞こうとする。
そうすると、どんなに集中して聞いていても、どんなに面白い授業でも、確実に寝てしまう。
また、少人数の授業なのでもちろん、寝ていることは先生や周りの人に確実にバレる。
特に地獄だったのは、大学で選択していた、15人くらいの少人数の授業だ。
授業内容はものすごく面白いし興味があるのに、先生が良い声すぎて、絶対に毎回寝てしまっていた。
「寝ていたのは絶対にバレているから気まずい」ももちろんあるが、普通に「興味がある聞きたい授業内容だったのに聞けなくて悔しい」もある。
また、つい最近、1番最悪だったのは、入社した会社でのことだ。
会社の研修で、数時間の間、社長からのお話を聞く機会があった。
ものすごく面白いし、興味深いし、勉強になる内容だったのだが、これも同じようにじっとしたまま集中して聞いていたせいで、途中で寝てしまった。
さらに、寝ていたのは社長本人にもバレていた。
「そろそろ休憩取りましょうか、〇〇さん(私の名前)ももう限界そうだし」といったことを言われてしまっていた。
社長が優しい人だったからまだよかったものの、それにしても、「しっかり話を聞こうとしたのに寝てしまった」という事実がもう悔しくて仕方がない。
寝そうになる時は、なんとか抗おう!!!!と心の中で強く対抗するが、それを3.4回くらい繰り返すと、結局もう抵抗できなくなってしまう。
目の焦点が合わなくなり、目が回っているような感覚になり、聞いている内容が半分くらい理解できなくなってくる。
意識が飛びかけ、途中でなんとか戻ってくることができ、「今ならまだバレていない!!!今聞いているフリをすれば間に合う!」と思う時もあれば、もう2度と戻って来れないこともある。
そして、結局寝てしまい、目が覚めた時にまだ話が続いていると、自分が30秒間寝てしまったのか10分間寝てしまったのか、すらもうわからなくなっている。
わからないからこそ、「自分は30秒間意識が飛んでいただけだ!!今聞いているフリをすればまだ間に合うかもしれない!」と思って無理矢理聞いているフリをしたり、大きめに相槌を打ったりしてみる。
しかし、そういう時はもうだいたい手遅れで、周りの人全員に寝ていることがバレていたりする。
本当に悔しくて仕方がない。
たとえどんなに前の日ちゃんと寝ていたとしても、
どんなに、朝カフェオレを飲んでいてたとしても、
絶対に寝る。確実に寝る。100%寝る。
また、逆に、200〜300人くらい入る大きい講義室での授業では、他の教科の課題など内職をしながら聞いたり、ノートにラクガキをしながら聞いたりする。
また、コロナ禍以降のオンライン授業(顔出しなし)では、ご飯を食べながら聞いたり、机の上を軽く整理しながら聞いたり、他の作業をしながら聞いたりする。
こうすると、「じっとして集中する」時と比べ、一切寝ずに話が聞ける。
就活の説明会とかでも、対面では、服装もスーツだし「しっかり聞かなきゃ!」という心構えになるので、途中で寝そうにもなるし、帰る時には精神的にも体力的にもものすごく疲弊している。
しかし、オンラインとか配信型の説明会では、真剣に聞きながらメモを取ったり、他の作業をしながら聞いたり、ご飯を食べながら聞いたり、気が向くままに自由に過ごしながら聞くことができる。
その結果、ちゃんと頭に入るし、疲れることも寝てしまうこともほとんどない。
「途中までものすごく集中して聞いていたが、途中から寝てしまって一切話を聞けていない」講義と、
「最初から最後まで他の作業をしながら話を聞いていて、半分〜3分の2くらいの集中度合いで聞いていたが、一切寝ていない」講義だったら、
全体的に見れば、確実に後者の方が頭に入る。
だから、寝ないためには、どんなに集中して聞きたい講義でも、他の作業をしながら半分くらいの集中力で聞こう!くらいの気持ちで挑むしかないんだと思う。
しかし、対面とか人数の少ない講義で、最初から他の作業をしながら聞いていたら流石に気まずいので、頑張って動かずに真面目に聞くようにしてしまう。
その結果、100%寝るし、寝ているのが相手にも周りの人にもバレる。
「じっとしているより、動いている方がちゃんと話を聞ける」というのは、ADHDの「多動性」という特性に含まれるかな、と思った。
◯対処法
今思いつく範囲内での対処法は、
話を聞きながらなるべくメモを取るようにしたり
時々、メモを取っているフリをしながら、他の考え事についてノートに書いてみたり
講師や周りの人に怪しまれない程度に、適度に動いてみたり
途中で10分休憩とかがあれば、なるべく外やトイレに行って、体を動かしてみたり
まだ私は試していないが、「確実に寝そう!」という講義の前に、強めのエナジードリンクを飲んでみたり、
という感じだ。
どうにか、「真剣に聞きたい話」を「寝ずに聞ける」ようになりたい。