三浦俊彦 『エンドレスエイトの驚愕 ハルヒ@人間原理を考える』 : 分析哲学版 『黒死館殺人事件』
書評:三浦俊彦『エンドレスエイトの驚愕: ハルヒ@人間原理を考える』( 春秋社)
数年に一冊の傑作評論。
アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』第二期で物議をかもした、かの悪評高き実験的作品「エンドレス・エイト」を論じたものだが、とにかく半端ではない。その筆法を喩えて言うなら、小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』、舞城王太郎の『ディスコ探偵水曜日』の、分析哲学版だ。
メタ思考能力が是非とも必要であり、その意味で読者を厳しく選ぶ本ではあるが、著者初の持ち込み企画本だけはある、驚愕の評論本だ。
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