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【展覧会レポ】SCAI THE BATHHOUSE「森万里子<古事記>」
【約3,400文字、写真約30枚】
上野にあるSCAI THE BATHHOUSEへ初めて行き「森万里子<古事記>」を鑑賞しました。その感想を書きます。
【この投稿で伝えたいこと】
❶上野に来た際、スカイザバスハウスは是非立ち寄りたい現代アートギャラリー(無料!)、❷面白い外観で、コンパクトで見やすい展示室、❸古事記から着想を得た森万里子のキラキラクリスタルは圧巻。
展覧会名:森 万里子「古事記」
場所:SCAI THE BATHHOUSE
おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★★☆☆
混み具合:★★☆☆☆
会期:2024年6月8日(土)- 7月27日(土)
休館日:日・月・祝日
開館時間: 12:00 - 18:00
住所:東京都台東区谷中 6-1-23 柏湯跡
アクセス:上野駅から徒歩で約10分
入場料(一般):無料
事前予約:ー(AR作品は予約必要)
展覧所要時間:10〜20分
展覧撮影:全て可能
URL:https://www.scaithebathhouse.com/ja/exhibitions/2024/06/mariko_mori_kojiki/
▶︎訪問のきっかけ
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もともとSCAI THE BATHHOUSEが上野の近くにあることは知っていたものの、行く機会がなかなかありませんでした。最近、六本木のcomplex665などの現代アートギャラリーに行って面白かったため、東京都美術館に行った後、SCAI THE BATHHOUSEに足を伸ばしてみることにしました。
▼六本木のcomplex665
▼東京都美術館で鑑賞した「デ・キリコ展」
▶︎アクセス
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SCAI THE BATHHOUSEは、上野駅から徒歩約10分。東京藝術大学大学美術館方面にずーっと歩いて行くと到着します。上野駅よりも日暮里駅や根津駅の方が、地理的に近いです。しかし、私は上野駅近くの美術館から歩いた方が行きやすいと思いました。
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ギャラリーの近くに有名な喫茶店「カバヤ珈琲」(食べログのクチコミ数約1,000!)があります。私も2016年に訪問していました。当時の私は、あと10m先にSCAI THE BATHHOUSEがあると知りませんでした😅
住所:東京都台東区谷中 6-1-23
▶︎森万里子<古事記>」感想
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考古学から最新の物理学、あるいは仏教の唯識論まで、幅広いリサーチを通じて私たちを取り巻く見えない世界に形を与えて来た森万里子。(略)本展「古事記」では、神代の創世神話から着想を得た作品群によるインスタレーション、および本年度ベニスにて公開される新プロジェクトに関する展示が発表されます。
会場内には、大きなものも含めて作品が約5点が展示。ただキラキラしたものではなく、作品のベースには神話など形而上学的な考えがあるとのこと。
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この丸い作品が本展覧会のメイン。天地開闢の神話である古事記の冒頭で、現れてすぐにいなくなる創世の神々である、別天神を、三つの丸で表現。三つの丸は、1)見えない世界、2)現実世界、3)森万里子がイメージする心をイメージしている、とのこと。
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日本各地の磐座(神をおろす依り代としての岩)を巡るフィールドリサーチに基づき制作された作品。沖ノ島に今も残る古墳時代の祭祀跡に着想を得ているそうです。
「ただのきれいなクリスタル」ではなく、アーティストの思想が反映されていることに対して作品の価値があるのかな、と思いました。
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イザナミ、イザナギの国生み神話から着想を得た作品
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「クリスタル」と言われれば、私はファイナルファンタジーを最初に思い出します。クリスタルはあまり身近な存在ではありませんが、そのような影響で何となく「神聖なもの」というイメージがすでにあります。
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また、森万里子の作品を吉岡徳仁の作品と言われれば「へ〜」と思ってしまいそうです。実際、大分・湯布院のCOMICO ART MUSEUM YUFUINには、吉岡徳仁の作品と森万里子の作品が近くに置いてあるみたいです。今後、吉岡徳仁のように、森万里子の知名度もさらに高まるかもしれません。
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私は展覧会の初日に行きました。その際に偶然、森万里子本人に会うことができました。全身を白い服でまとめており、いつも人前に出る時はそのような衣装と決めているようでした。私がいる時間は、2階からずっと猫みたいに壁から顔だけを出して会場を見下ろしていました。
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このギャラリーは駅から離れているものの、来場者はひっきりなしでした。そのうち、半分くらいは外国人。上野をぶらぶらしている人ではなく、バスハウスを主目的に来ているようで、人気の観光スポットのようです。
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少し辺鄙な場所にありますが、特に現代アートが好きな人にとって、おすすめのギャラリーだと思いました!
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▶︎SCAI THE BATHHOUSEとは
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SCAI THE BATHHOUSEは、白石正美が小山登美夫に「母校(東京藝大)近くの歴史ある銭湯が取り壊されそうで、もったいないから残したい」と話を持ち掛けられたことがきっかけで始まりました。
1993年、200年の歴史をもつ由緒ある銭湯「柏湯」を改装して、現代アートに特化したギャラリーとしてオープン。室内は大きなホワイトキューブ空間で、お風呂は残されていません。
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「意味のあるものは必ず残っていきます。そしてそれを作れるのは第一線で活躍する作家ばかりではありません。(略)これから出てくる人たちが出やすいようサポートする場を、より自由な雰囲気の中で作っていきたいと考えています」
SCAI THE BATHHOUSEでは、李禹煥、遠藤利克、森万里子、名和晃平、和田礼治郎、アニッシュ・カプーア、ダレン・アーモンド、アピチャッポン・ウィーラセタクン、何翔宇、宮島達男、ルイーズ・ブルジョワなどの現代アートを得意としているようです。絵画ではなく印象的な立体物を得意とするアーティストが多いように思います。
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ギャラリーは、バスハウスの他に、天王洲アイル TERRADA Art Complex に「SCAI PARK」(2017年3月)、六本木のピラミデ3階にある「SCAI PIRAMIDE」(2021年4月)の計3箇所があります。
「優れたアートは、残していかなければなりません。そのために、アートは売れなければならない。(略)エージェント的役割をするのが私たちの使命だと考えています」
スカイの代表である白石正美は、慶應義塾大学文学部美学美術史専攻卒業後、フジテレビギャラリーへ入社、取締役事業部長を務めた後、40歳の時に独立。1989年に現代美術の企画、売買を行う株式会社白石コンテンポラリーアート(Shiraishi Contemporary Art Inc.)を設立しました。
「ギャラリー初心者や若い人こそ、ぜひ、1枚購入するつもりでギャラリーを訪れてほしいと思います」
▶︎まとめ
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いかがだったでしょうか?コンパクトにクオリティの高い現代アートが見られるギャラリーでした。私は森万里子を知る良い機会になりました(今後、活躍の場がさらに増えそうです)。上野で美術館を2つハシゴするのは体力が要りますが、美術館+バスハウスならちょうどいいのではないでしょうか。
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