【地方移住】いつも何度でも「あと1時間余裕があったら」と感じた夏。
今も思ってる。「今が15時じゃなくて14時だったらあれしてこれして…。」と。この夏からこの思考に取り憑かれていると言っても過言ではない。
我が家は新規就農してこの春から農作業をして7月からきゅうりのJA出荷を始めた。きゅうりを育てて収穫するのはとても大変なのだ。私は全然知らなかった。
まず、育ってきたら朝と夕方に収穫しないといけない。育ってきたきゅうりの成長スピードはすさまじい。朝に「ちょっと小さいかな」と思ったきゅりが次の日の朝には野球のバットみたいになっている。だから時間としては中間の夕方にも収穫に行く。
夫さんが7割くらい農作業しているけれど、朝の出荷の準備作業は私のスケジュールにしっかり組み込まれている。
まず8時までに集荷場にきゅうりをしっかり梱包した状態で持って行かないといけない。夫さんは毎朝4時ごろ起きてきゅうりを収穫しに行っている。私は4時半~5時に起きて準備が出来次第先日夕方に収穫したきゅうりが山積みのコンテナの前に立ち仕分けを始める。
今までスーパーのきゅうりを買っていた時には感じたことのない細かいきゅうりのランク付けがあり、それを一本一本グラムと長さを測って仕訳けていく。
6時半くらいになったらきゅうりは一度中断、朝起きて研いでおいたお米を炊き始め、みそ汁をつくる。そしてまたきゅうりに戻る。7時くらいになると夫さんが収穫から戻ってきてコンテナからあふれるくらいの朝採れのきゅうりとお目見えする。
夫さんと仕分けを交代して、私は出荷用の箱を組み立て、ランク分けしたきゅうりを詰めていく。8時にはきゅうりは出発しないといけない。ここから時間との戦いがゴングを鳴らす。
「まだ6時くらいだったらいいのに。」この辺の時間のタイミングでよくそう思う。ここからの戦いはきゅうりと時間とだけではない。寝室にいる娘たち(5歳・2歳)を起こして、トイレに行かせて、どうにかご飯を食べさせて8時過ぎには保育園に出発しないといけない。しかも2歳の「やだもん」「しないもん」攻撃と5歳の「youtube見たいんですけど~(そんな時間はない)」「おにぎりじゃなくてパンがよかったな…(メニューを変える時間が無い)」みたいな地味に急所を狙う攻撃もされる。そうこうしてるうちにきゅうりから手が離れ子どもたちにつきっきりになることもしばしばだ。
どうにか出荷するきゅうりたちを夫さんが軽トラに載せて出ていくのを見ると「あ~今日も無事に終わった」と思ってしまう。まだ朝の8時過ぎなのに。
夕方きゅうりの収穫に行った夫さんが畑から帰ってくるのは18時半過ぎ。子どもたちのごはんが遅くなってしまうと「まだ18時過ぎだったらいいのに…」寝る時間が遅くなると「まだ21時前だといいのに…」4時半も目覚ましも「あと1時間寝たい」と時間に翻弄される毎日だ。
今年が新規就農。時間的にも体力的にも初めてなことばかりで上手くいかないことが多いのはわかっている。それでも「24時間じゃ足りない」思考にはうんざりしそうなので早く落ち着きたいなとも思っている。