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紙ふぶきのように、流星
幼さゆえ、無邪気なくらいに空気が読めなかった。だからといってそれを理由にすることも、そもそも理由なんて存在してはいけないが、小学5年生で入団した小学校のミニバスケットボール少年団の中で、ひょんな言動からすぐにいじめの標的となってしまった。コーチや良心ある父兄がいくら注意しようとも、いじめっ子はもとより、その親も最後まで反省の色を見せなかった。さらに事態をややこしくさせたのは、いじめっ子は単身でなく
もっとみる音楽で愛すラーメンズ+小林賢太郎
2020年12月1日。
その日もなんら変わりのないいつも通りの朝で、けれど何故かなんとなくanonymassが聴きたくなって、久しぶりに再生ボタンを押してみる。東京に住んでいた頃がちょっとだけ懐かしくなって、次の休みには久しぶりに『Sweet7』のDVDでも観ようかなぁ、なんて思っていた。いつも通り仕事に取り掛かり、ひと段落した昼過ぎ。ふとスマホを開いたら、トップに上がっていたあるひとつのニュース
ラジオより愛を込めて
10年経とうとする今も覚えている、5月の最初の月曜日。
高校に入学したことだし、何か新しいことを始めようかなと考えていた中、「そういえばこの前ネットで話題になっていたラジオ番組があったな、あれ聴いてみようかな」と思い出したのが夕方。
少しドキドキしながら夜を待った。
『SCHOOL OF LOCK!』というラジオ番組がある。
''未来の鍵を握るラジオの中の学校''というコンセプトのもと、TOKY
ささやかな祈りと抵抗
昼。12時。
大勢の人で賑わう職場の食堂は一般の人もよく利用していて、その日も高齢の女性2人組と相席になった。食堂の使い方を教えてあげたのがきっかけで少しずつ話が広がっていくと、女性が震災前に住んでいた場所が、今は亡き祖母の家の近所だということがわかった。津波により壊滅的な被害を受けたそこは復旧工事が完了し、懐かしい面影はかさ増しして新しくなった道路に埋もれてしまっている。
「昔の住所ももう