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1月〜5月に読んだ37冊から厳選:読んでよかった3冊
お正月から今日まで、こつこつと本を読み続け、読了冊数は36冊に。
私は自分のメンタルだったりその時の状況(プライベートや仕事)に応じて読む本の種類や作家に大きな偏りが出るタイプだ。
昨年と比べると、2024年上半期はミステリー小説で新たな作家を開拓しどハマりしている。
が、このnoteではミステリー小説以外で読んでよかったと感じる3冊の本を記録しておこう。
①集まる場所が必要だ〜孤立を防ぎ、暮らしを守る「開かれた場」の社会学〜(エリック・クリネンバーグ)
コミュニティ形成や、良いコミュニティについて興味があり購入した本。
とはいえミステリー小説にはまりしばらく本棚に眠っていたのだが、よし読もうと気合いを入れて読み始めたもの。
読み進めると以前から気になっていた「これってどうして?」がどんぴしゃで紹介されており、気がつくと4日で読み終わっていた。
シニアがゲームに熱狂する図書館、
親どうしのつながりを育む学校、
子どもがスポーツを楽しむ警察署…
あらゆる人が受け入れられる「社会的インフラ」では
何が行われ、何が生まれているのか。
1995年のシカゴ熱波で生死を分けた要因に社会的孤立があることを突き止めた著者。
つながりを育み、私たちの暮らしと命を守るには何が必要なのか?
研究を通して見えてきたのは、当たり前にあるものとして見過ごされがちな場、
「社会的インフラ」の絶大な影響力だったーー。
特に私が面白いと感じたのは、図書館の果たす役割について。
図書館は単に「本を借りることのできる場」ではなく、図書館という場所や本を借りれるということ自体が大きなメリットになっているそう。
たとえば図書館で小さな子供と親が参加できる読書会を企画することで、そこにやってくる親同士が自然と顔見知りになり、情報交換のできる場となる。
また、図書館の存在によって恩恵を受けるのは学生や社会人もだ。
ある人は本の中で、図書館の心地よさについて話していた。
図書館は誰がどんな本を読もうとそれを否定したりジャッジされたりしない、それが心地よいのだそうだ。
また、他の利用者や司書の方に行動を監視されているわけではないが、透明人間扱いをされているわけでもない。
困っている時には助けてくれ、普段は自分のペースや空間を尊重してくれる。
そんな適度な距離感が安心感に繋がっているのだという。
本を読みたいという目的は共有していても、何を読むか、どんなペースで読むかは人それぞれ。
そこにいていい、そしてお互いを尊重し心地よく過ごせるように気をつけ合いながらそれぞれの時間を楽しむ。
それを許されているという心理的安全性の担保のベストな例の一つが図書館なんだなと納得した。
②ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと(五十嵐 大)
耳の聴こえない親のもとに生まれた著者五十嵐さんの、耳の聴こえない親を持つことで直面した悩みや葛藤、そして親以外の聴覚障害の方との出会いから感じたことが記載されている。
大学で手話を勉強したことや、私の母も昔大学で手話を勉強したことがあり、日常で使う機会はなくともなんとなく手話というのは私にとってふとした時に気になる言語だったことがこの本を手に取るきっかけになった。
五十嵐さんの親が息子である五十嵐さんに感じていることや接し方、そして五十嵐さんから親への感情や言動など複数の方向へと感情移入しながら読み進める中で、印象に残った項目があった。
“対等”ってなんだろう
それは五十嵐さんが聴覚障害のある人たちとの飲み会に参加した時のこと。
五十嵐さんは飲み会で唯一の健聴者であり、率先して料理の注文をしたり店員さんからの食事の説明を手話で他の人に伝えていた。
飲み会後、メンバーの一人から五十嵐さんが声をかけられた。
わたしたちから”できること”を取り上げないで欲しいの。
たとえば、飲み物や料理を注文すること。うまく発生ができなくても、メニュー表を指差せば伝わる。
店員を呼びたければ手をあげればいいし、料理の説明が理解できなかったら、ゆっくり話してもらったり紙に書いてもらったりするなどお願いすればいい。
また、五十嵐さんは耳の聴こえない母親とのエピソードも関連して思い出していた。
高校生時代、母がパートに出たいと言ったとき、ぼくはそれを全否定した。そのときは、母を守っているつもりだった。聴こえる世界に出て傷つくことがないようにと、彼女のことを聴こえない世界に閉じ込めていたのだ。
意識的に自分より不自由のある人 = 困っている人、助けてあげないといけない人 と考え「してあげる」ことが、かえってその人のことを傷つけていたり、できることまで奪っているのではないか。
五十嵐さんのそんな気づきに私もはっとさせられた。
耳の聴こえない人に対する意識や行動だけでなく、たとえば学校の後輩や職場の部下、親から見た子供など、「自分の方が優れているから相手の分もしてあげないといけない」になっていないか。
一方で、五十嵐さんが母親とのエピソード内で感じていた「お母さんが傷つかないように守りたい」という思いに嘘はない。
だとしたらこれは単なる「迷惑なおせっかい」で済むことなのだろうか。
相手のことを考え行動すること全てが悪ではない。
であればみんなが幸せでいられる「対等」って何だろう。
私はまだ答えを見出せていない。
③87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」(藤本 茂)
投資歴68年に及ぶ藤本さんの、デイトレーダーとしての日常や投資の際のコツ、そして投資人生から学んだことが書かれている。
本を開くと藤本さんの午前2時から午後8時までの1日のスケジュールが記載されているのだが、文字通り投資を軸に生活が組み立てられているのを見てデイトレーダーになるならないよりも直感で「この人の人生気になる!」と思い購入した本だ。
藤本さんが語っていることで、投資に関わらず私の生活にも役立つなと思ったことが2つあった。
①疑問を持つこと
投資において「この企業は伸びるぞ」をチェックするのは新聞やラジオの情報はもちろん、日常の散歩も大切な情報源だそう。
はたまたコインパーキングに目をやり、「最近はよく車が停まっているな」と思えば、その運営会社の業績をチェックすることもあります。
…
途中の空き家に家が建築され始めたら、「どこの不動産会社が建てているんやろか」と確認します。よく見かける名前であれば、「この建設会社は、最近勢いがあるな」と肌感覚でわかります。
どこで儲けるための情報をゲットしたり、そもそも情報源となることを見つけるためのアンテナをどのようにはっていればいいのか。
その答えの一つは、何気ないことにも「これってどうしてだろう」「これって何だろう」と疑問を持つことだ。
アンテナという名の疑問を持つ癖をつけておけば、情報と出会った時に瞬時に反応することができる。
これは自分の普段の生活でもできるし、仕事にも活かせそうだ。
②振り返ること
68年に及ぶトレーダー歴を持つ藤本さんも、常に儲けを出しているわけではなく、読みが外れて損を出すことだってあるそう。
そんな時に大切なのは、自分のその場の判断が結果と比べて合っていたのか、ずれているならどのように読みが外れたかを振り返ることだと藤本さんは語っている。
自分が考えたこと、その背景、それをもとにした行動を振り返り、どこが求めている結果に繋がったのか、繋がらなかったのかも言語化することで、次回からはさらに良いトレードができる。
これもトレーダーかどうかに関わらず普段の生活で実践できることだ。
68年の投資歴、18億円の資産と聞くと彼が天才で運が良い人だと感じる部分もあるが、本を読むと本当に毎日の地道で継続した振り返りと実践の積み重ねだとわかる。
読書は生活バランスを教えてくれる鏡
高校の同級生で、3年間同じクラスだった子がいる。
その子は読書が趣味というよりも生活の一部になっていて、就職したてくらいの頃に会話をした際、こんなことを言っていた。
「読書は仕事が忙しくなっても続けたい。
1ページでもいいから、毎日読むようにしたいな。
逆に読めなくなるようであれば、仕事とプライベートのバランスを見直すべきだと思ってる。」
彼女にとって読書は大切な生活の一部であり、日常のバランスを保ったり確認する指標にもなっていたのだ。
仕事が忙しく働く時間が長くなったり、同じ時間働いていても負荷が大きくなりすぎると自分で気づいているようで、「しんどいけどまだ大丈夫」と思ってしまいがちだなと最近感じる。
本が読めているか。
それは生活のバランスを教えてくれる鏡であり、自分の人生で経験し尽くせない体験や教えを得ることのできる貴重な学びの時間だ。
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