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〔詩〕雑草

雑草を抜く
深く固く伸びた根の
生への執着に辟易しながら
低くしゃがみ込んで
黙々と抜いていく

蕾をつけた雑草に
思わず手を止めるのは偽善
蕾は花となり種をつけるから
見逃せるはずがない
すうっと息を一つ吸い
頭を空っぽにして引き抜く

命の重さは同じ
それは綺麗事なのかも知れない

爪に入り込んだ土を
ゆっくり丁寧に洗い流しても
石鹸の香りがする掌には
まだ穢れが染み付いている

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