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忙しい現代人のための風呂読書〜無理なく月5冊を目指す〜

社会人になって本を読む時間がなくなったと感じていました。

そう思っているのは私だけではないはずです。

また、社会人になってから読書を奨められたり、自分で思い立ったとしても、結局仕事や他の趣味を優先して後回しにしてしまっている人もいることでしょう。

そんな忙しい現代人のために、私がオススメしたいのが風呂読書をすることです。

風呂読書とは、お風呂の中に防水の電子書籍リーダーを持ち込み、浴槽に浸かって読書をすることです。

私はこれまで月に1冊読めていたかどうかだったのですが、風呂読書を始めてから月に5冊以上読めるようになりました。

月に5冊というとそこまで多くないと思われるかもしれません。
しかし年間でいえば60冊相当、日本人の年間平均読書冊数(12冊)の5倍のペースです。



そもそも、あなたが読書を習慣化できない理由

【前提】忙しいは言い訳である

本が読めていないことを「忙しいせい」にすることは簡単です。

しかし、生産性がトップクラスの経営者・ビジネスマンは、私たちより遥かに忙しいはずなのに読書時間を捻出してできています。

働き方改革コンサルタントの越川慎司さんの著書『AI分析でわかったトップ5%社員の読書術』によると、トップ5%社員(※)のうち63%は年に35冊以上の本を読んでいるそうです。
※越川さんのクライアントの社員のうち、各社の人事評価がトップ5%である社員たちのこと

もちろん高い成果を上げる人たちが常に忙しいとは限りませんが、仕事と他の趣味との兼ね合いを考えれば、ほとんどの現代人は意識的に時間を捻出しなければ年に35冊以上読めるほどの時間を確保できません。ですから単に「忙しいから読めない」というのは言い訳であると私は考えています。

ただ、ここで終わってしまうと「言い訳せずに本を開くように意識すればいいんでしょ」という根性論になってしまいます。

ここで習慣化できない具体的な原因を考えてみましょう。

1. 時間・環境設定に不備がある

「読む気があるのに結局いつまでも読まない」という人の8割はこれなんじゃないかなと、私は勝手に思っています。

習慣化で重要なのは最適な時間と環境を設定し、固定化することです。

よく通勤電車で読もうとする人がいます。これは人によっては良い選択となりますが、向かない人もいます。

行きの電車で確実に座れて、なおかつ15分以上同じ電車に乗っているのならいいでしょう。しかし、東京へ向かう通勤電車を途中駅から乗ると高確率で立つことになります。終点まで数駅のところから乗る場合、ドア前で押しつぶされること必至です。こんな状態で本に集中することは困難ですよね?

帰りはどうでしょう。8時間の労働で疲れた中、難しい本に集中できる脳のリソースは残っているでしょうか?

寝る前に本を読もうとするのも、大半の人にとってはうまくいきません。
急な残業や飲み会など、夜は思わぬ邪魔が入る可能性が他の時間帯に比べて高く、まだ習慣化できていないタスクをルーティンに組み込むには向いていません。

環境も重要です。

光・音のような集中を乱す刺激がある場所を避けるのは当然として、それ以外にも他の習慣に結びついていない場所を選ぶ必要があります。

家の中で考えてみましょう。書斎があれば完璧ですが、ない場合はどこにしましょう。
ベッドは寝る場所ですし、リビングはテレビを見たり家族とコミュニケーションをする場所です。自室のパソコンデスクは仕事でしか使わないならまだ良いかもしれませんが、動画を見たりゲームをするようなら不向きです。

2. 紙の本にこだわって本を開くハードルが高くなっている

「紙の本のほうが記憶に定着しやすい」というのはいろんな研究で判明しています。
この点について、私も「確かにそういうところはあるかも」と納得しています。

しかし、これは電子書籍か紙の本のどちらか一方でも読んだ場合の比較です。そもそも読まなければ効果量はゼロです。

普段本を読まないのに紙の本を買い、重たいそれを持ち運んで電車の中や待ち合わせ中に読めるでしょうか?
家に帰ってきて、本棚にしまった本をわざわざ取り出しに行けるでしょうか?

たぶん無理ですよね。

それなら電子書籍にして本を開くハードルを下げるべきです。

ちなみにスマホ読書はあまり良くないなと思っています。スマホは一番手軽に電子書籍を開く手段ですが、なんでもできる端末が故に誘惑が多すぎますし、脳も「スマホを持つ=読書する」というコンテキストを記憶しづらいです。
電子書籍を読むなら専用のタブレットや電子書籍リーダーを買うことをオススメします。

3. 常に図書館で借りようとしている

これは最近まで気づいていませんでした。

とある同僚に「君がおすすめしてくれた本なんだけど、図書館で予約待ちが多いからまだ借りられてないんだよ」と言われたんですよね。

どうやら彼は「基本的に本は繰り返し読まないから買うともったいない」と思い、ほとんど図書館で借りるようにしているそうです。

図書館は取り扱いがあれば無料で本が読めるので活用すべき行政サービスではあります。
しかし、読みたい本が必ず住まいの市区町村で取り扱っているわけではないですし、心惹かれたその瞬間を過ぎるとどんどんその本に対するモチベーションが下がっていきます。
また、取り扱いが限られているため「読みたい本が見つからなかったな」となって何も借りないで帰ることになる可能性も高いです。

手元の本がゼロになってしまうと習慣が途切れる可能性が高いので、全部図書館で借りるというのは止めたほうがいいと思います。

風呂読書のメリット

風呂読書では主に「1. 時間・環境設定に不備がある」の問題を解決できます。具体的には以下のようなメリットがあります。

  • 風呂は毎日入る

  • 浴槽の中でできることが他にないから集中しやすい

  • 一定時間以上湯船に浸かることで、睡眠効率アップも享受できる

1. 風呂は毎日入る

1年のうちほとんどの日は、家のお風呂に毎日入ります。帰宅前に飲み過ぎたら朝に回すとか、どこかに泊まったとか、そういう突発的なこともあるかもしれませんが、そう頻繁にはありません。

2. 浴槽の中でできることが他にないから集中しやすい

浴槽の中は基本的に暇です。ボーっとするか鼻歌を歌うくらいしかできません。

つまり、他の習慣に紐づく可能性が極めて低いので、新しい習慣を作るにはうってつけのタイミングなのです。

もしスマホを持ち込むのが習慣になっている人は、代わりに電子書籍リーダーにしてください。スマホを持ち込まない状態で一度お湯を浴びてしまえば取りに戻るのは面倒になりますから、断ち切るのも簡単です。

3. 一定時間以上湯船に浸かることで、睡眠効率アップも享受できる

私はこれまで夏はシャワー、それ以外でも2〜3分湯船に浸かってすぐに上がるという入浴スタイルでした。

湯船に一定時間以上入って深部体温を上げると睡眠効率が高まることは知っていましたが、湯船でじっとしているのが苦手で避けていました。

しかし風呂読書をしていれば手持ち無沙汰ということはないので、私のようにじっとしているのが苦手な人でも湯船に浸かっていられます。

とはいえ熱いお湯にいつまでも浸かっていてはのぼせてしまいます。
また、そもそも湯船に浸かることのデメリットとして、肌が乾燥しやすくなるということもあります。
体質に合わせて程々の湯温・時間になるように工夫しましょう。

おすすめの電子書籍リーダー

当たり前ですがお風呂で紙の本は読めませんから、防水対応の端末で電子書籍を読むことになります。

最近のスマホは防水が多いですが、先程も書いたようにスマホはマルチタスクな端末なのでオススメしません。

いくつかおすすめの電子書籍リーダーを紹介しますので、こちらを使ってみてください。

1. Kindle Paperwhite

現状で一番おすすめなのはKindle Paperwhiteです。

私は32GBのシグニチャーエディションを買いましたが、Kindleは本の削除・再ダウンロードが簡単なので、漫画もたくさん読む人であっても16GBで十分だと思います。私も次に買い替えるなら16GBを選びます。

Kindle Paperwhiteの難点は物理ボタンがないことです。
お風呂の中で使用していると端末に水滴が付きます。これが原因でそこそこの頻度でタッチパネルが誤動作したり、無反応になったりします。

2. Kindle Oasis(第10世代)

終売してしまったKindle Oasisにはページめくり用の物理ボタンが付いていました。ただし他のモデルよりも筐体が大きいのと、古いモデルなので充電端子がmicro USBであることが難点です。

こちらをメルカリや中古ショップで探すというのもオススメです。16,000〜21,000円程度が相場のようです。

3. Kobo Libra Colour

電子書籍を楽天で購入している人はこちらがオススメです。

カラー表示対応でページめくり用の物理ボタンが付いています。別売りのスタイラスペンと組み合わせれば電子ノートとしても使えます。

電子書籍未購入の人は、Kindleに統一することを私はオススメしています。
端末やアプリの成熟度がKindleシリーズのほうが高いですし、取り扱い冊数もあちらのほうが多いです。

風呂読書目的で買ってはいけない機種

逆に風呂読書を目的に買ってはいけないのが、以下の2つです。

  • Kindle(無印)

  • Kindle Scribe

  • Kobo Elipsa 2E

  • BOOXの全機種

これらは防水に対応していませんから、風呂読書では使えません。

おわりに

工夫して本を読もう

いろいろ理屈を並べてみましたが、やっていることは至ってシンプル。ただ湯船に浸かってKindleを開くだけです。

ここまで読んであなたはどう思われたでしょうか。

私シャワー派なのに。水道・ガス代がもったいない。わざわざ2万円のデバイスに投資してはコスパが悪い。
そう思われた方もいるでしょう。

しかし、読書が人生に与えるものは絶大です。

このためにかけたお金以上のリターンがいつか必ず返ってきますし、睡眠効率も上げられるとなれば一石二鳥なんてものじゃありません。

本を読めないことにお悩みであれば、ぜひ試してください。


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