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天職なんて

 仕事における、天職とはなんだろう。

 自分に最も合ったもの、自分にしかできないこと、それをすることでしかいられない、いろいろ、あるとは思う。

 天から授かったような役割、とでも、表するべきものであろうか。

 そうした声を聞いて、それを成す。

 けれど、それはたぶん、そうすることでしか生きられない、であって、本人は天職とは思っていないかもしれないし、仕事、とですら感じていないかもしれない。

 もちろん、そうでない人もいると思う。仕事、として自分を表現する楽しさを見出し、それこそ広い世界に影響を与える方、身近な世界に影響を与える方、そんな方もいると思う。

 私には、想像もつかないくらい、能力のある方なのだろう。

 それでも、あえて、私が感じるーーというよりは、ある方の言葉のほうがより身近で、力を感じるように思うものがある。

 その方は看護師であったが、

「(今の仕事が)天職なんて言っている人を信用できない」

 というものだ。

 天職、と思うことは、この仕事が自分にとって非常に合っており、この仕事をするためにいる、むしろ望まれている、というようなものであろうか。

 その方の言葉を借りるなら、というより、その方が出会ったそんな言葉を使う方々は、自分が間違っていることは何もなく、すべてにおいて正しい、と思いながら仕事をしている、ということだ。

 それはつまり、自分とは違えばそれに対して批判し、非難し、攻撃をする。

 もちろん、そんな方ばかりではないとは思う。

 けれど、自分が今も向いているかわからず、この仕事に向いてはいないかもしれない、と感じながらもがき、悩み、それでも先へ進んでいくのであれば、そんな傲慢な答えは出ないであろう。

 天職なんてものが何かはわからないし、この先も私には縁のない話しなのだと思うけれど、私はその方のその姿勢こそが、大切なもののひとつなのではないか、と感じている。

 それを天職とすることはないけれど、感じた瞬間といえば、そんなことが、思い出された。

いつも、ありがとうございます。 何か少しでも、感じるものがありましたら幸いです。